低血糖リスクの少ない抗糖尿病薬による血糖低下作用は心血管イベント抑制に寄与できますか?(SR&MA; Diabetes Obes Metab. 2018)

Blood glucose reduction by diabetic drugs with minimal hypoglycaemia risk for cardiovascular outcomes: Evidence from meta-regression analysis of randomized controlled trials.

Huang CJ et al.
Diabetes Obes Metab. 2018 May 2. doi: 10.1111/dom.13342. [Epub ahead of print]
PMID: 29722116

【研究の目的】

2型糖尿病(T2D)患者の心血管系アウトカムに対する低血糖症のリスクが最も低い抗高血糖剤による血糖コントロールの効果を検討する。
 

【材料および方法】

低血糖リスクの少ない抗糖尿病薬の相対的有効性と安全性を比較するランダム化比較試験(RCT)は、2018年1月27日までMEDLINE、Embase、Cochrane Libraryで総合的に研究された。

混合効果メタ・リグレッション分析を行い、ヘモグロビンA1c(HbA1c)減少と重大な有害心血管イベント(MACE)、心筋梗塞、脳卒中、心臓血管死、全原因死、および心不全の入院のリスクとの間の関係について検討した。

【結果】

・T2Dを有する92,400人を含む10件のRCTが含まれ、中央値2.6年間の追跡期間中の9,773件のMACEに関する情報が提供された。

・平均HbA1c濃度は、プラセボ投与群よりも抗高血糖剤を投与した参加者の方が0.42%低かった(範囲 0.27%〜0.86%)。

・メタレグレッション解析では、年齢、性別、ベースラインHbA1c、追跡期間(HbA1c)、達成された収縮期血圧の差、達成された体重の差、および低血糖症リスクの差などの交絡因子の調整後でさえ、HbA1cの減少がMACEリスクの低下と有意に関連していた(β値 -0.39〜 -0.55; P <0.02)。

・HbA1cを1%低下させることは、MACEの30%(95%信頼区間 17%〜40%)の有意なリスク低下をもたらした。対照的に、従来の薬剤を用いた試験のメタ – 回帰分析は、達成されたHbA1cの差とMACEリスクとの間に有意な関係を示さなかった(P> 0.74)。

【結論】

プラセボと比較して、低血糖の危険性がより低い新規のT2D剤は、MACEリスクを有意に減少させた。 MACE減少は、線形関係におけるHbA1c減少と関連しているようである。

【KEYWORDS】

dipeptidyl peptidase-4 inhibitor; glucagon-like peptide-1 agonist; major adverse cardiovascular events; sodium-glucose cotransporter-2 inhibitor; thiazolidinedione; type 2 diabetes

【コメント】

アブストのみ。

DPP-4阻害薬、GLP-1刺激薬、SGLT-2阻害薬は、プラセボと比較してHbA1cの低下およびMACEリスク低下をもたらした。

他の試験結果をみると、DPP-4阻害薬単独によるMACEリスク低下はなさそう。新規とか従来薬とか、ざっくりとしたグループ分けではなく、個々の薬剤で評価した方が良いですね。

心不全合併の心房細動患者におけるカテーテルアブレーション vs. 薬物療法(open-RCT; CASTLE-AF; NEJM 2018)

Catheter Ablation for Atrial Fibrillation with Heart Failure.

Randomized controlled trial

Marrouche NF, et al.
N Engl J Med. 2018.

PMID: 29385358

Funded by Biotronik; CASTLE-AF ClinicalTrials.gov number: NCT00643188

【試験背景】

心不全のみの患者より心房細動と心不全の合併患者の方が死亡率と罹患率が高い。心房細動に対するカテーテルアブレーションは、適切な治療を受けている心不全患者のアウトカムを改善する手段として提案されてきた。

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キサンチンオキシダーゼ阻害薬と心血管アウトカムとの関係(SR&MA of RCT; BMC Cardiovasc Disord. 2018)

Xanthine oxidase inhibitors for prevention of cardiovascular events: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.

