心血管疾患の既往患者は犬を飼っていると予後が良いかも?(スウェーデン人口ベース コホート研究; Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes. 2019)

Dog Ownership and Survival After a Major Cardiovascular Event

A Register-Based Prospective Study

Mubanga M et al.

Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes. 2019;12:e005342

Originally published8 Oct 2019

https://doi.org/10.1161/CIRCOUTCOMES.118.005342

PMID: 31592725

【背景】

犬の飼い主は、身体活動レベルの増加と社会的支援の増加に関連し、どちらも主要な心血管イベント後のアウトカムを改善する可能性がある。

犬を飼うことは、飼い主が代替的な交際と身体活動の動機付けを提供する一人暮らしの家庭では特に重要である。

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家族性高コレステロール血症患者における低密度リポタンパク質コレステロールの目標達成と心血管アウトカムの関係性(前向きコホート研究; CASCADE FHレジストリ; Atherosclerosis. 2019)

Longitudinal low density lipoprotein cholesterol goal achievement and cardiovascular outcomes among adult patients with familial hypercholesterolemia: The CASCADE FH registry.

Duell PB et al.

Atherosclerosis. 2019 Aug 19;289:85-93.

doi: 10.1016/j.atherosclerosis.2019.08.007. [Epub ahead of print]

PMID: 31487564

【背景と目的】

家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia, FH)の専門治療を受けている患者のアウトカムに関する米国からの限られたデータがある。

【方法】

CASCADE FHレジストリデータを分析して、薬剤使用による低用量リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルの長期的な変化、および主要かつ有害な心血管イベント(MACE)を評価した。

※ MACE: Major Adverse Cardiovascular Events(心筋梗塞、冠動脈血行再建、脳卒中または一過性虚血発作)

米国の専門クリニックで追跡調査を行った。

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テレビを見る時間が長いと心血管疾患リスクを増加させるかもしれない?(前向きコホート研究のメタ解析; Am J Cardiol. 2019)

Meta-analysis of the Relation of Television-Viewing Time and Cardiovascular Disease.

Takagi H, et al.

Am J Cardiol. 2019.

PMID: 31586528

【研究の背景】

テレビ(Television, TV)視聴が心血管疾患(Cardiovascular disease, CVD)リスクと関連しているかどうかを判断するために、現在利用可能な前向きコホート研究のメタ分析を実施した。

【方法】

本メタ分析に含める基準として、TV視聴時間とCVDリスク(CVD有病率、CVD発生率、心血管イベント、および心血管死亡率)との関連を調査する前向きコホート研究だった 。

各研究から、CVDリスクの調整済みハザード比(HR)が抽出された。 ランダム効果モデルでは、テレビ視聴時間の二分位、三分位、四分位、および連続値の研究固有の推定値を個別に組み合わせた。

【結果】

・二分位時間のプール分析では、CVDリスクは視聴時間が短い場合よりも長い場合に有意に高いことが示されました(HR =1.28; p = 0.02)。

・三分位時間のメタ分析では、CVDリスクは最も短い三分位(T1)よりも長い方が有意に高かった(HR =1.26; p = 0.0006)が、中間の三分位とT1(p = 0.51)の間に有意差はなかった。

・四分位時間のメタ分析では、CVDリスクは最短四分位よりも長い方が有意に高かった(Q1)(HR =1.32; p = 0.0007)が、2番目に長い四分位とQ1(p = 0.12)、あるいは2番目に短い四分位数とQ1(p = 0.60)の間には有意差はなかった。

・連続時間のメタ分析では、長時間の視聴はCVDリスクの増加と有意に関連していた。

★1時間/日の増分あたりのHR =1.06; p = 0.005

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【結論】

より長いテレビ視聴時間は、より高いCVDリスクと有意に関連している。


【コメント】

アブストのみ。

テレビ視聴時間が長いと心血管リスクが増加するかもしれないとのこと。本メタ解析に組み入れられたのはいずれも前向きコホート研究であるため、あくまで仮説生成的な結果。

個人的には、視聴時間だけでなく、既往歴や服薬状況、体格、地域、食事内容(1日の総カロリー数など)についても調整した方が良いと感じた(もしかしたら調整しているかも)。

もし本当に調整していないとしたら因果の逆転の可能性が高い。またリスク増加はハザード比で1.3弱。正直、誤差じゃないかと思ってます。ノイズに近いような。

まぁ月並みですが適度な運動大事。

高用量エパデール®️は心血管リスクを減らせますか?(REDUCE-IT; RCT; NEJM 2019)

Cardiovascular Risk Reduction with Icosapent Ethyl for Hypertriglyceridemia.

Randomized controlled trial

Bhatt DL, et al.

N Engl J Med. 2019.

