リリカ®(プレガバリン)は脳卒中後の中枢性疼痛に効果がありますか?(Pain 2011)

Safety and efficacy of pregabalin in patients with central post-stroke pain.

Kim JS et al.

Pain. 2011 May;152(5):1018-23. doi: 10.1016/j.pain.2010.12.023.

PMID: 21316855

私的背景

脳卒中後に出現する “痛み” (脳卒中後の中枢性疼痛)で苦しんでいる方に時々お会いする。診療ガイドラインでは抗てんかん薬や三環系抗うつ薬が第一選択薬として推奨されているが、日本では適応がないためか、(私の周りで)実際に処方されているのは見たことがない。
そんなときに良く処方されるのが牛車腎気丸などの漢方薬、そして今回取り上げるリリカ®(プレガバリン)である。診療ガイドラインでは効果がないとの記載があるが、どの程度なのか検証してみた。

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【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】高コレステロール血症および糖尿病性網膜症を有すハイリスク日本人ではコレステロールを下げた方が良いですか?(EMPATHY trial; Diabetes Care 2018)

Intensive Treat-to-Target Statin Therapy in High-Risk Japanese Patients With Hypercholesterolemia and Diabetic Retinopathy: Report of a Randomized Study

Itoh et al. (EMPATHY Investigators)

Diabetes Care 2018 Apr; dc172224.

PMID: 29626074

目的

糖尿病は心臓血管(CV)イベントの高リスクと関連している。特に脂質異常症および糖尿病性合併症を有する患者において顕著である。高コレステロール血症および糖尿病性網膜症を有し、かつ冠状動脈疾患の既往のない患者で、脂質低下療法における厳格治療と従来治療の比較(treat-to-target strategy)、および CVイベント発生率を検討した。

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ピロリ菌除菌で胃がんを防げますか?②(N Engl J Med. 2018)

Helicobacter pylori Therapy for the Prevention of Metachronous Gastric Cancer.

Choi IJ et al.

N Engl J Med. 2018 Mar 22;378(12):1085-1095.

PMID: 29562147

ClinicalTrials.gov number, NCT02407119.

研究資金

the National Cancer Center, South Korea(0310050, 0410450, 0610080, 0910100, 1210230, 1310280, and 1610180)

COI

無し(らしい)


試験背景

胃粘膜または粘膜下組織に限局した初期の胃癌患者は、通常、粘膜腺組織の進行性喪失(腺萎縮)を有し、新規胃がんの発生およびその後(異時性)の病態進行リスクが高い。

組織学的改善および異時性胃癌の予防に対するヘリコバクターピロリ(以下、ピロリ)除菌治療の長期的な効果は依然として不明である。

方法

前向き二重盲検プラセボ対照ランダム化試験には、早期胃癌または高悪性度腺腫の内視鏡的切除を受けた 470人の患者が組み入れられた。参加者はプラセボまたは抗生物質によるピロリ除菌療法を受けた。

プライマリーアウトカムは、①3年間の追跡期間中における、胃体部(底部)小弯の腺萎縮のグレードにおけるベースラインからの改善累積および② 1年間のフォローアップまたはそれ以降に行われた内視鏡検査で検出された異時性胃がんの発生率であった。

結果

計 396人の患者が、mITT集団(治療群194人、プラセボ群 202人)に含まれていた。

追跡期間は 5.9年(中央値)で、ピロリ除菌群では 14例(7.2%)、プラセボ群では 27例(13.4%)で異時性胃がんが発生した。

  ハザード比 =0.50, 95%CI 0.26~0.94(P =0.03)

組織学的分析を受けたサブグループ 327人の患者のうち、胃底部の小弯における萎縮グレードのベースラインからの改善は、ピロリ除菌群 48.4%、プラセボ群 15.0%において観察された(P < 0.001)。

重大な有害事象はなかったが、軽度の有害事象は治療群でより一般的に認められた(42.0% vs. 10.2%, P <0.001)。

結論

ピロリ除菌治療を受けた早期胃癌患者は、プラセボ群と比べ、胃底部委縮グレードにおけるベースラインからの改善程度が大きかった。また異時性胃がんの発生率が低かった。 


コメント

アブストのみ(NEJMの文献はブログに書きづらくて困ります)。NEJMに 2018年の 3月 22日(日本時間)に掲載されました。

ピロリ菌除菌と異時性胃がん(1年以上経てから新たに初発部位とは別の場所に発生した胃癌)発生率について検討したダブルブラインドのランダム化比較試験。貴重な報告だと思います。しかし、健常人は含まれていません。ここ注意。

