糖尿病性腎症に対するアルドステロン受容体拮抗薬とACE-I/ARB併用の効果はどのくらいですか?(SR&MA; Int J Clin Pract. 2019)

Efficacy and safety of mineralocorticoid receptor antagonists with ACEI/ARB treatment for diabetic nephropathy: A meta-analysis.

Zuo C, et al.

Int J Clin Pract. 2019.

PMID: 31464019

【背景】

ACEI / ARBによる糖尿病性腎症(DN)の治療にミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)を追加することの有効性と安全性を調査する。

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【フォーミュラリー実践のために】日本のハイリスク高血圧患者における心血管イベント抑制にはブロプレス®️とノルバスク®️/アムロジン®️どちらが良いですか?(PROBE; Hypertension. 2008)

Effects of candesartan compared with amlodipine in hypertensive patients with high cardiovascular risks: candesartan antihypertensive survival evaluation in Japan trial.

Randomized controlled trial

Ogihara T, et al.

Hypertension. 2008.

PMID: 18172059

【背景】

日本における高リスク日本人高血圧患者の血管イベントおよびカンデサルタン降圧生存評価試験は、突然死と脳血管、心臓、腎臓の複合として表される心血管イベントの発生率に対するアンジオテンシンII受容体遮断薬カンデサルタンとカルシウムチャネル遮断薬アムロジピンの長期効果を比較するために設計された。

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慢性心不全患者における標準治療へのディオバン®️追加効果はどのくらいですか?(RCT; Val-HeHF; NEJM 2001)

A randomized trial of the angiotensin-receptor blocker valsartan in chronic heart failure.

Randomized controlled trial

Cohn JN, et al.
N Engl J Med. 2001.
PMID: 11759645

【背景】

アンジオテンシンIIの作用は、現在推奨されている薬物による治療にもかかわらず、心不全の進行に寄与している可能性がある。

したがって、本研究では心不全の標準治療にアンジオテンシン受容体拮抗薬バルサルタンを追加した場合の長期的影響を評価した。

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アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)により発がんリスクは増えますか?(SR&MA; European Journal of Internal Medicine 2019)

Systematic review and meta-analysis of randomised controlled clinical trial evidence refutes relationship between pharmacotherapy with angiotensin-receptor blockers and an increased risk of cancer

Datzmann T et al.

European Journal of Internal Medicine
Volume : 62 April 01, 2019

https://doi.org/10.1016/j.ejim.2019.04.019

【研究の目的】

発癌に対するアンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)の潜在的な影響は、非常に議論されているトピックである。

観察的研究ならびにげっ歯類を用いた発がん性アッセイにおける前臨床研究の両方において、癌発生におけるレニン – アンジオテンシン – アルドステロン系(RAAS)の主要な役割を示唆している。

そのため、ARBおよび発がん性に関する入手可能な試験データを主な結果として系統的レビューおよびメタアナリシスを実施した。 副次的アウトカムは、腫瘍特異的死亡率および肺がん、乳がん、および前立腺がんに特に重点を置いた特定の腫瘍型の新規症例の頻度として定義された。

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なぜARBディオバン®️とACE阻害薬カプトプリルを併用しないのか?(RCT; VALIANT trial; N Engl J Med. 2003)

Valsartan, captopril, or both in myocardial infarction complicated by heart failure, left ventricular dysfunction, or both.

Randomized controlled trial

Pfeffer MA, et al.
N Engl J Med. 2003.
PMID: 14610160

【背景】

カプトプリルなどのアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤は、左室収縮機能障害、心不全、またはその両方を合併した心筋梗塞患者の死亡率と心血管疾患の罹患率を低下させる。

二重盲検試験において、アンジオテンシン受容体拮抗薬バルサルタン(ディオバン®️)、ACE阻害薬カプトプリル(カポテック®️錠:販売中止品、2019年現在は後発医薬品のみ販売)、およびこの2つの組み合わせの患者集団の死亡率に対する影響を比較した。

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2型糖尿病患者の降圧療法においてアンギオテンシン-アルドステロン ブロッカーへの追加薬は何が良いですか?(CJASN 2018)

Add-On Antihypertensive Medications to Angiotensin-Aldosterone System Blockers in Diabetes. A Comparative Effectiveness Study

Schroeder EB et al.

