駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者におけるフォシーガ®️の効果はどのくらいですか?(RCT; DAPA-HF; NEJM 2019)

Dapagliflozin in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction

  • McMurray JJV et al.

New Eng J Med 2019

September 19, 2019
DOI: 10.1056/NEJMoa1911303

Funded by AstraZeneca; DAPA-HF

ClinicalTrials.gov number, NCT03036124. opens in new tab.)

PMID: 未

【背景】

2型糖尿病の患者では、ナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤により、おそらくグルコース非依存性メカニズムにより、心不全の最初の入のリスクが低下する。

2型糖尿病の有無に関係なく、心不全が確定し駆出率が低下した患者におけるSGLT2阻害剤の効果に関して、より多くのデータが必要である。

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症候性心血管疾患を有さない患者における低用量アスピリンは頭蓋内出血を増やしますか?(SR&MA; JAMA Neurol. 2019)

Frequency of Intracranial Hemorrhage With Low-Dose Aspirin in Individuals Without Symptomatic Cardiovascular Disease: A Systematic Review and Meta-analysis.

Huang WY, et al.

JAMA Neurol. 2019.

PMID: 31081871

【研究の重要性】

心血管イベント一次予防のための低用量アスピリンの使用は、出血リスクの増加が全体的な利益を相殺する可能性があるため、議論の余地がある。

主要な出血イベントの中で、頭蓋内出血は高い死亡率と機能的依存に関連している。

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高齢者での降圧は積極的にした方が良いですか?(前向きコホート研究; SHADES; Age Ageing. 2016)

Blood pressure and all-cause mortality: a prospective study of nursing home residents.

Rådholm K, et al.

Age Ageing. 2016.

PMID: 27496923

【目的】

血圧の自然な経過と、養護施設コホートにおける死亡率との関係を調査する。

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高齢者へのPPI阻害薬の医療的価値はどのくらいですか?(人口ベース コホート研究; J Am Geriatr Soc. 2019)

Low-Value Proton Pump Inhibitor Prescriptions Among Older Adults at a Large Academic Health System.

Mafi JN, et al.

J Am Geriatr Soc. 2019.

PMID: 31486549

【背景】

高齢者では、プロトンポンプ阻害剤(PPI)薬に関連する合併症に対して特に脆弱である。品質改善(quality improvement, QI)介入を情報提供するために、高齢者における潜在的に価値の低いPPI処方の有病率を特徴付けようと試みた。

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【費用対効果・フォーミュラリー】切除不能な肝細胞がんに対してレンビマ®️とネクサバール®️どちらが優れていますか?(費用対効果; J Gastroenterol. 2019)

Cost-effectiveness analysis of lenvatinib treatment for patients with unresectable hepatocellular carcinoma (uHCC) compared with sorafenib in Japan.

Kobayashi M, et al.
J Gastroenterol. 2019.
PMID: 30788569

【背景】

レンバチニブは、切除不能な肝細胞がん(unresectable hepatocellular carcinoma, uHCC)の第一選択治療であるソラフェニブに対する非劣性の統計的検証により、全生存に対する治療効果を示した。 本研究の目的は、日本のuHCC患者に対するソラフェニブと比較したレンバチニブの費用対効果を評価することだった。

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アルダクトン®️使用による高カリウム血症リスクはどのくらいですか?(人口ベース コホート研究; NEJM 2004)

Rates of hyperkalemia after publication of the Randomized Aldactone Evaluation Study.

Juurlink DN, et al.
N Engl J Med. 2004.

PMID: 15295047

【背景】

ランダム化アルダクトン評価研究(RALES)は、スピロノラクトンが重症心不全患者の転帰を大幅に改善することを実証した。 これらの患者では、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の使用も指示されている。 ただし、これらの薬物を併用すると、生命を脅かす高カリウム血症が発生する可能性がある。

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ラーメン店の数と脳卒中による死亡は相関する?(日本の地域相関研究; Nutrition Journal 2019)

Ramen restaurant prevalence is associated with stroke mortality in Japan: an ecological study

Matsuzono K et al.

Nutrition Journal volume 18, Article number: 53 (2019) 

PMID: 未

【背景】

脳卒中と栄養の関係は最近調査された。しかし、日本での食事と脳卒中の関係は明らかにされていない。本研究では、ラーメンの消費と脳卒中死亡率との間に関連があると仮定した。したがって、我々は日本の都道府県におけるラーメン店の流行と脳卒中死亡率との関連を調査した。

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非小細胞肺癌に対するタキソール®️ vs. パラプラチン®️の有効性と安全性はどのくらいですか?(メタ解析; Lung Cancer 2019)

Efficacy and safety of first-line carboplatin-versus cisplatin-based chemotherapy for non-small cell lung cancer: A meta-analysis.

Griesinger F, et al.
Lung Cancer. 2019.
PMID: 31446995

【目的】

プラチナベースの化学療法は、進行非小細胞癌(Non-Small Cell Lung Cancer, NSCLC)の第一選択(First Line, 1L)療法の主力である。

本研究の目的は、1L NSCLCにおけるカルボプラチンベースの化学療法とシスプラチンベースの化学療法の相対的な有効性、安全性、および健康関連の生活の質(health-related quality of life, HRQoL)を評価することだった。

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黒猫バイアスが高い人は迷信を抱きやすい?(Psychol Rep. 2019)

Black Cat Bias: Prevalence and Predictors.

