閉経後骨粗鬆症の女性における新薬イベニティ®️の効果はどのくらいですか?②(FRAME study, NEJM 2016)

Romosozumab Treatment in Postmenopausal Women with Osteoporosis.

Randomized controlled trial

Cosman F, et al.
N Engl J Med. 2016.
PMID: 27641143

背景

スクレロスチンに結合するモノクローナル抗体であるロモソズマブは骨形成を増加させ、骨吸収を減少させる。

方法

股関節または大腿骨頸部全体でTスコアが -2.5〜-3.5の7,180人の閉経後女性を登録した。

患者はランダムにロモソズマブの皮下注射210 mgまたはプラセボの投与を12ヶ月間毎月受けるように割り当てられた。

その後、各群6ヶ月毎にデノスマブ60mg皮下投与を12ヶ月間受けた。

副次評価項目は、12ヵ月および24ヵ月における新たな椎骨骨折の累積発生率であった。副次的評価項目には、臨床的(非脊椎骨と症候性脊椎の複合)および非脊椎骨折が含まれた。

結果

試験開始後12ヶ月の時点において、プラセボ群では3,322人中59人(1.8%)に新たな脊椎骨折が発生した。一方、ロモソズマブ群では3,321人中16人(0.5%)に発生した(ロモソズマブによりリスクは73%低下した。P <0.001)。

臨床的骨折については、プラセボ群で3,591人中90人(2.5%)、ロモソズマブ群で3,589人中58人(1.6%)に発生していた(ロモソズマブにより36%リスク低下; P =0.008)。

非脊椎骨折は、ロモゾズマブ群で3,589人中56人(1.6%)およびプラセボ群で3,591人中75人(2.1%)に発生していた(P =0.10)。

24ヵ月時点で、各群がデノスマブに移行した後、ロモソズマブ→デノスマブ群の方がプラセボ→デノスマブ群よりも椎骨骨折の発生率が有意に低かった(ロモソズマブ群 0.6%[21人 /3,215人] vs 2.5%[84人 /3,327人], ロモソズマブ使用により75%リスクが低下; P <0.001)。

骨粗鬆症、心血管イベント、変形性関節症、および癌などの有害事象は、グループ間でバランスが取れていた(差は認められなかった)。

ロモソズマブ群では非定型大腿骨骨折1例と顎骨壊死2例が観察された。

結論

閉経後の骨粗鬆症女性では、ロモソズマブは12ヵ月時点でプラセボより、そしてデノスマブへ移行した後24ヵ月時点で椎骨骨折リスクが低かった。

ロモソズマブで見られた臨床的骨折リスク低下は1年後に明らかになった。


コメント

アブストのみ。ARCH試験よりも前に発表されたFRAME試験。こちらの試験ではARCH試験で懸念材料となった心血管イベント増加リスクは認められなかったようです。

ビスホスホネートへの切り替えに問題があるのか、はたまた誤差か、続報を待ちたいです。

新薬イベニティ®️は骨粗鬆症女性の骨折を防げますか?(ARCH trial, NEJM 2017)

Romosozumab or Alendronate for Fracture Prevention in Women with Osteoporosis.

Randomized controlled trial

Saag KG, et al.
N Engl J Med. 2017.
PMID: 28892457

Funded by Amgen and others; ARCH ClinicalTrials.gov number, NCT01631214 .

背景

ロモソズマブはスクレロスチンに結合してスクレロスチンを阻害し、骨形成を増加させ、骨吸収を減少させるモノクローナル抗体である。

方法

骨粗鬆症と脆弱性骨折の閉経後女性4,093人を登録し、1:1の割合でランダムに割り当てて、ロムソズマブ皮下注射(210mg)を毎月または経口アレンドロネート(70mg)を毎週,12ヶ月間にわたり盲検法で投与した。

その後は両群とも非盲検でアレンドロネートを12ヶ月間投与した。

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【症例検討】フォルテオ®️を2年間しか使えない理由は?

