心不全にβ遮断薬がより有効なのは駆出率がどのくらいの人ですか?(RCTのメタ解析; Eur Heart J. 2018)

Beta-blockers for heart failure with reduced, mid-range, and preserved ejection fraction: an individual patient-level analysis of double-blind randomized trials.

Cleland JGF, et al.

Eur Heart J. 2018.

Clinicaltrials.gov: NCT0083244

PROSPERO: CRD42014010012

PMID: 29040525

【目的】

近年のガイドラインでは、心不全および左心室駆出率(LVEF)が40〜49%の患者は、LVEF≥50%と同様に管理することを推奨している。

そこで二重盲検ランダム化プラセボ対照試験により、LVEFによるベータ遮断薬の効果を調査した。

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80歳以上の甲状腺機能低下症患者におけるルーティンなチラーヂン®️使用は推奨されない?(RCT2試験のメタ解析; JAMA 2019)

Association Between Levothyroxine Treatment and Thyroid-Related Symptoms Among Adults Aged 80 Years and Older With Subclinical Hypothyroidism.

Mooijaart SP, et al.

JAMA. 2019.

Trial Registration: ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01660126; Netherlands Trial Register: NTR3851.

PMID: 31664429

【試験の重要性】

レボチロキシン治療が無症候性甲状腺機能低下症の80歳以上の成人に臨床的に重要な利益をもたらすかどうかは不明である。

【目的】

80歳以上の成人における無症候性甲状腺機能低下症に対するレボチロキシン治療と甲状腺関連の生活の質との関連を明らかにする。

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健康ケア指標における プライマリケアチームへの薬剤師の統合は 患者アウトカムへ どのような影響を及ぼしますか?(SR; Br J Gen Pract. 2019)

Impact of integrating pharmacists into primary care teams on health systems indicators: a systematic review.

Hayhoe B et al.

Br J Gen Pract. 2019

Aug 27. pii: bjgp19X705461. doi: 10.3399/bjgp19X705461. [Epub ahead of print]

PMID: 31455642

【背景】

プライマリケアに統合された薬剤師が患者の転機と満足度を改善できることを示す証拠があるが、ヘルスケアシステムへの影響は不明である。

【目的】

薬剤師のプライマリケアへの統合が、ヘルスケアの利用率やコストなどのヘルスシステムインジケーターに及ぼす主要な影響を特定する。

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高用量エパデール®️は心血管リスクを減らせますか?(REDUCE-IT; RCT; NEJM 2019)

Cardiovascular Risk Reduction with Icosapent Ethyl for Hypertriglyceridemia.

Randomized controlled trial

Bhatt DL, et al.

N Engl J Med. 2019.

Funded by Amarin Pharma

ClinicalTrials.gov number, NCT01492361

PMID: 30415628

【背景】

トリグリセリド値が高い患者は、虚血性イベントのリスクが高くなる。

高度に精製されたエイコサペンタエン酸エチルエステルであるイコサペントエチルは、トリグリセリドレベルを低下させるが、虚血イベントに対する影響を判断するには更なるデータが必要である。

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オメガ-3系不飽和脂肪酸の摂取は心血管イベントを減らせますか?(RCTのメタ解析; J Am Heart Assoc. 2019)

Marine Omega-3 Supplementation and Cardiovascular Disease: An Updated Meta-Analysis of 13 Randomized Controlled Trials Involving 127 477 Participants.

Hu Y, et al.

J Am Heart Assoc. 2019.

PMID: 31567003

【背景】

海洋オメガ3補給が心血管疾患(cardiovascular disease, CVD)のリスク低下と関連しているかどうかは、議論の余地がある。

【方法】

本メタ分析には、13件の研究レベルのデータが含まれていた。 関心のあるアウトカムには、心筋梗塞、冠状動脈性心臓病(CHD)、死亡、総CHD、総脳卒中、CVD死亡、総CVD、および主要な血管イベントが含まれる。

未調整の比率は、固定効果のメタ分析を使用して計算された。 海洋オメガ3の投与量と事前に指定された各アウトカムのリスクとの用量反応関係を推定するために、メタ回帰が実施された。

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小児の再発ネフローゼ症候群におけるプレドニン®️使用は毎日投与と隔日投与どちらが有用ですか?(open-RCT; Pediatr Nephrol. 2019)

Efficacy of low-dose daily versus alternate-day prednisolone in frequently relapsing nephrotic syndrome: an open-label randomized controlled trial.

Yadav M et al.

