超高齢者における死亡原因と血圧には関連性がありますか?(BMJ 2018)

Revisiting the association of blood pressure with mortality in oldest old people in China: community based, longitudinal prospective study.

Lv YB et al.

BMJ. 2018 Jun 5;361:k2158. doi: 10.1136/bmj.k2158.

PMID: 29871897

試験の目的

中国の超高齢者について、3年間の全死亡および死亡原因と血圧との関連性を明らかにする

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中高年齢者の起立性低血圧における臨床および無症候性心血管疾患リスク(J Am Heart Assoc. 2018; ARIC trial)

Orthostatic Hypotension and Risk of Clinical and Subclinical Cardiovascular Disease in Middle-Aged Adults.

Juraschek SP et al.

J Am Heart Assoc. 2018 May 7;7(10). pii: e008884. doi: 10.1161/JAHA.118.008884.

PMID: 29735525

背景

起立性低血圧(orthostatic hypotension: OH)は神経障害および血液量低下のよく知られた症状であるが、心血管疾患(CVD)リスクへの関係性について結論が得られていない。

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心房細動と心不全の合併患者には抗凝固薬を使用した方が良いですか?(Heart Vessels 2018)

Thromboembolisms in atrial fibrillation and heart failure patients with a preserved ejection fraction (HFpEF) compared to those with a reduced ejection fraction (HFrEF).

Sobue Y et al.

Heart Vessels. 2018 Apr;33(4):403-412.

PMID: 29067492

研究の背景・目的

心不全(HF)は、保存された駆出率を有するHF(Heart Failure with preserved Ejection Fraction, HFpEF:EF≧50%)、mid-range駆出率を有するHF(HFmrEF:40≦EF <49%)、および減少した駆出率を有するHF(HFrEF:EF <40%)の3つに分けられる。

これらのタイプは、しばしば心房細動(AF)と共存する。本試験では、HFpEFを有するAF患者(AF-HFpEF)とHFrEF(AF-HFrEF:HFmrEFおよびHFrEF)患者を比較し、脳卒中/全身塞栓症(strokes/systemic embolisms:SSEs)の割合、および独立した予測因子について検討した。

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【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】ベースラインLDL-CレベルとLDL-C低下後の総死亡および心血管死亡との関連:系統的レビューおよびメタ分析(JAMA 2018)

Association Between Baseline LDL-C Level and Total and Cardiovascular Mortality After LDL-CLowering: A Systematic Review and Meta-analysis.

JAMA. 2018 Apr 17;319(15):1566-1579.

Navarese EP et al.

PMID: 29677301

研究の重要性

特定の致命的および非致死的なエンドポイントへの影響は、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)低下薬を用いた臨床試験では変化するようである。

研究の目的

ベースライン時のLDL-Cレベルが、総死亡および心血管死亡リスク低下と関連しているかどうかを評価する。

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2型糖尿病患者における血清尿酸値は死亡リスク増加に影響しますか?(Atherosclerosis 2017; Charge)

On the non-linear association between serum uric acid levels and all-cause mortality rate in patients with type 2 diabetes mellitus.

Lamacchia O et al.

Atherosclerosis. 2017

DOI: 10.1016/j.atherosclerosis.2017.03.008. Epub 2017 Mar 9.

PMID: 28334637

背景・疑問

血清尿酸値の値が腎疾患や死亡リスクに関与することが報告されている。しかし、因果関係は依然として不明である。

2型糖尿病患者における無症候性高尿酸血症の治療は有益であるのか?抄録のみ読める論文であるが読み進めた。

結論

2型糖尿病患者における血清尿酸値は、4.717.17 mg/dLの範囲より高くても低くても死亡リスクを上昇させた。いわゆるJ字型(あるいは U字型)現象が観察された。


抄録

【背景と目的】

高レベルの血清尿酸(Serum Uric Acid: SUA)は、一般集団における死亡リスクの増加と関連している。つまり尿酸レベルの低下は、糖尿病患者において有用である。

本研究の目的は、2型糖尿病患者における SUAと全死亡との関連およびその機能的形態を研究することである。

【方法】

T2DM患者を対象とした 3つのコホートを解析した(Gargano Mortality試験 n=698、Foggia Mortality試験 n=431、Pisa Mortality試験)。エンドポイントは全死亡率。

【結果】

SUAレベルと全死亡率との間の最も信頼性の高い関係は二次関数的であった。このモデルは SUA三分位によってよく近似された。

三分位の第1(本研究のグループ内で尿酸値が一番高い群)および第3(尿酸値が一番低い群)は、第2(中間層)に比べ死亡リスクが高かった。

・第1 vs. 第2

ハザード比(HR) =1.34, 95%信頼区間(CI)=1.07〜1.68

・第3 vs. 第2

HR =1.61, 95%CI =1.29〜1.99

実際にプールされたサンプルから作成された擬似的サンプルにおいて、SUAと全死亡率との最良の関係は二次的であった。

再帰的分割回帰ツリー分析において、死亡リスクの高い2つのサブグループを対象に解析した。すなわち中間 SUAレベルの患者(尿酸値4.16〜7.28 mg/dl)と比較して、SUAレベルが7.28 mg / dl 以上および SUAレベルが4.16 mg / dl 未満で死亡率が高かった。

本試験は SUAレベルと死亡率との間の J字型関係に関するさらなるエビデンスを提供する。

【結論】

血清尿酸は、2型糖尿病患者の全死亡率と直線的に関連していなかった。臨床および公衆衛生上では、そのような関連性は J字型と呼ばれる。


PECOT

  • 2型糖尿病患者
  • 血清尿酸値の層別化
  • 無し
  • 全死亡
  • 害、3つのコホート研究を解析

批判的吟味

 追跡期間は?

抄録からは不明

脱落はどのくらいか?

抄録からは不明

マスキングされているか?

抄録からは不明

交絡因子の調整は?

抄録からは不明


コメント

2型糖尿病患者における、尿酸値と全死亡率との間には J-curve現象がみられた。当該患者においては尿酸値が上がり過ぎないよう、逆に下げ過ぎないようコントロールすることの重要性が示唆された。あくまで観察研究であり、因果関係ではなく相関関係が示された点であることは念頭に置く必要がある。

さらに抄録からは批判的吟味できなかった。また調整しきれない交絡因子もあると考えられる。個人的には三分位というところが気になる。

血清尿酸値について私の知る限りでは、血圧や血糖値、脂質と比較し、疾患との関連性や治療効果については非常に曖昧である。

高尿酸血症のみでの治療効果は限定的であり、痛風発作の既往がない、無症候性高尿酸血症であれば放置していても問題ないという認識。しかし、以前から尿酸高値は腎疾患や心房細動等の心血管疾患との関連性が示唆されている。一方、in vitroにおいてではあるが尿酸の酸化ストレス軽減効果も示唆されており、まだまだ議論の分かれるところ。

-Evidence never tells you what to do-