糖尿病治療における最初の薬剤は何が良いですか?(後向きコホート研究; JAMA Intern Med. 2014)

Initial choice of oral glucose-lowering medication for diabetes mellitus: a patient-centeredcomparative effectiveness study.

Berkowitz SA et al.

JAMA Intern Med. 2014 Dec;174(12):1955-62.

doi: 10.1001/jamainternmed.2014.5294.

PMID: 25347323

【研究の重要性】

経口血糖低下薬は多くのクラスが承認されているが、糖尿病治療法の初期選択を導くための比較有効性証拠はほとんど存在しない。

【目的】

治療初期に使用された経口血糖低下薬クラスの効果および、その後の治療強化および4つの短期的な有害臨床イベントの必要性を決定すること。

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メトグルコ®️による乳酸アシドーシスのリスクはどのくらいですか?(デンマークの症例対照研究; PLoS One. 2018)

Risk of lactic acidosis in type 2 diabetes patients using metformin: A case control study.

Aharaz A, et al.

PLoS One. 2018.

PMID: 29738540

【背景】

メトホルミンは2型糖尿病の第一選択治療に位置している。危険ではあるがまれな副作用として、乳酸アシドーシスがあると推定されている。

【試験の目的】

2型糖尿病患者における乳酸アシドーシスの発生率を推定すること、ならびにメトホルミン治療に関連する乳酸アシドーシスの相対リスクを推定すること。

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進行性の収縮期心不全におけるメトグルコ®️の効果はどのくらいですか?(単施設前向きコホート研究; J Card Fail. 2010)

Metformin therapy and outcomes in patients with advanced systolic heart failure and diabetes.

Shah DD, et al.

J Card Fail. 2010.

PMID: 20206893

【背景】

心不全(HF)患者の25〜44%が糖尿病(DM)を患っているが、DM患者の最適な治療法は(少なくとも2010年より前では)不明である。

本研究では、DMを有する進行期の収縮期HF患者におけるメトホルミン療法とアウトカムとの関連を検討した。

【方法と結果】

1994年から2008年の間に、DMおよび進行性の収縮期HF(n = 401)の患者を単一の大学HFセンターで追跡調査した。

コホートをメトホルミン療法の有無に基づいて2つのグループに分けた。コホートの平均年齢は56±11歳、左室駆出率(LVEF)は24±7%であり、42%がNew York Heart Association(NYHA)IIIおよび45%がNYHA IVであった。

コホートのうち25%(n = 99)はメトホルミン療法で治療された。メトホルミン群と対照群では、年齢、性別、ベースラインLVEF、病歴、およびベースラインHbA1cが同様であった。

メトホルミン治療群では、治療しなかった群と比べ、BMIがより高く、クレアチニンは低く、そしてインスリン使用頻度がより少なかった。

メトホルミン治療群と非メトホルミン治療群の1年生存率は、それぞれ91%と76%だった(RR =0.37、CI 0.18〜0.76、P = 0.007)。

人口統計学、心機能、腎機能、およびHF投薬のための多変量調整後、メトホルミン療法は生存率改善のための有意でない傾向と関連していた。

【結論】

DMおよび進行期の収縮期HFを注意深くモニターしている患者では、メトホルミン療法は安全であるように思われる。

メトホルミンが心不全アウトカムを改善できるかどうかを決定するために前向き研究が必要である。


【コメント】

アブストのみ。

乳酸アシドーシスが懸念されるメトホルミン。

そのためか生理学・薬理学的に乳酸が増加する状態(ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓等心血管系、肺機能に高度の障害のある患者及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態、脱水、重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者など)でのメトホルミン使用は禁忌とされている。