The Clinical Journal of the American Society of Nephrology 2018

PMID: 未

背景と目的

糖尿病患者の重大な腎臓イベントのリスクについて、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE-I)またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)への(他クラスの)降圧薬追加による有効性の比較は依然として不明である。

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【フォーミュラリー実践のために】高血圧患者における ACE阻害薬と ARBはどちらが優れてますか?(Eur J Prev Cardiol. 2017)

Angiotensin-converting enzyme inhibitors reduce mortality compared to angiotensin receptor blockers: Systematic review and meta-analysis.

Salvador GL et al.
Eur J Prev Cardiol. 2017 Dec;24(18):1914-1924.
PMID: 28862020

試験の背景

高血圧集団におけるアンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE-I)またはアンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)長期使用の結果を比較するレビューはほとんどありません。それは両方とも同様に血圧低下作用があるためです。
高血圧患者における AC-Iまたは ARBとプラセボ群とを比較した研究はなかった。なぜなら前述の比較デザインを検証した研究が殆どないからです。

方法

2000年1月1日〜2015年12月31日まで PUBMED、LILACS、SCIELO、ICTRP、Cochrane、EMBASEおよび ClinicalTrials.govを系統的に検索し、ACE-Iまたは ARB使用と心血管アウトカムとの関係について検討した前向き研究を選択した。
心血管アウトカムは次の通り:①心不全/入院、②脳卒中、③急性心筋梗塞、④全心臓血管死、⑤全死亡および⑥全アウトカム。
集団オッズ比(ORs)と 95%信頼区間(CIs)を固定効果モデルを用いて組み合わせた。

結果

17試験(n = 73,761)には ACE-I(n =12,170)の 5試験と ARB(n =24,697)の 12試験が含まれていた。
ACE-I使用は、全死亡(OR =0.85, 95%CI 0.78〜0.93)および心血管死(OR =0.77, 95%CI 0.69〜0.87)を有意に減少させた。
ARB使用は、全死亡(OR =1.02, 95%CI 0.96〜1.09)または心血管死(OR =0.95, 95%CI 0.86〜1.06)を減少させなかった。
急性心筋梗塞脳卒中心不全/入院については、両クラスともに有意な減少を示した。

結論

ACE-Iまたは ARBの使用は、急性心筋梗塞、脳卒中および心不全/入院に関する主要な心血管アウトカム予防において同様であった。しかし、ACE-Iの使用は、ARBよりも総死亡および心血管死を低減する上でより有効であった。

キーワードMeta-analysis; angiotensin II receptor blocker; angiotensin-converting enzyme inhibitor; hypertension; outcomes


コメント

アブストのみ。網羅的に論文検索を行っていることがわかる。またアウトカムはほぼハード。統合された論文数は 17と多い。
本結果は過去の報告と矛盾しない。ARBよりも ACE-Iの方が優れていそう。
コストも踏まえれば、まずは ACE-Iで充分ではないでしょうか。
大体のことに言えるかもしれませんが、「新しかろう, 良かろう」からは、そろそろ決別したほうが良いと思う。

-Evidence never tells you what to do-




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【フォーミュラリー実践のために】ACE阻害薬による咳嗽と血管浮腫はどのくらいですか?(Ann Intern Med. 1992)

Cough and angioneurotic edema associated with angiotensin-converting enzyme inhibitor therapy. A review of the literature and pathophysiology.

Israili ZH et al.

Ann Intern Med. 1992 Aug 1;117(3):234-42.

PMID: 1616218

私的背景

古くから使用されているアンギオテンシン変換酵素阻害薬(angiotensin-converting enzyme inhibitor:ACE-I)、そして比較的新しいアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(angiotensin Ⅱ receptor blocker:ARB)。ここの違いについて改めて検証していく。まずは ACE-I使用で懸念される咳嗽と血管浮腫について調べてみた。

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