【批判的吟味】虚血性脳卒中患者におけるプレタール®️ベースDAPT治療にはバイアスピリン®️とプラビックス®️どちらが良さそうですか?(オープンラベルRCT; Lancet Neurology 2019)

Dual antiplatelet therapy using cilostazol for secondary prevention in patients with high-risk ischaemic stroke in Japan: a multicentre, open-label, randomised controlled trial

Toyoda et al.

Lancet Neurology 2019

DOI:https://doi.org/10.1016/S1474-4422(19)30148-6

ClinicalTrials.gov (number NCT01995370) UMIN Clinical Trials Registry (number 000012180).

PMID: 未

Funding: Otsuka Pharmaceuticals

【研究の背景】

アスピリンとクロピドグレルによる二重抗血小板療法は虚血性脳卒中の早期再発を軽減するが、長期間の使用において、このタイプの療法はもはや効果がなくなり、出血のリスクが高まることが報告されている。

シロスタゾールがアスピリンと比較して重篤な出血リスクを増加させることなく脳卒中の再発を予防するという仮説を立て、シロスタゾールを含む二重抗血小板療法が安全で長期使用に適しているかどうかを確立することを目指し試験を行った。

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DOACsとワルファリンはどちらが優れていますか?(イギリス人口ベースのコホート研究; BMJ 2018)

【私的背景】

イグザレルト®️(リバーロキサバン)を検討したPIONEER-AFやROCKET-AF等の過去の臨床試験結果において、ワーファリン®️(ワルファリン)と比べて、より新しい抗凝固薬であるDirect Oral AntiCoagulants(DOACs)の有益性が示唆されている。

だがいずれの試験も対照薬であるワルファリンに不利となるような因子がある。例えばPIONEER-AFでは患者背景にバラツキがあり、ワルファリン群に不利となる条件だった。またROCKET-AFでは、プロトロンビン時間国際標準比(Prothrombin Time-International Normalized Ratio, PT-INR)を測定する機器(Point-Of-Care Warfarin Monitoring)にリコールがあった。

しかしリコールと非リコールでのサブグループ解析でも結果は同じ、つまり問題はないとされた(https://www.bmj.com/content/362/bmj.k2505?hootPostID=4d765f3ab1f9ae27fd05a9962c75bbe7 ; https://www.bmj.com/content/363/bmj.k4413)。

個人的にはサブグループ解析はあくまで仮説生成であり,結果に差があろうとなかろうと情報の信頼度は低いと考えている.本当にDOACsはワルファリンよりも優れていると結論付けて良いのか?この部分を明らかにしていくために本コホート研究を読んでみた。

ちなみにイグザレルト®️はバイエル薬品から発売されている。バイエル薬品といえば、過去に個人情報のコンプライアンス違反副作用についての虚偽報告をした件があり、厚生労働省から改善指導がなされている(https://mainichi.jp/articles/20170715/k00/00m/040/106000c.amp ; https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000179072.html)。

 


Risks and benefits of direct oral anticoagulants versus warfarin in a real world setting: cohort study in primary care.

Vinogradova Y et al.
BMJ. 2018 Jul 4;362:k2505.
doi: 10.1136/bmj.k2505.
PMID: 29973392
 

【試験の目的】

 直接経口抗凝固薬(DOAC)と出血のリスク、虚血性脳卒中、静脈血栓塞栓症との関連性を調査すること、そしてすべてがワルファリンと比較して死亡率を引き起こすこと。

【試験デザイン】

 前向きオープンコホート研究

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乳児における肺静脈狭窄の予後はどのくらいですか?(SR&MA; J Pediatr. 2018)

Pulmonary Vein Stenosis in Infants: A Systematic ReviewMeta-Analysis, and Meta-Regression.

Backes CH et al.
J Pediatr. 2018 Apr 9. pii: S0022-3476(18)30218-X.
doi: 10.1016/j.jpeds.2018.02.030. [Epub ahead of print]
PMID: 29650415

【目的】

肺静脈狭窄(PVS)と診断された幼児(1歳未満)のアウトカムを定量化する。

【研究デザイン】

2017年2月1日までMEDLINE(PubMed)、Scopus、およびWeb of Scienceを検索した。言語制限はなし。前回の介入がなく、プライマリPVSと診断された乳児を含む文献が考慮された。

本研究は、疫学ガイドラインの観察研究のメタ分析、体系的レビュー、メタ分析のチェックリストに従って実施され、前向きに登録された。

選択された報告書の質は批判的に検討された。

データ抽出は、先験的に合意された結果を有する複数の観察者によって独立して行われた。データは、逆分散不均質モデルを用いてプールされ、主要評価項目は死亡率であった。

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低血糖リスクの少ない抗糖尿病薬による血糖低下作用は心血管イベント抑制に寄与できますか?(SR&MA; Diabetes Obes Metab. 2018)

Blood glucose reduction by diabetic drugs with minimal hypoglycaemia risk for cardiovascular outcomes: Evidence from meta-regression analysis of randomized controlled trials.