しかし実際の現場では、心不全や心筋梗塞の既往あるいは現病歴がある患者へも、血糖コントロールによる2次予防効果を期待して投与されることが往々にしてある。

さて、本試験において単施設の小規模な研究ではあるが、心不全増悪リスクはなさそうである(リスク低下もリスク増加もなさそう)。

おそらくではあるが、適応上の禁忌の設定背景として急性増悪期を想定していると考えられる。またメトグルコ®️承認前に、ブホルミンやフェンホルミンによる乳酸アシドーシスのリスク増加、これに伴う死亡リスク増加が報告されていたため、注意喚起として記載せざるを得なかったのではなかろうか(完全に推測ですが)。

続報に期待。

メトグルコ®️またはライフスタイル介入は2型糖尿病発症を予防できますか?(RCT; DPP試験; NEJM 2002)

Reduction in the incidence of type 2 diabetes with lifestyle intervention or metformin.

Randomized controlled trial

Knowler WC, et al.
N Engl J Med. 2002.
PMID: 11832527

【背景】

2型糖尿病は、米国の成人の約8%が罹患している。いくつかの危険因子(空腹時および経口ブドウ糖負荷後の血漿中グルコース濃度の上昇、過体重、座りがちな生活習慣)は潜在的に可逆的である。

本研究では、生活習慣介入プログラムまたはメトホルミンの投与でこれらの要因を修正すると、糖尿病の発症を予防または遅らせると仮定し、実施した。

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メトグルコ®️単剤治療中の2型糖尿病患者ではSU剤に切り替えない方が良い?(BMJ 2018)

Sulfonylureas as second line drugs in type 2 diabetes and the risk of cardiovascular and hypoglycaemic events: population based cohort study.

Douros A et al.

BMJ. 2018 Jul 18;362:k2693. doi: 10.1136/bmj.k2693.

PMID: 30021781

研究の目的

2型糖尿病患者のメトホルミン単独療法と比較して、スルホニルウレア(SU薬)の追加または切り替えが、心筋梗塞、虚血性脳卒中、心血管死、全死亡および重度の低血糖リスク増加と関連しているかどうかを評価する。

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メトホルミン使用はDPP-4阻害薬が心血管アウトカムに及ぼす影響を緩和できるかもしれない(メタ分析; Diabetes Care 2017: Charge)

Metformin Use May Moderate the Effect of DPP-4 Inhibitors on Cardiovascular Outcomes.

Crowley MJ et al.

Diabetes Care. 2017.

PMID: 29051159

【目的】

メトホルミン使用がジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤(DPP-4i)の心血管作用に対する潜在的モデレーターであるか探索する。

【方法および研究デザイン】

DPP-4i使用による 3-point MACEへの影響を検討した臨床試験についてメタ分析を行った。 DPP-4iの心血管作用が、メトホルミン使用者と非使用者とで異なるかを検討するためにメタ回帰(分析)を用いた。

【結果】

DPP-4iとメトホルミンを使用しているグループでは、心血管アウトカムのハザード比[HR] は 0.92、95%信頼区間[95%CI]は 0.84~1.01であった。一方、メトホルミン非使用グループでは、HR =1.10 [95%CI 0.97~1.26]であった。

メトホルミン使用者と非使用者のサブグループ解析において、DPP-4i使用による効果の差は、統計的に有意であった(P = 0.036)。

【結論】

PP-4i使用による心血管アウトカム増加に対し、基礎治療としてのメトホルミン使用は緩和効果を有する可能性がある。

仮説生成分析は、DPP-4i使用が心血管アウトカムに及ぼす影響について、依然として不確実性が存在していること(併用薬に依存すること)を示唆している。

【コメント】

アブストのみ。

著者も述べていますが、本結果は ”仮説生成” です。過去の RCTやメタ解析において DPP-4i使用による心不全増加の懸念が報告されていますが、心不全を増やさないとする報告もあります。

個人的には薬剤間で安全性に差異があると捉えています。また過去の臨床試験結果をみてみると、基礎治療にはほぼメトホルミンが使用されています。個人的には DPP-4i単独で使用する意義は分かりません。続報を待ちます。

 

 

 

-Evidence never tells you what to do-




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