まず試験の解析は Full Analysis Setでしょうか。試験解析には 396名、組み入れ時から 74名が除外されています。 

ピロリ除菌により異時性胃がんが減少したとのこと。他のがんの発生率についてはアブストからは不明です。また重大な有害事象はなかったものの、軽度の有害事象は 4倍。

今回の論文を通して、胃がんの発生部位と胃がん発生率についても学べた。噴門部は 20%、胃体部は 30%、幽門部は 40%とのこと(あと 10%はどこ?) 。さらに大弯より小弯の方が胃がん発生率は高いようです。

また胃がんは Epstein-Barr(EB)ウイルスによっても発生するようです。EBウイルスは幽門部、H.ピロリは胃体部に住み着いているようです。

本文献では胃体部の小弯における胃がん発生について内視鏡下で検討しています。発生部位についてはよく検討されていると感じました。また組織学的分析のデータ数も過去の報告に比べると多い方だと思います。全文読みたいところ。

 

 

 

-Evidence never tells you what to do-




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慢性腎臓病患者における血清尿酸値と腎障害および死亡(Am J Kidney Dis. 2018; Charge)

Uric Acid and the Risks of Kidney Failure and Death in Individuals With CKD.

Srivastava A et al.

Am J Kidney Dis. 2018 Mar; 71(3): 362-370.

PMID: 29132945

背景

血清尿酸濃度は慢性腎臓病(CKD)で増加し、尿細管傷害、内皮機能不全、酸化的ストレス、および腎内炎症を引き起こす可能性がある。尿酸濃度が CKDにおける腎不全および死亡に関連するかどうかは不明である。

研究デザイン

前向きコホート研究

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若年性心房細動患者における病態進行とアウトカム(Europace. 2018)と心房細動の分類

Atrial fibrillation progression and outcome in patients with young-onset atrial fibrillation.

De With RR et al. Europace. 2018.

PMID: 29518195

本試験の目的

臨床医は若年発症の心房細動(AF)患者に遭遇する機会が増えている。若年発症のAF患者の臨床プロファイル、AF進行およびアウトカムについて検証する。

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心房細動を伴うアジア人患者のCHA2DS2-VAScスコア(韓国サンプルコホート研究; Stroke 2017; Charge)

CHA2DS2-VASc Score (Congestive Heart Failure, Hypertension, Age ≥75, Diabetes Mellitus, Prior Stroke or Transient Ischemic Attack, Vascular Disease, Age 65-74, Female) for Stroke in Asian Patients With Atrial Fibrillation: A Korean Nationwide Sample Cohort Study.

Kim TH et al.

Stroke 2017 Jun;48(6):1524-1530.

PMID: 28455320

背景と目的

CHA2DS2-VAScの脳卒中スコア(うっ血性心不全、高血圧、年齢≧75(2点)、糖尿病、前脳卒中または一過性脳虚血発作(2点)、血管疾患、65-74歳、女性)は、大部分のガイドラインで用いられている心房細動(AF)におけるリスク層別化であるが、このスコアの大部分のデータは西洋人で得られている。脳卒中リスクにおける民族・人種差が存在する可能性がある。そこで、AFの脳卒中リスク因子とアジアの韓国AF人口におけるCHA2DS2-VAScスコアの適用について検討した。

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【CQ受け取りましたシリーズ】ハイリスク高血圧患者における血圧コントロールのファースト・ラインは利尿剤?(ALLHAT trial; JAMA 2002; Free)

Major Outcomes in High-Risk Hypertensive Patients Randomized to Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor or Calcium Channel Blocker vs DiureticThe Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT)

The ALLHAT officers and coordinators for the ALLHAT collaborative Research Group.

JAMA. 2002 Dec 18;288(23):2981-97.