Huang CJ et al.
Diabetes Obes Metab. 2018 May 2. doi: 10.1111/dom.13342. [Epub ahead of print]
PMID: 29722116

【研究の目的】

2型糖尿病(T2D)患者の心血管系アウトカムに対する低血糖症のリスクが最も低い抗高血糖剤による血糖コントロールの効果を検討する。
 

【材料および方法】

低血糖リスクの少ない抗糖尿病薬の相対的有効性と安全性を比較するランダム化比較試験(RCT)は、2018年1月27日までMEDLINE、Embase、Cochrane Libraryで総合的に研究された。

混合効果メタ・リグレッション分析を行い、ヘモグロビンA1c(HbA1c)減少と重大な有害心血管イベント(MACE)、心筋梗塞、脳卒中、心臓血管死、全原因死、および心不全の入院のリスクとの間の関係について検討した。

【結果】

・T2Dを有する92,400人を含む10件のRCTが含まれ、中央値2.6年間の追跡期間中の9,773件のMACEに関する情報が提供された。

・平均HbA1c濃度は、プラセボ投与群よりも抗高血糖剤を投与した参加者の方が0.42%低かった(範囲 0.27%〜0.86%)。

・メタレグレッション解析では、年齢、性別、ベースラインHbA1c、追跡期間(HbA1c)、達成された収縮期血圧の差、達成された体重の差、および低血糖症リスクの差などの交絡因子の調整後でさえ、HbA1cの減少がMACEリスクの低下と有意に関連していた(β値 -0.39〜 -0.55; P <0.02)。

・HbA1cを1%低下させることは、MACEの30%(95%信頼区間 17%〜40%)の有意なリスク低下をもたらした。対照的に、従来の薬剤を用いた試験のメタ – 回帰分析は、達成されたHbA1cの差とMACEリスクとの間に有意な関係を示さなかった(P> 0.74)。

【結論】

プラセボと比較して、低血糖の危険性がより低い新規のT2D剤は、MACEリスクを有意に減少させた。 MACE減少は、線形関係におけるHbA1c減少と関連しているようである。

【KEYWORDS】

dipeptidyl peptidase-4 inhibitor; glucagon-like peptide-1 agonist; major adverse cardiovascular events; sodium-glucose cotransporter-2 inhibitor; thiazolidinedione; type 2 diabetes

【コメント】

アブストのみ。

DPP-4阻害薬、GLP-1刺激薬、SGLT-2阻害薬は、プラセボと比較してHbA1cの低下およびMACEリスク低下をもたらした。

他の試験結果をみると、DPP-4阻害薬単独によるMACEリスク低下はなさそう。新規とか従来薬とか、ざっくりとしたグループ分けではなく、個々の薬剤で評価した方が良いですね。

スタチン使用と高コレステロール値および開放隅角緑内障リスク(コホート研究のプール解析; JAMA Ophthalmol. 2019)

Association of Statin Use and High Serum Cholesterol Levels With Risk of Primary Open-AngleGlaucoma.

Kang JH et al.

JAMA Ophthalmol. 2019 May 2.

doi: 10.1001/jamaophthalmol.2019.0900. [Epub ahead of print]

PMID: 31046067

【研究の重要性】


スタチン(ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA阻害剤)の使用は、原発性開放隅角緑内障(POAG)のリスクの低下と関連している。しかし、これまで報告された結果は矛盾しており、そして高コレステロールレベルとPOAGとの間の関連についてはほとんど知られていない。

【目的】

コレステロール値の上昇とスタチン使用およびPOAGの関連性を評価すること。

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駆出率が保たれている心不全患者における植込みペースメーカーの効果はどのくらいですか?(プール解析; JACC Heart Fail. 2019)

Prior Pacemaker Implantation and Clinical Outcomes in Patients With Heart Failure and Preserved Ejection Fraction.

Shen L, et al.
JACC Heart Fail. 2019.

