アトピー性皮膚炎を放置していると心血管リスクが増加する?(イギリス人口ベース コホート研究;BMJ 2018)

Severe and predominantly active atopic eczema in adulthood and long term risk of cardiovascular disease: population based cohort study

Silverwood RJ et al.

BMJ 2018; 361: k1786

PMID: 29792314

【目的】

アトピー性湿疹の成人が心血管疾患のリスクが高いかどうか、およびアトピー性湿疹の重症度と状態の活動性によってリスクが経時的に変化するかどうかを調査する。

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診療ガイドラインにおけるエビデンス vs. コンセンサス(JAMA 2019)

Evidence vs Consensus in Clinical Practice Guidelines

JAMA. Published online July 19, 2019. doi:10.1001/jama.2019.9751

PMID: 未

臨床診療ガイドラインは過去40年間で臨床医学においてますます顕著になってきており、潜在的に臨床意思決定を改善し、ひいては患者アウトカムを潜在的に改善するための最も重要なツールの1つを表している。

歴史的に、多くの組織は彼らのガイドラインをエビデンスに基づいたものまたはコンセンサスに基づいたものとして分類し、そしていくつかの組織は心臓病の管理のための臨床診療ガイドラインの開発に専念している(American College of CardiologyおよびAmerican Heart Association)。

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【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】安定冠動脈疾患におけるリバロ®️使用は高用量の方が良いですか?(REAL-CAD trial; Circulation. 2018)

High-Dose Versus Low-Dose Pitavastatin in Japanese Patients With Stable Coronary Artery Disease (REAL-CAD): A Randomized Superiority Trial.

Taguchi I et al.

Circulation. 2018 May 8;137(19):1997-2009. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.117.032615.

PMID: 29735587

CLINICAL TRIAL REGISTRATION: NCT01042730.

Disclosure開示

本文2,006ページに記載

Funding資金提供

保健研究財団の生活習慣病総合臨床支援プロジェクトが本研究に資金を提供した。 治験薬を製造している会社(Kowa Pharmaceutical Co Ltd)は、公衆衛生研究財団のプロジェクトに対して財政的支援を提供する団体の1つであったが、設計、分析、データ解釈、または製造準備に関与していなかった。


研究の背景

現行の診療ガイドラインでは、過去に実施されたいくつかの臨床試験(高用量 vs. 低用量スタチン)に基づき、心血管疾患を有す患者を対象に高強度スタチンによる治療を呼びかけている。しかし、アジア人集団を対象としたスタチン用量に対する明確なエビデンスは確立されていない。そこで安定冠動脈疾患患者におけるリバロ®️(ピタパスタチン)4 mg/日と1 mg/日の心血管イベント抑制効果について検証した(優越性試験)。

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【CQ受け取りました】アトピー性皮膚炎患者には標準治療に加え保湿入浴剤を使用した方が良いですか?(BMJ 2018; BATHE trial)

Emollient bath additives for the treatment of childhood eczema (BATHE): multicentre pragmatic parallel group randomised controlled trial of clinical and cost effectiveness.

Santer M et al.

BMJ. 2018 May 3;361:k1332. doi: 10.1136/bmj.k1332.

PMID: 29724749

Current Controlled Trials: ISRCTN84102309

研究資金

国立衛生研究所(the National Institute for Health Research: NIHR)の保健技術評価プログラム(11/153/01

COI

無いらしい


私的背景

先日、ブログ記事を掲載後に早速CQを送ってくれた方が居ました。

【定期告知】臨床疑問の募集について

3歳と0歳児を持つお母さまからです。

CQ: 子供のアトピー性皮膚炎の予防に保湿入浴剤を使用した方が良いのでしょうか?今は症状ありませんが、一人目の子供の時に保湿入浴剤を使用していたので私としては使用したいです。しかし3歳児が一緒に入浴する際、入浴剤を使用したがりません。

早速、論文検索を行い冒頭の論文を見つけることができました。しかし残念ながら健常児を対象とした試験が見つかりませんでした。そこで対象が少し異なりますが今回の論文を参考にしようと思います。

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深刻な収縮機能不全を伴わない冠動脈疾患患者の突然死(JAMA Cardiol. 2018)

Sudden Death in Patients With Coronary Heart Disease Without Severe Systolic Dysfunction

Chatterjee NA et al.

