2型糖尿病患者における経口セマグルチドの効果はどのくらいですか?(BD-RCT; PIONEER-6; NEJM2019)

Oral Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes.

Husain M, et al.

N Engl J Med. 2019.

Funded by Novo Nordisk; PIONEER 6 ClinicalTrials.gov number, NCT02692716

PMID: 31185157

【背景】

2型糖尿病に対する新しい治療法の心血管の安全性を確立することは重要である。 安全性データは、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト(GLP-1a)セマグルチドの皮下投与について入手可能であるが、経口セマグルチドについて必要とされている。

【方法】

心血管リスクの高い患者(確立された心血管疾患または慢性腎臓病を有する50歳以上、またはハイリスク因子をもつ60歳以上年齢の患者)を対象としたイベント駆動型ランダム二重盲検プラセボ対照試験。1日1回経口セマグルチドによる心血管アウトカムを評価した。

イベント解析までの期間における主要評価項目は、主要かつ有害な心血管イベント(心血管系の原因による死亡、非致死的な心筋梗塞、または非致死的な脳卒中)の最初の発生だった。

試験は、プラセボと比較して80%の過剰心血管リスクを除外するように設計された(一次転帰のハザード比の95%信頼区間の上限について非劣性マージン1.8)。

【結果】

・合計3,183人の患者は、ランダムに経口セマグルチドまたはプラセボに割り当てられた。 患者の平均年齢は66歳だった。2,695人の患者(84.7%)が50歳以上で、心血管疾患または慢性腎臓病を患っていた。

・試験の期間の中央値は15.9ヶ月だった。

・重大な心血管系有害事象は、経口セマグルチド群では1,591人中61人(3.8%)、プラセボ群では1,592人中76人(4.8%)で発生した。

— ハザード比[HR] =0.79, 95%信頼区間[CI]、0.57〜1.11、非劣性 P <0.001

⚫︎主要アウトカム構成要素の結果は以下の通り;

・心血管系の原因による死亡

経口セマグルチド群:1,591人中15人(0.9%)

プラセボ群:1,592人中30人(1.9%)

— HR =0.49, 95%CI 0.27〜0.92

・非致死的な心筋梗塞

経口セマグルチド:1,591人中37人(2.3%)

プラセボ群:1,592人中31人(1.9%)

— HR =1.18, 95%CI 0.73〜1.90

・非致死的な脳卒中

経口セマグルチド群:1,591人のうち12人(0.8%)

プラセボ群:1,592人のうち16人(1.0%)

— HR =0.74, 95%CI 0.35〜1.57

・全死亡

経口セマグルチド群:1,591人中23人(1.4%)

プラセボ群:1,592人中45人(2.8%)

— HR =0.51, 95%CI 0.31〜0.84

・経口セマグルチドまたはプラセボの中止につながる胃腸の有害事象は経口セマグルチドでより一般的だった。

【結論】

2型糖尿病患者を対象とした本試験では、経口セマグルチドの心血管リスクプロファイルはプラセボと比べて劣っていなかった。


【コメント】

アブストのみ。

3-point MACEに有意差はあるが,内訳としては全死亡の低下がメインであると考えられる。

またあくまでプラセボに非劣勢という結果であり、優越性は示せなかったことから、経過観察でも良いのかもしれない。

経口なのは良いよね、でも消化器障害が気になるよね、といったところ。続報に期待。

急性川崎病に対する免疫グロブリン+エンブレル®️の効果はどのくらいですか?(RCT; Pediatrics. 2019)

Etanercept With IVIg for Acute Kawasaki Disease: A Randomized Controlled Trial.

Portman MA et al.

Pediatrics. 2019 Jun;143(6). pii: e20183675.

doi: 10.1542/peds.2018-3675. Epub 2019 May 2.

PMID: 31048415

【目的】

川崎病患者は、特に静脈内免疫グロブリン(IVIg)療法に抵抗性のある患者において、人生を変える冠動脈異常を発症する可能性がある。

腫瘍壊死因子α受容体拮抗薬エタネルセプト使用による IVIg耐性と冠状動脈(CA)疾患の進行抑制について検討した。

【方法】

二重盲検多施設試験では、川崎病患者に、IVIg注入直後からエタネルセプト(0.8 mg / kg; n =100)またはプラセボ(n =101)のいずれかを皮下投与した。

“急性川崎病に対する免疫グロブリン+エンブレル®️の効果はどのくらいですか?(RCT; Pediatrics. 2019)” の続きを読む

重度の低血糖は早期心血管イベントや死亡リスクを増加させますか?(台湾の人口ベースコホート研究; Diabetes Obes Metab. 2019)

Early cardiovascular risk and all-cause mortality following an incident of severe hypoglycaemia: A population-based cohort study.

