梅毒を併発したHIV患者における高用量サワシリン®️+ベネシッド®️の効果はどのくらいですか?(後向き研究: Clin Infect Dis. 2015.)

High-dose oral amoxicillin plus probenecid is highly effective for syphilis in patients with HIV infection.

Tanizaki R, et al.

Clin Infect Dis. 2015.

PMID: 25829004

【背景】

筋肉内ベンザチンペニシリンG(BPG)は梅毒の治療に広く使用されている。ただし、一部の国ではBPGを使用できない。

本研究では、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)患者の梅毒治療における高用量経口アモキシシリンとプロベネシドの有効性と安全性を検討した。

【方法】

本レトロスペクティブ観察研究には、経口アモキシシリン3 gとプロベネシドで治療された286人のHIV感染男性梅毒患者(年齢中央値 36歳、CD4カウント中央値 389細胞/μL)が含まれた。

梅毒は、血清急速血漿レアギン(RPR)力価≥8および梅毒トレポネーマ血球凝集試験の両方によって診断された。

脳脊髄液検査で診断された神経梅毒患者は除外された。

治療の成功は、RPR力価の少なくとも4倍の減少として定義された。

【結果】

・全体的な治療効果は95.5%(95%信頼区間[CI] 92.4〜97.7%; 273/286患者)であり、一次、二次、早期潜伏期、後期潜伏期、および不明期間における梅毒に対する効力は次に示す通り;

★一次:93.8%(95%CI 68.1〜99.8%; 15/16)

★ニ次:97.3%(95%CI 92.9〜99.2%; 142/146)

★早期潜伏期:100%(95%CI 90.5〜100%; 37/37 )

★後期潜伏期:85.7%(95%CI 58.6〜96.4%; 18/21)

★不明期間:92.4%(95%CI 81.9〜97.3%; 61/66)

—-

・治療期間は、主に14〜16日(49.7%)または28〜30日(34.3%)で、各治療期間における有効性はそれぞれ94.4%(134/142)および95.9%(94/98)だった。

・治療に成功した患者の96.3%は、12ヶ月以内にRPR力価が4倍以上減少した。

・有害事象は28人(9.8%)の患者に認められ、そのうち25人(89.3%)が治療に成功した。 腰椎穿刺を受けた患者はわずか6%だった。

【結論】

経口アモキシシリン3 gとプロベネシドの併用は、HIV-1感染患者の梅毒治療に非常に効果的で耐容性があった。

【コメント】

アブストのみ。

サワシリン®️+ベネシッド®️(サワベネ?)処方を初めてみました。ベネシッド®️は様々なトランスポーターに影響を及ぼすため、なんとなく作用は理解していたつもりでした。

そもそも注射が使えない地域や施設のために考案された処方のようです。日本においてもペニシリンGの筋注は出来ないです。

プロベネシド併用によりアモキシシリンの血中濃度が安定するとのこと。

皮疹と味覚異常が気になるところですね。

侵襲性やコストを考えると内服でいけるなら内服が良いなと個人的には思います。

梅毒の経過は国立感染症研究所のホームページが分かりやすいです↓

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/mdr/392-encyclopedia/465-syphilis-info.html