Pediatr Nephrol. 2019 May;34(5):829-835.

doi: 10.1007/s00467-018-4071-7. Epub 2018 Sep 7.

PMID: 30194663

【背景】

頻繁に再発するネフローゼ症候群(frequently relapsing nephrotic syndrome, FRNS)の患者は、長期の隔日プレドニゾロンで最初に治療されるが、再発と副作用が一般的である。

非盲検のランダム化比較試験では、12ヶ月の追跡調査で再発率を低下させるために、低用量かつ毎日服用の有効性と標準の隔日プレドニゾロンとの比較を実施した。

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【批判的吟味】ダパグリフロジンは心不全増悪や心血管イベントを抑制できますか?(RCT; DAPA-HF; NEJM2019)

Dapagliflozin in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction

McMurray JJV et al.

NEJM 2019

PMID:31535829

Funding: AstraZeneca

ClinicalTrials .gov number, NCT03036124.

【抄録の日本語訳はこちら↓】

駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者におけるフォシーガ®️の効果はどのくらいですか?(RCT; DAPA-HF; NEJM 2019)

PICOTS

P: EF40%以下の心不全患者(NYHA II〜IV)

I : 標準治療+ダパグリフロジン 10mg/day

C: 標準治療+プラセボ

O: primary outcome —- 心不全の増悪(入院あるいは静脈内治療を必要とする心不全)+心血管死亡の複合

T: ランダム化比較試験(バランスブロックランダム化、2型糖尿病の有無に重きをおきわ層別化)、治療・予後、プラセボ対照、ITT解析

S: 20ヶ国の410施設、追跡期間18ヶ月

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救急外来の急性四肢疼痛患者にはどんな痛み止めが有効ですか?(RCT; JAMA 2017)

Effect of a Single Dose of Oral Opioid and Nonopioid Analgesics on Acute Extremity Pain in the Emergency Department: A Randomized Clinical Trial.

Chang AK et al.

JAMA. 2017 Nov 7;318(17):1661-1667.

doi: 10.1001/jama.2017.16190.

TRIAL REGISTRATION:

clinicaltrials.gov Identifier: NCT02455518.

PMID: 29114833

【試験の重要性】

救急部門(ED)で急性疼痛を治療するための鎮痛剤の選択には、明確な根拠がない。イブプロフェン(ブルフェン®️)とアセトアミノフェン(パラセタモール; カロナール®️)の組み合わせは、実行可能な非オピオイド代替物を表す。

【試験の目的】

4つの経口鎮痛薬の有効性を比較する。

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駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者におけるフォシーガ®️の効果はどのくらいですか?(RCT; DAPA-HF; NEJM 2019)

Dapagliflozin in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction

  • McMurray JJV et al.

New Eng J Med 2019

September 19, 2019
DOI: 10.1056/NEJMoa1911303

Funded by AstraZeneca; DAPA-HF

ClinicalTrials.gov number, NCT03036124. opens in new tab.)

PMID: 未

【背景】

2型糖尿病の患者では、ナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤により、おそらくグルコース非依存性メカニズムにより、心不全の最初の入のリスクが低下する。

2型糖尿病の有無に関係なく、心不全が確定し駆出率が低下した患者におけるSGLT2阻害剤の効果に関して、より多くのデータが必要である。

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進行性メラノーマにおけるキイトルーダ®️ vs. ヤーボイ®️(Open-RCTの後付け解析; KEYNOTE-006; Lancet Oncol. 2019)

Pembrolizumab versus ipilimumab in advanced melanoma (KEYNOTE-006): post-hoc 5-year results from an open-label, multicentre, randomised, controlled, phase 3 study.

Lancet Oncol. 2019 Jul 22. pii: S1470-2045(19)30388-2.

doi: 10.1016/S1470-2045(19)30388-2. [Epub ahead of print]

PMID: 31345627

Funding: Merck Sharp & Dohme.

ClinicalTrials.gov, number NCT01866319.