Lo SC, et al.
Diabetes Obes Metab. 2019.

PMID: 30972910

【目的】

重度の低血糖は糖尿病患者の心血管イベントのリスクが高いことと関連している。 本研究の目的は、低血糖と心血管イベントの時間的関係を明らかにすることだった。

研究材料と方法】

本観察コホート研究は、1999年から2001年の間に新たに糖尿病と診断された36万人の患者を含む台湾の縦断的コホート糖尿病患者データベース(Taiwan’s Longitudinal Cohort of Diabetes Patients Database)を使用して実施された。

“重度の低血糖は早期心血管イベントや死亡リスクを増加させますか?(台湾の人口ベースコホート研究; Diabetes Obes Metab. 2019)” の続きを読む

慢性腎障害患者における厳格な血圧コントロールは死亡率に寄与できますか?(RCT個人データのプール解析; Hypertension 2019)

Mortality Outcomes With Intensive Blood Pressure Targets in Chronic Kidney Disease Patients

A Pooled Individual Patient Data Analysis From Randomized Trials
Aggarwal et al.

Originally publishedhttps://doi.org/10.1161/HYPERTENSIONAHA.119.12697

Hypertension. 2019;73:1275–1282

PMID: 31067189

【試験の背景】

高血圧は慢性腎障害の人口で非常に流行しており、病的状態である。また、この人口に対する血圧(BP)の治療目標は不明である。

本研究ではアウトカムに全死亡率を設定して、収縮期血圧 <140 mm Hgの集中治療を基準とした群と、<130 mm Hgを治療基準とした標準BP治療群とを比較した。

【方法】

高血圧症かつ慢性腎障害患者4,983人からの個々のデータは、4つの多施設ランダム化対照試験 – AASK(アフリカ系アメリカ人の腎臓病および高血圧の研究)、ACCORD(糖尿病における心血管リスクの管理)、MDRD(腎臓における食事の修正)、およびSPRINT(収縮期血圧介入試験)から得られた。これらのデータをプール解析した。

“慢性腎障害患者における厳格な血圧コントロールは死亡率に寄与できますか?(RCT個人データのプール解析; Hypertension 2019)” の続きを読む

食事およびサプリメントからの高用量ビタミンB6・B12摂取は閉経後女性における股関節骨折リスクを増加させますか?(前向きコホート研究; JAMA Netw Open. 2019)

Association of High Intakes of Vitamins B6 and B12 From Food and Supplements With Risk of Hip Fracture Among Postmenopausal Women in the Nurses’ Health Study.

Meyer HE et al.

JAMA Netw Open. 2019 May 3;2(5):e193591.

doi: 10.1001/jamanetworkopen.2019.3591.

PMID: 31074816

【試験の重要性】

推奨用量をはるかに超えるビタミン補給は、人口の一部で人気がある。ただし、悪影響が生じる可能性がある。

以前に行われた2件の二重盲検ランダム化臨床試験(RCT)からの組み合わせデータの二次分析では、ビタミンB 12と組み合わせて高用量のビタミンB 6で治療した人々の間で予想外の股関節骨折リスクの増加が認められた。

【試験の目的】

食品およびサプリメントからのビタミンB 6およびB 12の高摂取量が看護師健康調査における股関節部骨折のリスクと関連しているかどうかを検討し、両方のビタミンの高摂取量が特に骨折リスクの増加をもたらしたかどうかを調査する。

経口鉄剤の補給は駆出率が低下した心不全患者における運動許容量に影響しますか?(RCT; JAMA 2017)

Effect of Oral Iron Repletion on Exercise Capacity in Patients With Heart Failure With Reduced Ejection Fraction and Iron Deficiency: The IRONOUT HF Randomized Clinical Trial.

Randomized controlled trial

Lewis GD, et al.
JAMA. 2017.

Trial Registration: clinicaltrials.gov Identifier: NCT02188784.