PMID: 12479763

財務開示Financial Disclosures

→本文 pp.2994参照

私的背景

高血圧ガイドライン2014では Ca拮抗薬、ACE-I/ARB、利尿薬での治療開始が推奨されている。一方、2009年には α遮断薬、2014年には β遮断薬が高血圧ガイドラインの推奨から外された。そのきっかけとなったのが ALLHAT trialおよび LIFE trialである。

SNSで質問をいただいたので ALLHAT trialを改めて読んでみた。質問内容は以下 5点。

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日本人2型糖尿病患者における低用量アスピリンの使用はアテローム性動脈硬化症の初発を予防できますか?(JAMA 2008: JPAD trial; Free)

Low-dose aspirin for primary prevention of atherosclerotic events in patients with type 2 diabetes: a randomized controlled trial.

PMID: 18997198

ClinicalTrials.gov No: NCT00110448

改訂あり:テーブル内の数値に誤りがあり、2017年2月までに本文修正が 2回あったようです。

背景

糖尿病は心血管イベントの強力な危険因子である。Framingham Heart Study において、糖尿病は男女それぞれ 1.5と 1.8の冠動脈疾患のオッズ比と関連し、男性と女性の脳卒中の相対リスクはそれぞれ 1.4と 1.7であると報告されている。 糖尿病患者は、健常人よりも心血管イベントを発症するリスクが 2〜4倍高いことも報告されている。
   過去の報告では、心血管イベントの二次予防戦略としてアスピリン療法が確立されており、研究成果がいくつか報告されている。また臨床ガイドラインでは、冠状動脈疾患の危険因子を有するヒトは、一次予防および二次予防のためにアスピリンを投与することが推奨されている。

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【CQ受け取りましたシリーズ】ラニナビルによるインフルエンザ予防効果はどのくらいですか?

Laninamivir octanoate for post-exposure prophylaxis of influenza in household contacts: a randomized double blind placebo controlled trial.

Kashiwagi S et al.

J Infect Chemother. 2013 Aug;19(4):740-9.

PMID: 23732307

資金提供

第一三共株式会社(イナビル®の製造販売元)

 

利益相反COI or 開示disclosure

S.K, A.W. and H.I. have received consultancies of this trial from Daiichi Sankyo Co., Ltd. S.K. has received lecture fees from GlaxoSmithKline K.K. and Daiichi Sankyo Co., Ltd. A.W. has received research grants from Astellas Pharma Inc, KYORIN Pharmaceutical Co., Ltd., Shionogi & Co., Ltd., Daiichi Sankyo Co.,Ltd., Taisho Pharmaceutical Co., Ltd., Dainippon Sumitomo Pharma Co., Ltd., Taiho Pharmaceutical Co., Ltd., TOYAMA CHEMICAL CO., LTD., and Meiji Seika Pharma Co., Ltd.; A.W. has received lecture fees from ABBOTT JAPAN CO., LTD., MSD K.K., Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd., GlaxoSmithKline K.K., Shionogi & Co., Ltd., Daiichi Sankyo Co., Ltd., Taisho Toyama Pharmaceutical Co., Ltd, Dainippon Sumitomo Pharma Co., Ltd., Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation, and Bayer Yakuhin, Ltd. H.I. has received research grants and lecture fees from GlaxoSmithKline K.K. and Daiichi Sankyo Co., Ltd. All other authors were from Daiichi Sankyo Co., Ltd.

私的背景

2017年12月のある寒い日、会議後の飲み会の席で同僚から「イナビル®︎のインフルエンザ予防効果ってどのくらいですか?1週間ぐらいですかね?」と唐突に質問された。

「CQ受け取りましたシリーズ」の始まりである。 “【CQ受け取りましたシリーズ】ラニナビルによるインフルエンザ予防効果はどのくらいですか?” の続きを読む

2型糖尿病治療における血圧や脂質、血糖コントロールはどのように行いますか?ほどほどでも何とかなりますか?(後向きコホート研究; PLoS One. 2014; Free)

All-Cause Mortality in Patients with Type 2 Diabetes in Association with Achieved Hemoglobin A1c, Systolic Blood Pressure, and Low-Density Lipoprotein Cholesterol Levels

PLoS One. 2014 Oct 27;9(10):e109501. doi: 10.1371/journal.pone.0109501. eCollection 2014.

Chiang HH et al.

PMID: 25347712

 

背景

2型糖尿病患者におけるヘモグロビンA1c(HbA1c)および収縮期血圧(SBP)、低比重リポタンパク質コレステロール(LDL-C)のコントロールについてはあまり明らかではない。本研究では、各々のコントロール幅と死亡率との関連性を明らかにする。

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