Funded by Amarin Pharma

ClinicalTrials.gov number, NCT01492361

PMID: 30415628

【背景】

トリグリセリド値が高い患者は、虚血性イベントのリスクが高くなる。

高度に精製されたエイコサペンタエン酸エチルエステルであるイコサペントエチルは、トリグリセリドレベルを低下させるが、虚血イベントに対する影響を判断するには更なるデータが必要である。

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オメガ-3系不飽和脂肪酸の摂取は心血管イベントを減らせますか?(RCTのメタ解析; J Am Heart Assoc. 2019)

Marine Omega-3 Supplementation and Cardiovascular Disease: An Updated Meta-Analysis of 13 Randomized Controlled Trials Involving 127 477 Participants.

Hu Y, et al.

J Am Heart Assoc. 2019.

PMID: 31567003

【背景】

海洋オメガ3補給が心血管疾患(cardiovascular disease, CVD)のリスク低下と関連しているかどうかは、議論の余地がある。

【方法】

本メタ分析には、13件の研究レベルのデータが含まれていた。 関心のあるアウトカムには、心筋梗塞、冠状動脈性心臓病(CHD)、死亡、総CHD、総脳卒中、CVD死亡、総CVD、および主要な血管イベントが含まれる。

未調整の比率は、固定効果のメタ分析を使用して計算された。 海洋オメガ3の投与量と事前に指定された各アウトカムのリスクとの用量反応関係を推定するために、メタ回帰が実施された。

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【フォーミュラリー実践のために】日本のハイリスク高血圧患者における心血管イベント抑制にはブロプレス®️とノルバスク®️/アムロジン®️どちらが良いですか?(PROBE; Hypertension. 2008)

Effects of candesartan compared with amlodipine in hypertensive patients with high cardiovascular risks: candesartan antihypertensive survival evaluation in Japan trial.

Randomized controlled trial

Ogihara T, et al.

Hypertension. 2008.

PMID: 18172059

【背景】

日本における高リスク日本人高血圧患者の血管イベントおよびカンデサルタン降圧生存評価試験は、突然死と脳血管、心臓、腎臓の複合として表される心血管イベントの発生率に対するアンジオテンシンII受容体遮断薬カンデサルタンとカルシウムチャネル遮断薬アムロジピンの長期効果を比較するために設計された。

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楽観主義な人は心血管イベントや死亡率が低いかもしれない(; JAMA Netw Open. 2019)

Association of Optimism With Cardiovascular Events and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Meta-analysis.

Rozanski A, et al.

JAMA Netw Open. 2019.

PMID: 31560385

【研究の重要性】

楽観と悲観は簡単に測定でき、心血管リスクおよひ総死亡に関連する潜在的に修正可能な考え方である。

【目的】

将来の心血管イベントと総死亡率に対する楽観とリスクとの関連についてメタ分析と系統的レビューを実施する。

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梅毒を併発したHIV患者における高用量サワシリン®️+ベネシッド®️の効果はどのくらいですか?(後向き研究: Clin Infect Dis. 2015.)

High-dose oral amoxicillin plus probenecid is highly effective for syphilis in patients with HIV infection.

Tanizaki R, et al.

Clin Infect Dis. 2015.

PMID: 25829004

【背景】

筋肉内ベンザチンペニシリンG(BPG)は梅毒の治療に広く使用されている。ただし、一部の国ではBPGを使用できない。

本研究では、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)患者の梅毒治療における高用量経口アモキシシリンとプロベネシドの有効性と安全性を検討した。

【方法】

本レトロスペクティブ観察研究には、経口アモキシシリン3 gとプロベネシドで治療された286人のHIV感染男性梅毒患者(年齢中央値 36歳、CD4カウント中央値 389細胞/μL)が含まれた。

梅毒は、血清急速血漿レアギン(RPR)力価≥8および梅毒トレポネーマ血球凝集試験の両方によって診断された。

脳脊髄液検査で診断された神経梅毒患者は除外された。

治療の成功は、RPR力価の少なくとも4倍の減少として定義された。

【結果】

・全体的な治療効果は95.5%(95%信頼区間[CI] 92.4〜97.7%; 273/286患者)であり、一次、二次、早期潜伏期、後期潜伏期、および不明期間における梅毒に対する効力は次に示す通り;

★一次:93.8%(95%CI 68.1〜99.8%; 15/16)

★ニ次:97.3%(95%CI 92.9〜99.2%; 142/146)

★早期潜伏期:100%(95%CI 90.5〜100%; 37/37 )

★後期潜伏期:85.7%(95%CI 58.6〜96.4%; 18/21)

★不明期間:92.4%(95%CI 81.9〜97.3%; 61/66)

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・治療期間は、主に14〜16日(49.7%)または28〜30日(34.3%)で、各治療期間における有効性はそれぞれ94.4%(134/142)および95.9%(94/98)だった。

・治療に成功した患者の96.3%は、12ヶ月以内にRPR力価が4倍以上減少した。

・有害事象は28人(9.8%)の患者に認められ、そのうち25人(89.3%)が治療に成功した。 腰椎穿刺を受けた患者はわずか6%だった。

【結論】

経口アモキシシリン3 gとプロベネシドの併用は、HIV-1感染患者の梅毒治療に非常に効果的で耐容性があった。

【コメント】

アブストのみ。

サワシリン®️+ベネシッド®️(サワベネ?)処方を初めてみました。ベネシッド®️は様々なトランスポーターに影響を及ぼすため、なんとなく作用は理解していたつもりでした。