PMID: 28510680

【研究の重要性】

鉄欠乏症は、左室駆出率(HFrEF)が低下した心不全患者の約50%に見られ、機能的能力低下および死亡率の独立した予測因子である。

しかし、心不全における安価で容易に入手可能な経口鉄補給の有効性は知られていない。

“経口鉄剤の補給は駆出率が低下した心不全患者における運動許容量に影響しますか?(RCT; JAMA 2017)” の続きを読む

2型糖尿病患者におけるトルリシティ®️の心血管アウトカムへの効果はどのくらいですか?(DB-RCT; REWIND trial; Lancet 2019)

Dulaglutide and cardiovascular outcomes in type 2 diabetes (REWIND): a double-blind, randomised placebo-controlled trial

Gerstein HC et al.

Lancet 2019DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(19)31149-3

PMID: 未

Funding: Eli Lilly and Company.

【背景】

3つの異なるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニストは、高糖化ヘモグロビンA(HbA)濃度を伴う心血管ハイリスクの2型糖尿病患者における心血管アウトカムを減少させる。

以前の心血管疾患および広範囲の血糖コントロールの有無にかかわらず、2型糖尿病患者における既存の抗高血糖療法にGLP-1受容体アゴニストであるデュラグルチドを追加した場合の主要かつ有害な心血管イベントに対する効果を評価した。

“2型糖尿病患者におけるトルリシティ®️の心血管アウトカムへの効果はどのくらいですか?(DB-RCT; REWIND trial; Lancet 2019)” の続きを読む

軽度喘息患者におけるシムビコート®️の効果はどのくらいですか?(オープンラベルDB-RCT, NEJM 2019)

Controlled Trial of Budesonide-Formoterol as Needed for Mild Asthma.

Beasley R et al.

N Engl J Med. 2019 May 23;380(21):2020-2030.

doi: 10.1056/NEJMoa1901963. Epub 2019 May 19.

Funded by AstraZeneca and the Health Research Council of New Zealand

Novel START Australian New Zealand Clinical Trials Registry number, ACTRN12615000999538.

PMID: 31112386

【試験背景】


過去に報告された二重盲検プラセボ対照試験では、必要に応じてブデソニド – ホルモテロール(シムビコート®️)を使用すると、短時間作用型のβ2 – アゴニスト(SABA)を必要に応じて使用するよりも、重症喘息増悪のリスクが低くなった。

リスクについては、ブデソニド維持療法と必要に応じてSABAを加えた場合と同程度だった。

臨床診療をよりよく反映するように設計された臨床試験からのデータ利用可能性は有益であると考えられる。

【方法】


軽度の喘息成人を対象とした52週間のランダム化非盲検並行群間比較試験を実施した。

患者をランダムに3つの治療グループに割り当てた。

心不全患者に対する鉄補給の効果はどのくらいですか?(SR&MA; Am J Med. 2019.)

Iron Supplementation Improves Cardiovascular Outcomes in Patients with Heart Failure.

Zhou X, et al.
Am J Med. 2019.
PMID: 30853478

【背景】

鉄欠乏症は心不全患者に蔓延している。 このメタアナリシスは、収縮期心不全および鉄欠乏症の患者における鉄の治療効果を評価するために行われた。

“心不全患者に対する鉄補給の効果はどのくらいですか?(SR&MA; Am J Med. 2019.)” の続きを読む

処方薬レビューを行うことでポリファーマシーを抱える高齢患者のQOL向上や健康問題の解決に寄与できますか?(RCT; DREAMeR-study; PLoS Med. 2019)

Effects of a clinical medication review focused on personal goals, quality of life, and health problems in older persons with polypharmacy: A randomised controlled trial (DREAMeR-study).

Verdoorn S, et al.

PLoS Med. 2019.

TRIAL REGISTRATION: Netherlands Trial Register; NTR5713.

PMID: 31067214

【背景】

臨床薬物レビュー(Clinical medication reviews, CMRs)は、薬物関連問題(drug-related problems, DRPs)を軽減するために多並存疾患および多剤併用の高齢者でますます行われている。しかし、CMRsが臨床転帰を改善することができるというエビデンスは限られている。

また患者の好みやニーズにはほとんど注意が払われていない。

本研究の目的は、個人の目標、健康関連の生活の質(health-related quality of life, HR-QoL)および健康上の問題の数に焦点を当てた、患者中心のCMRs効果を調査することだった。

“処方薬レビューを行うことでポリファーマシーを抱える高齢患者のQOL向上や健康問題の解決に寄与できますか?(RCT; DREAMeR-study; PLoS Med. 2019)” の続きを読む