フォルテオ®️を2年超使用すると安全性に懸念が生じるのか?

背景

以前から当薬局を利用している70歳代女性のBさん。ある日のこと、腰椎圧迫骨折を経験してから使用しているフォルテオ®️(テリパラチド)について、こんな質問があった。

「フォルテオ®️を使い始めてから骨密度が少し増えて、圧迫骨折もない。こんなに良い薬ならずっと使っていたいのだけれど、担当医からは “そろそろ2年経つので、別の薬を使うか、検査結果によっては経過観察にしようと考えている”と言われてしまった。2年以上使ったらダメなの?」

保険診療という側面からみれば「薬剤の適応および使用制限において上限が2年だから」となるのだが、Bさんが聞きたいことはそんなことではない。いわゆる “薬剤の適正使用” はBさんにとってはどうでも良いのだ。

そこでBさんに理解してもらえるよう情報収集を行った。

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骨粗鬆症の女性におけるアルファカルシドールの骨折予防効果はどのくらいですか?(Endocr J. 1996.)

Effects of 2 years’ treatment of osteoporosis with 1 alpha-hydroxy vitamin D3 on bone mineral density and incidence of fracture: a placebo-controlled, double-blind prospective study.

Shikari M, et al.

Endocr J. 1996.

PMID: 9026268

試験概要

二重盲検試験において、腰椎(L2-4BMD)および全身骨密度(TBBMD)に及ぼすα-ヒドロキシビタミンD3(1α(OH)D3)の効果および骨折の発生を2年間モニターし評価した。

試験参加者

対象は113人の女性骨粗鬆症患者。

試験参加者は0.75μg/日の1α(OH)D3(n = 57)またはプラセボ(n = 56)に振り分けられた。

結果

腰椎L2-4BMDは、1α(OH)D3群で1年および2年後に1.81%および2.32%増加したが、プラセボ群では1.89%および0.28%減少した(P <0.05)。1年後の結果では、両群間に有意差(P <0.01)が認められた。

全身骨密度TBBMDにおいては、プラセボ群では1年後および2年後に3.34%および3.52%有意に減少した(P <0.01)。

コントロール群において、新たな骨折が6つ生じたが、1α(OH)D3群では2つだった(オッズ比 =0.343, 95%信頼範囲; 0.0648〜1.815)。

1α(OH)D3使用による重篤な副作用はなかった。

結論

2年間の1α(OH)D3による治療は、腰部BMDを増加させ、TBBMDの減少を抑制した。有意ではなかったが、1α(OH)D3群における新たな骨折の発生は、対照群の約1/3であった。

コメント

アブストのみ。

先日Lancet Diabetes Endocrinol誌に、骨折予防や転倒予防等も含めた筋骨格系へのビタミンD摂取の効果を検討したシステマティックレビュー&メタ解析が掲載されました(PMID: 30293909, Effects of vitamin D supplementation on musculoskeletal health: a systematic review, meta-analysis, and trial sequential analysis.)。結果としては “効果なし” とのこと。

アメリカではサプリメントを日常的に摂取する人が、日本と比べ多い傾向にあるようです。そういった関心からか、ビタミンやミネラル摂取の効果を検討している臨床研究が今日までに多く報告されています。

しかし海外での検討は、日本で用いられているような活性型ビタミンD3ではなく、いわゆる未活性型のビタミンDそのままです。

活性型と未活性型で効果に差があるのか知りたくなり論文検索しましたところ、今回の論文では、骨粗鬆症と診断された女性が活性型ビタミンD3であるアルファカルシドールを服用すると、骨密度の増加と、有意ではないものの骨折例が少なかったとのこと。小規模な検討ですが二重盲検のようですね。ランダム化はされていないかも。

今更ですが、1 alpha-hydroxy vitamin D3ってアルファカルシドールですよね?

構造式詳しい方教えてください。