【背景】

ペンブロリズマブは、進行メラノーマ(悪性黒色腫)患者において、イピリムマブと比較して無増悪生存期間(progression-free survival. PFS)および全生存期間(overall survival, OS)を改善し、現在では第一選択の標準治療となっている。ただし、抗PD-1投与の最適な期間は不明である。 KEYNOTE-006で実施した5年間の追跡調査結果を提示する。


【方法】

KEYNOTE-006は、16か国における87の学術機関、病院、がんセンターで実施された、オープンラベル多施設ランダム化対照第3相試験だった。

組み入れは、18歳以上、Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータスが0または1、BRIFV600ステータスが既知のイピリムマブ未投与から過去1回までの全身療法を受け、組織学的に確認された進行メラノーマ患者が対象だった。患者はランダムに以下の3群に割りつけられた(1:1:1)。

①ペンブロリズマブ 10 mg/kg(静脈内投与、2週間毎)

②ペンブロリズマブ 10 mg/kg(静脈内投与、3週間毎)

③イピリムマブ 3 mg/kg(静脈内投与、3週間毎に4回)

治療は、中央コンピューター生成の割り当てスケジュールを使用して割り当てられた。層内のランダムブロック化が用いられた。

2つのペムブロリズマブ投与レジメングループのデータの探索的組み合わせは、プロトコルで指定されていない。

ペンブロリズマブ治療は最大24ヶ月間継続した。ペムブロリズマブを少なくとも24ヶ月受けた後に安定した場合、ペムブロリズマブを中止するか、少なくとも6ヶ月ペンブロリズマブを服用して完全に反応を止めてから進行した適格患者は、さらに17サイクルのペンブロリズマブを受け取ることができた。

主要評価項目は、全生存期間と無増悪生存期間だった。ランダムに割り当てられたすべての患者の有効性を分析し、少なくとも1回の治療を受け、かつランダムに割り当てられたすべての患者の安全性を分析した。

5年間の追跡調査における有効性と安全性の探索的評価は、プロトコルで指定されていない。本分析のデータカットオフは2018年12月3日だった。

試験募集は締め切られているが、研究は進行中である。

【調査結果】

・2013年9月18日から2014年3月3日までに、834人の患者が登録され、ペンブロリズマブ(2週間毎n =279、3週間毎n =277)、またはイピリムマブ(n =278)をランダムに割り当てられた。

・生存患者の追跡期間中央値は57.7ヶ月(IQR 56.7〜59.2)だった。ペムブロリズマブ併用群の全生存期間中央値は32.7ヶ月(95%CI 24.5〜41.6)、一方イピリムマブ群では15.9ヶ月(13.3〜22.0)だった。

★ハザード比[HR] =0.73, 95%CI 0.61〜0.88, p =0.00049

・無増悪生存期間の中央値は、ペムブロリズマブ併用群で8.4ヶ月(95%CI 6.6〜11.3) vs. イピリムマブ群で3.4カ月(2.9〜4.2)だった。

★HR =0.57, 95%CI 0.48〜0.67, p <0.0001

・グレード3〜4の治療関連有害事象は、ペムブロリズマブ併用群555人のうち96人(17%)、イピリムマブ群256人のうち50人(20%)で発生した。

・これらのイベントの中で最も一般的なのは、大腸炎(11 [2%] vs. 16 [6%])、下痢(10 [2%]vs. 7 [3%])、および疲労(4 [<1%] vs. 3 [1] %])。

・ペムブロリズマブ併用群の75人(14%)およびイピリムマブ群の45人(18%)で、あらゆるグレードの重篤な治療関連有害事象が発生した。

・ペムブロリズマブに割り当てられた1人の患者は、治療に関連した敗血症で死亡した。

【解釈】

5年間の追跡調査の結果、ペンブロリズマブはイピリムマブを上回る優位性を示し続けた。これらの結果は、進行性メラノーマ患者におけるペンブロリズマブ使用に対するさらなるサポートを提供する。


【コメント】

アブストのみ。

ヤーボイ®️(抗CTLA-4抗体)よりもキイトルーダ®️(抗PD-1抗体)の方がPFSおよびOSともに優れていた。

仮に60kgの成人に使用したとすると、ヤーボイ®️3mg/kg(485,342円/50mg/10mL)は、4回の治療で698,892.48円、キイトルーダ®️10mg/kg(75,100円/20mg/0.8mL、364,600円/100mg/4mL)も仮に4回治療した場合では2,187,600円、7ヶ月の延命に見合う治療選択肢なのだろうか。治療費ケタ違いすぎる。

悪性黒色腫(メラノーマ)とは、皮膚がんの一つで表皮の基底層に分布しているメラノサイトあるいは母斑細胞が悪性化した腫瘍と考えられている。

メラノーマのABCDEルールhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15585738/

  • A:Asymmetry 
    形が左右非対称性である
  • B:Border of irregularities 
    辺縁がギザギザして不整である。色のにじみ出しがある
  • C:Color variegation 
    色調が均一でない。色むらがある
  • D:Diameter greater than 6mm 
    長径が6mm以上である
  • E:Enlargement or evolution of color change, shape, or symptoms 
    大きさの拡大、色や形、症状の変化