PMID: 30981744

【目的】

本研究では、保存駆出率(HFpEF)を伴う心不全患者における以前のペースメーカー移植と臨床アウトカムとの関係を調べた。

【背景】

従来の右心室ペーシングは、電気的および機械的左心室同期不全を引き起こし、左心室の収縮機能障害および心不全を悪化させる可能性がある。 従来のペーシングがHFpEFのより悪いアウトカムにも関連しているかどうかは不明である。

【方法】

患者データはCHARM-Preserved (Candesartan in Heart failure: Assessment of Reduction in Mortality and morbidity)I-PRESERVE (Irbesartan in Heart Failure with Preserved Ejection Fraction)および TOPCAT (Treatment of Preserved Cardiac Function Heart Failure with an Aldosterone Antagonist trial) からプールされた。

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クラビット®️が3回服用から1回服用に変わったのは何故ですか?(Open-semi-RCT; )

論文1:Levofloxacin 300 mg Once-daily versus Levofloxacin 100 mg Three-times-daily in the Treatment of Respiratory Tract Infections in Elderly Patients

Mita Y et al.

Kitakanto Med J 2003; 53; 251-255

PMID: 未

【背景・目的】

クラビット®️(レボフロキサシン, LVFX)は、(西暦2000年頃では)新規に合成されたキノロン系抗菌薬である。

アメリカや他の国では呼吸器感染症に対して、レボフロキサシン500 mg/日の用量で1日1回投与するレジメンの有効性が報告されているが、日本ではほとんど使われていない。

【方法】

本試験は、ランダム化、パラレルグループ、オープンラベル、多施設共同で実施された。試験参加者は呼吸器感染症にかかった高齢者、LVFX 300 mgを1日1回 7日間 と LVFX 100 mgを1日3回 7日間 を比較検討した。

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多剤耐性細菌:病室と患者の手には何がいるのか?

Multidrug-resistant Organisms in Hospitals: What Is on Patient Hands and in Their Rooms?

Mody L, et al.
Clin Infect Dis. 2019.
PMID: 30980082

【背景】

多剤耐性生物(Multidrug-Resistant Organisms, MDRO)感染における医療従事者の手の汚染の影響は重要なためよく研究されている。 しかし患者の手の汚染の役割はさらに特徴付けられる(研究を重ねる)必要がある。

【方法】

ミシガン州南東部の2つの病院において、患者の部屋に到着してから24時間以内に募集され、かつ前向きに鼻孔、利き手、および6つの接触環境面の微生物監視を用いて追跡した

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アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)により発がんリスクは増えますか?(SR&MA; European Journal of Internal Medicine 2019)

Systematic review and meta-analysis of randomised controlled clinical trial evidence refutes relationship between pharmacotherapy with angiotensin-receptor blockers and an increased risk of cancer

Datzmann T et al.

European Journal of Internal Medicine
Volume : 62 April 01, 2019

https://doi.org/10.1016/j.ejim.2019.04.019

【研究の目的】

発癌に対するアンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)の潜在的な影響は、非常に議論されているトピックである。

観察的研究ならびにげっ歯類を用いた発がん性アッセイにおける前臨床研究の両方において、癌発生におけるレニン – アンジオテンシン – アルドステロン系(RAAS)の主要な役割を示唆している。

そのため、ARBおよび発がん性に関する入手可能な試験データを主な結果として系統的レビューおよびメタアナリシスを実施した。 副次的アウトカムは、腫瘍特異的死亡率および肺がん、乳がん、および前立腺がんに特に重点を置いた特定の腫瘍型の新規症例の頻度として定義された。

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心房細動患者においてカテーテルアブレーションと抗不整脈薬はどちらが優れていますか?(Open-RCT; CABANA trial; JAMA 2019)

Effect of Catheter Ablation vs Antiarrhythmic Drug Therapy on Mortality, Stroke, Bleeding, and Cardiac Arrest Among Patients With Atrial Fibrillation: The CABANA Randomized Clinical Trial.

Packer DL, et al.
JAMA. 2019.

Trial Registration: ClinicalTrials.gov Identifier: NCT00911508.

PMID: 30874766

【試験の重要性】

カテーテルアブレーションは、心房細動(AF)の洞調律の回復に効果的だが、長期死亡率と脳卒中リスクへの影響は不明である。

【試験の目的】

AFのアウトカムを改善するためにカテーテルアブレーションが従来の内科的治療よりも有効であるかどうかを決定すること。

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