JAMA Cardiol. Published online May 2, 2018. doi:10.1001/jamacardio.2018.1049

PMID: 未

研究の重要性

冠動脈疾患患者の突然死および/または不整脈による死亡(sudden and/or arrhythmic deaths: SAD)の大部分は、重度の収縮機能不全を有していない患者において起こる。これに対する突然死の予防戦略は確立していない。

研究の目的

重度の収縮機能不全の無い冠動脈疾患患者におけるSADと他の競合する死因との現時点の推定値を提供し、SAD予防の将来の試験で標的とされる高リスクサブグループを明らかにする。

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DPP-4阻害薬の使用は炎症性腸疾患を誘発しますか?①(BMJ 2018)

Dipeptidyl peptidase-4 inhibitors and incidence of inflammatory bowel disease among patients with type 2 diabetes: population based cohort study.

Abrahami D et al.

BMJ. 2018 Mar 21;360:k872. doi: 10.1136/bmj.k872.

PMID: 29563098

背景

マウス炎症性腸疾患モデルに関する研究では、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬により疾患活性の低下をもたらすことが示唆されている。一方、臨床データでは炎症性腸疾患患者の血清 DPP-4濃度が低値であることも報告されている。

DPP-4阻害薬と炎症性腸疾患発症との因果関係は依然として不明である。そこで DPP-4阻害薬使用と炎症性腸疾患との関連についてコホート研究を実施した。

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ランダム化比較試験の基になったのはミルクティーの味?(The Design of Experiments. 1935)#80

Lady Tasting Tea

ランダム化比較試験って何ですか?

例えば薬剤効果とプラセボ効果をどのように区別したら良いだろうか?端的に言えば薬剤Xとプラセボを比較すれば良いのだが、いわゆるバイアスが生じやすい。

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心房細動と心不全の合併患者には抗凝固薬を使用した方が良いですか?(Heart Vessels 2018)

Thromboembolisms in atrial fibrillation and heart failure patients with a preserved ejection fraction (HFpEF) compared to those with a reduced ejection fraction (HFrEF).

Sobue Y et al.

Heart Vessels. 2018 Apr;33(4):403-412.

PMID: 29067492

研究の背景・目的

心不全(HF)は、保存された駆出率を有するHF(Heart Failure with preserved Ejection Fraction, HFpEF:EF≧50%)、mid-range駆出率を有するHF(HFmrEF:40≦EF <49%)、および減少した駆出率を有するHF(HFrEF:EF <40%)の3つに分けられる。

これらのタイプは、しばしば心房細動(AF)と共存する。本試験では、HFpEFを有するAF患者(AF-HFpEF)とHFrEF(AF-HFrEF:HFmrEFおよびHFrEF)患者を比較し、脳卒中/全身塞栓症(strokes/systemic embolisms:SSEs)の割合、および独立した予測因子について検討した。

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【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】ベースラインLDL-CレベルとLDL-C低下後の総死亡および心血管死亡との関連:系統的レビューおよびメタ分析(JAMA 2018)

Association Between Baseline LDL-C Level and Total and Cardiovascular Mortality After LDL-CLowering: A Systematic Review and Meta-analysis.

JAMA. 2018 Apr 17;319(15):1566-1579.

Navarese EP et al.

PMID: 29677301

研究の重要性

特定の致命的および非致死的なエンドポイントへの影響は、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)低下薬を用いた臨床試験では変化するようである。

研究の目的

ベースライン時のLDL-Cレベルが、総死亡および心血管死亡リスク低下と関連しているかどうかを評価する。

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