Review article

Bredemeier M, et al.
BMC Cardiovasc Disord. 2018.
PMID: 29415653

【試験背景】

プリン様(アロプリノールおよびオキシプリノール)および非プリン(フェブキソスタットおよびトピロキソスタット)キサンチンオキシダーゼ阻害剤(XOI)は、プリン代謝に由来する活性酸素種の産生を減少させることによって抗酸化特性を示す。

酸化ストレスは、内皮機能不全および虚血 – 再灌流障害に関連する重要な因子であり、心不全、高血圧、および虚血性心疾患の病因に関係している可能性がある。

ただし、XOIによる心血管(CV)保護効果については相反する結果が報告されている。

【試験の目的】

プラセボまたは無治療に対してXOIを検証したランダム化比較試験(RCT)における主要有害心血管イベント(MACE)、死亡率、特定および総CVイベント(TCE)発生率を比較すること。

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【批判的吟味】非弁膜症性心房細動におけるイグザレルト®とワーファリン®はどちらが優れていますか?(NEJM 2011)

Rivaroxaban versus warfarin in nonvalvular atrial fibrillation.

Patel MR et al and the ROCKET AF steering committee, for the ROCKET AF investigators

N Engl J Med. 2011; 365: 883-91.

PMID: 21830957

ClinicalTrials.gov number: NCT00403767.

【資金提供】

Johnson & Johnson Pharmaceutical Research and Development
Bayer HealthCare

【利益相反COI or 開示disclosure】

本文pp.890に記載。NEJMのページも参照。

背景

ワーファリン®(ワルファリン)使用は心房細動患者における虚血性脳卒中の発生率を低下させるが、頻繁なモニタリング(PT-INR等)と投与量の調整が必要である。経口第Xa因子阻害薬であるイグザレルト®(リバーロキサバン)は、ワルファリンよりも一貫性があり予測可能な抗凝固療法を提供する可能性がある。

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高血圧患者に対する降圧目標と心血管疾患(CDSR 2018)

Blood pressure targets for the treatment of people with hypertension and cardiovascular disease.

Saiz LC et al.
Cochrane Database Syst Rev. 2018 Jul 20;7:CD010315. doi: 10.1002/14651858.CD010315.pub3.
PMID: 30027631

バックグラウンド

これは2017年に公表されたレビューのファーストアップデートである。

高血圧症は早期罹患と死亡の予防可能な主要原因である。高血圧および確立された心血管疾患を有する人々は特にリスクが高いため、血圧を標準的な目標値よりも下げることが有益であり得る。この戦略は、心血管死亡および罹患率を低下させる可能性を有しているが、有害事象を増加させる可能性もある。

高血圧および心血管疾患を有する集団における最適な血圧目標は未知のままである。

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【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】ベースラインLDL-CレベルとLDL-C低下後の総死亡および心血管死亡との関連:系統的レビューおよびメタ分析(JAMA 2018)

Association Between Baseline LDL-C Level and Total and Cardiovascular Mortality After LDL-CLowering: A Systematic Review and Meta-analysis.

JAMA. 2018 Apr 17;319(15):1566-1579.

Navarese EP et al.

PMID: 29677301

研究の重要性

特定の致命的および非致死的なエンドポイントへの影響は、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)低下薬を用いた臨床試験では変化するようである。

研究の目的

ベースライン時のLDL-Cレベルが、総死亡および心血管死亡リスク低下と関連しているかどうかを評価する。

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エンパグリフロジンは2型糖尿病患者の心血管イベントを抑制できますか?実はオープンラベルですか?(EMPA-REG OUTCOME: NEJM.2015 Free)

Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes.

Zinman B et al.; EMPA-REG OUTCOME Investigators.

N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2117-28.