そもそも注射が使えない地域や施設のために考案された処方のようです。日本においてもペニシリンGの筋注は出来ないです。

プロベネシド併用によりアモキシシリンの血中濃度が安定するとのこと。

皮疹と味覚異常が気になるところですね。

侵襲性やコストを考えると内服でいけるなら内服が良いなと個人的には思います。

梅毒の経過は国立感染症研究所のホームページが分かりやすいです↓

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/mdr/392-encyclopedia/465-syphilis-info.html

冠動脈疾患あるいは末梢動脈疾患を有する非弁膜症性心房細動患者にはイグザレルト®️とワーファリン®️どちらが良さそうですか?(; Eur Heart J Cardiovasc Pharmacother. 2019)

Effectiveness and safety of rivaroxaban vs. warfarin in patients with non-valvular atrial fibrillation and coronary or peripheral artery disease.

Coleman CI, et al.

Eur Heart J Cardiovasc Pharmacother. 2019.

PMID: 31549153

【目的】

通常の診療で治療される冠動脈疾患(CAD)および/または末梢動脈疾患(PAD)を伴う非弁膜性心房細動(NVAF)患者におけるリバーロキサバンとワルファリンの有効性および安全性を評価するデータはほとんどない。

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ピロリ菌の除菌・ビタミン摂取・ニンニク摂取は、どれが効果的ですか?(factorial-RCT)

Effects of Helicobacter pylori treatment and vitamin and garlic supplementation on gastric cancer incidence and mortality: follow-up of a randomized intervention trial.

Randomized controlled trial

Li WQ, et al.

BMJ. 2019.

PMID: 31511230

【目的】

胃癌の予防におけるピロリ菌治療、ビタミン補給、ニンニク補給の効果を評価する。

【試験デザイン】

ブラインディングランダム化プラセボ対照試験。

【試験設定】

中国 山東省 臨朐県

【参加者】

胃癌の高リスク地域に居住する3,365人。

ピロリ菌に対する抗体陽性の2,258人の参加者は、2×2×2要因計画としてピロリ菌治療、ビタミン補給、ニンニク補給、またはのプラセボにランダムに割り当てられ、1,107人のピロリ菌血清陰性の参加者は2×2要因計画として、ビタミン補給、ニンニク補給、またはプラセボにランダムに割り当てられた。

【介入】

アモキシシリンとオメプラゾールによる2週間のピロリ菌治療。 ビタミン(C、E、およびセレン)およびニンニク(抽出物および油)を7.3年間(1995〜2003)補給。

【主要評価項目の測定】

主要なアウトカムは、2017年までの積極的な臨床フォローアップによって胃内視鏡検査で特定された胃癌の累積発生率、および死亡証明書と病院記録から確認された胃癌による死亡だった。

二次アウトカムは、がんや心血管疾患を含む他の特有の原因による死亡との関連だった。

【結果】

・1995年から2017年にかけて、胃癌の151症例と胃癌による死亡94例が確認された。

・胃癌の発生率に対するピロリ菌治療の保護効果は、介入後22年間持続した。

★オッズ比 =0.48, 95%信頼区間0.32〜0.71

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・胃癌の発生率は、ビタミンの補給で大幅に減少したが、ニンニク補給では減少しなかった。

★ビタミン補給:OR =0.64, 0.46〜0.91

★ニンニク補給:OR =0.81, 0.57〜1.13

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・3つの介入すべてで、胃がん死亡率の有意な低下が示された。

★ H. pylori治療の完全調整ハザード比 faHR =0.62(95%信頼区間 0.39〜0.99)

★ビタミン補給:faHR =0.48(0.31〜0.75)

★ニンニク補給:faHR =0.66(0.43〜1.00)

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・胃がん発生率と死亡率に対するピロリ菌治療の効果、および胃がんによ?死亡率に対するビタミン補給の効果は早期に現れたが、胃がん発生率に対するニンニク補給やビタミン補給の効果は後になって現れた。

・介入と他の癌または心血管疾患との間に統計的に有意な関連性は見つからなかった。

【結論】

2週間のピロリ菌治療と7年間のビタミンまたはニンニクサプリメントは、22年以上の胃癌による死亡リスクの統計的に有意な減少と関連していた。

ピロリ菌治療とビタミン補給も、胃癌の発生率を統計的に有意に減少させた。


【コメント】

アブストのみ。

1995年より以前から検討された大規模かつ長期的なランダム化比較試験。平均追跡期間7.3年に執念を感じました。さらに2017年まで追加で追跡しているところは脱帽です。

さて、結果としてはピロリ菌を除菌した方が良いという結果。またビタミン(C, E, セレン)摂取だけでも効果ありそうとのこと。

気になるところは、試験参加者と試験デザインですね。ここはもう少し読み込んでみます。

ただ何と言ってもピロリ菌感染ハイリスクとはいえ健常者を対象としているところが非常に価値がありますね。