患者が心を開かない状況とは?(JAMA 2018)

Prevalence of and Factors Associated With Patient Nondisclosure of Medically Relevant Information to Clinicians

Levy AG et al.

JAMA Netw Open. 2018;1(7):e185293.

doi:10.1001/jamanetworkopen.2018.5293

PMID:

キーポイント

臨床疑問

患者は医学的に関連性の高い情報について、臨床医へ知らせることを差し控えていますか、そうだとするとなぜ彼らは情報開示しないのですか?

調査結果

米国の成人4,510人を対象とした2件の全国的かつ非確率的オンライン調査では、特に患者が臨床医の勧告に同意できなかったり、臨床医の指示を誤解した場合に、ほとんどの情報を非開示、つまり情報の開示を差し控えていました。

非開示については、7種類の医学的関連情報のうち少なくとも1つを差し控えていました。

情報を開示しない最も一般的な理由としては、彼ら(患者)の行動がどれほど有害であるかを臨床医に判断されたくない、あるいは聞きたくないということでした。

試験結果の意義

一般的に患者は、臨床医からの医学的な関連情報を差し控えていました。このような行動パターンは、結果として患者ケアの質を低下させるようです。

要約

試験の重要性

患者が臨床医に医学的な関連情報を開示しなかった場合、患者のケアが損なわれたり、患者に害が及ぶことさえあります。

試験の目的

患者ケアに関連する情報を、患者が臨床医に開示し損ねている理由と頻度を明らかにする。

試験設計・設定および参加者

2015年3月16日から30日にかけて、Amazon’s Mechanical Turk(MTurk)を利用し2,096人から回答を得た。またSurvey Sampling International(SSI)を使用したオンライン調査を利用し、2015年11月6日から17日にかけて3,011人から回答を得ました。これら2つの全国的かつ非確率的サンプルを利用し、データ分析を2018年9月28日から10月8日まで行いました。

除外基準を満たす回答者を除外した後の最終的なサンプルサイズは、2,011人(MTurk)と2,499人(SSI)でした。

主要評価項目と測定尺度

主要アウトカムの尺度は、臨床医に対する7種類の情報の非公開数(例:指示、薬物使用法を理解していない)および非公開の理由(例:恥ずかしい、判断したくない)でした。

結果

全体で4,510人が回答しました。

2,096人の回答者のうち、MTurk調査で2,013人が完了し(完了率96.0%)、2,011人が分析に含まれました。

3,011人の回答者のうち、2,685人がSSI調査を完了し(完了率89.2%)、2,499人が分析に含まれました。

参加者の平均(SD)年齢はMTurkでは36(SD 12.4)歳、SSIでは61(SD 7.59)歳であった。

両サンプルにおいて、主たる回答者は白人であった(MTurk:1,696 [84.3%]; SSI:1,968 [78.8%])。

1,630人のMTurk参加者(81.1%)と1,535人のSSI参加者(61.4%)が、少なくとも1種類の情報開示を避けました。

情報開示を避けた理由のうち最も一般的なものは、臨床医の推奨に同意しない(MTurk:回答数2,010のうち918 [45.7%]; SSI:回答数2,497のうち785 [31.4%])および臨床医の指示を理解していない(MTurk:2,009の回答のうち638 [31.8%]; SSI:2,497人の回答のうち607【24.3%】)でした。

非開示の理由のうち、より一般的なものは、判断または指導を受けたくない(MTurk:81.8%[95%CI 79.8%〜83.9%]; SSI:64.1%[95%CI 61.5%〜66.7%])、患者自身のとる行動がどれほど有害であるかを臨床医から聞きたくない(MTurk:75.7%[95%CI 73.5%〜78.0%]; SSI:61.1%[95%CI 58.5%〜63.8%])、恥ずかしい (MTurk: 60.9% [95% CI 58.9%62.9%]; SSI: 49.9% [95% CI 47.8%52.1%])

両サーベイのサンプルともに、女性(MTurk:オッズ比[OR] =1.88 [95%CI 1.49〜2.37]; SSI:OR =1.38 [95%CI 1.17〜1.64])、より若年(MTurk:OR =0.98 [95%CI 0.970.99]; SSI: OR =0.98 [95% CI 0.970.99])自己評価した健康状態が悪い(MTurk: OR =0.87 [95%CI 0.760.99]; SSI: OR =0.80 [95%CI 0.720.88]) 場合に情報開示する可能性が高かった。

結論と関連性

本調査において回答者の多くは、臨床医に対して重要な情報を故意に差し控えていました。これは臨床医の指示に同意できなかったり、誤解したりしたときに起こる可能性が最も高いようです。

患者の安心を如何に向上させるか、という観点について理解を深めることで、臨床医と患者の関係および患者のケアが向上する可能性があります。


コメント

アブストのみ。

海外ドラマ “House” にハマり見まくっていました。Dr. Houseの口癖「患者は嘘をつく」です。

言わんとしていることは理解できるのですが,経験だけではなく,臨床試験としてきちんと研究されているのか気になり調べてみました。

アンケート結果から担当医の言いなりになりたくない患者自身の考えを頭ごなしに否定されたくないというような理由大半かなと感じました。

おそらく双方向性の意見交換、というか対話を欲しているのではないでしょうか。

つまり患者自ら医療関連情報を開示したくなるよう働きかけることが肝要ということでしょうか。言葉にすれば当たり前のことですが難しいですね。この難しさは薬局でも感じています。