PMID: 26378978

ClinicalTrials.gov No.: NCT01131676

【資金提供】

ベーリンガー・インゲルハイムBoehringer Ingelheim

イーライ・リリーEli Lilly

 

【利益相反COI or 開示disclosure】

めっちゃある(本文参照)。個人的には “The trial was designed and overseen by a steering committee that included academic investigators and employees of Boehringer Ingelheim.” という部分がかなり気になる。

私的背景

EBM勉強会に参加し本論文を読んだ。その中で気になった点がいくつかあったので再度、批判的吟味しつつ考えをまとめてみる。

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メトホルミン使用はDPP-4阻害薬が心血管アウトカムに及ぼす影響を緩和できるかもしれない(メタ分析; Diabetes Care 2017: Charge)

Metformin Use May Moderate the Effect of DPP-4 Inhibitors on Cardiovascular Outcomes.

Crowley MJ et al.

Diabetes Care. 2017.

PMID: 29051159

【目的】

メトホルミン使用がジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤(DPP-4i)の心血管作用に対する潜在的モデレーターであるか探索する。

【方法および研究デザイン】

DPP-4i使用による 3-point MACEへの影響を検討した臨床試験についてメタ分析を行った。 DPP-4iの心血管作用が、メトホルミン使用者と非使用者とで異なるかを検討するためにメタ回帰(分析)を用いた。

【結果】

DPP-4iとメトホルミンを使用しているグループでは、心血管アウトカムのハザード比[HR] は 0.92、95%信頼区間[95%CI]は 0.84~1.01であった。一方、メトホルミン非使用グループでは、HR =1.10 [95%CI 0.97~1.26]であった。

メトホルミン使用者と非使用者のサブグループ解析において、DPP-4i使用による効果の差は、統計的に有意であった(P = 0.036)。

【結論】

PP-4i使用による心血管アウトカム増加に対し、基礎治療としてのメトホルミン使用は緩和効果を有する可能性がある。

仮説生成分析は、DPP-4i使用が心血管アウトカムに及ぼす影響について、依然として不確実性が存在していること(併用薬に依存すること)を示唆している。

【コメント】

アブストのみ。

著者も述べていますが、本結果は ”仮説生成” です。過去の RCTやメタ解析において DPP-4i使用による心不全増加の懸念が報告されていますが、心不全を増やさないとする報告もあります。

個人的には薬剤間で安全性に差異があると捉えています。また過去の臨床試験結果をみてみると、基礎治療にはほぼメトホルミンが使用されています。個人的には DPP-4i単独で使用する意義は分かりません。続報を待ちます。

 

 

 

-Evidence never tells you what to do-




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カナグリフロジンは 2型糖尿病患者の心血管・腎イベント発生を抑制できますか?(CANVAS program; NEJM 2017; Free→charge)

Canagliflozin and Cardiovascular and Renal Events in Type 2 Diabetes.

N Eng J Med. 2017 Jun 12. doi: 10.1056/NEJMoa1611925. [Epub ahead of print]

Neal B et al.

PMID: 28605608

ClinicalTrials.gov No.: NCT01032629(CANVAS), NCT01989754(CANVAS-R)

 

【資金提供】

Janssen Research and Development

 

【利益相反COI or 開示disclosure】

http://www.nejm.org/doi/suppl/10.1056/NEJMoa1611925/suppl_file/nejmoa1611925_disclosures.pdf

【統合解析方法のペーパー】

Optimizing the analysis strategy for the CANVAS Program: A prespecified plan for the integrated analyses of the CANVAS and CANVAS-R trials. – PubMed – NCBI

PMID: 28244644

試験背景

カナグリフロジン(商品名:カナグル)は、糖尿病患者の血糖値、体重、およびアルブミン尿を減少させるナトリウム – グルコース共輸送体2(SGLT-2)阻害剤である。
心血管、腎臓、および安全性アウトカムに対するカナグリフロジン治療の効果を報告する。本論文は、CANVASおよび CANVAS-Rという 2試験の統合結果である。 “カナグリフロジンは 2型糖尿病患者の心血管・腎イベント発生を抑制できますか?(CANVAS program; NEJM 2017; Free→charge)” の続きを読む