Jones HD, et al.

Psychol Rep. 2019.

PMID: 31033416

黒い猫の偏り、黒い毛の猫(Felis silvestris catus)がネガティブに見られ、頻繁に採用され、明るい色の猫よりも頻繁に安楽死する現象の逸話的および経験的証拠がある。

逸話的な主張にもかかわらず、黒猫バイアスの経験的証拠はほとんど存在しない。

本研究では、猫の写真評価を使用して、さまざまな色の黒猫と非黒猫に対する人々の態度の違いを、知覚された攻撃性、知覚された親しみやすさ、採用意欲の尺度について調べた。

また、参加者の宗教、迷信的信念、および偏見的な人種的態度のレベルが黒猫バイアスに関連しているかどうかを調査した。

最後に、黒猫への偏見が、黒猫と非黒猫の感情を読む際の感情理解の困難に関係しているかどうかを調査した。

本研究は、サンプルに黒猫バイアスの証拠を提供した。 黒猫の偏見の度合いが高い人は迷信のレベルが高かったが、宗教性や人種的偏見はなかった。

さらに、黒猫の感情を読むことが困難な人は、黒猫を採用することに対してより強い偏見を示す傾向があった。


【コメント】

アブストのみ。

わたしは猫の中でも黒猫が好きで、以前から黒ねこを不吉とする傾向に疑問を抱いていた。

根拠となる資料を探してみたが、特にイタリアでくろネコを排他的に扱っていた時代があったこと以外は、なかなか根拠が見つからなかった(これも伝承や風習的な要素が強く、なぜ忌避されていたのかは不明)。

最近になり、2019年に発表された本論文をみつけられたため読んでみた。

有料であるため詳細は不明だが、やはり黒ネコ = 不吉とする根拠は乏しいようだ。

ただ本研究結果から、クロネコを不吉とする傾向にある人の特徴は、迷信を抱きやすく、猫(特にくろねこ)の感情を察することに乏しい傾向が認められた。

宗教観や人種的差別の影響はないことも明らかとなったが、当然といえば当然か。

個人的に、クロ猫には美人が多いと思う、、、これも黒猫バイアスかも。

進行性メラノーマにおけるキイトルーダ®️ vs. ヤーボイ®️(Open-RCTの後付け解析; KEYNOTE-006; Lancet Oncol. 2019)

Pembrolizumab versus ipilimumab in advanced melanoma (KEYNOTE-006): post-hoc 5-year results from an open-label, multicentre, randomised, controlled, phase 3 study.

Lancet Oncol. 2019 Jul 22. pii: S1470-2045(19)30388-2.

doi: 10.1016/S1470-2045(19)30388-2. [Epub ahead of print]

PMID: 31345627

Funding: Merck Sharp & Dohme.

ClinicalTrials.gov, number NCT01866319.

【背景】

ペンブロリズマブは、進行メラノーマ(悪性黒色腫)患者において、イピリムマブと比較して無増悪生存期間(progression-free survival. PFS)および全生存期間(overall survival, OS)を改善し、現在では第一選択の標準治療となっている。ただし、抗PD-1投与の最適な期間は不明である。 KEYNOTE-006で実施した5年間の追跡調査結果を提示する。


【方法】

KEYNOTE-006は、16か国における87の学術機関、病院、がんセンターで実施された、オープンラベル多施設ランダム化対照第3相試験だった。

組み入れは、18歳以上、Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータスが0または1、BRIFV600ステータスが既知のイピリムマブ未投与から過去1回までの全身療法を受け、組織学的に確認された進行メラノーマ患者が対象だった。患者はランダムに以下の3群に割りつけられた(1:1:1)。

①ペンブロリズマブ 10 mg/kg(静脈内投与、2週間毎)

②ペンブロリズマブ 10 mg/kg(静脈内投与、3週間毎)

③イピリムマブ 3 mg/kg(静脈内投与、3週間毎に4回)

治療は、中央コンピューター生成の割り当てスケジュールを使用して割り当てられた。層内のランダムブロック化が用いられた。

2つのペムブロリズマブ投与レジメングループのデータの探索的組み合わせは、プロトコルで指定されていない。

ペンブロリズマブ治療は最大24ヶ月間継続した。ペムブロリズマブを少なくとも24ヶ月受けた後に安定した場合、ペムブロリズマブを中止するか、少なくとも6ヶ月ペンブロリズマブを服用して完全に反応を止めてから進行した適格患者は、さらに17サイクルのペンブロリズマブを受け取ることができた。

主要評価項目は、全生存期間と無増悪生存期間だった。ランダムに割り当てられたすべての患者の有効性を分析し、少なくとも1回の治療を受け、かつランダムに割り当てられたすべての患者の安全性を分析した。

5年間の追跡調査における有効性と安全性の探索的評価は、プロトコルで指定されていない。本分析のデータカットオフは2018年12月3日だった。

試験募集は締め切られているが、研究は進行中である。

【調査結果】

・2013年9月18日から2014年3月3日までに、834人の患者が登録され、ペンブロリズマブ(2週間毎n =279、3週間毎n =277)、またはイピリムマブ(n =278)をランダムに割り当てられた。

・生存患者の追跡期間中央値は57.7ヶ月(IQR 56.7〜59.2)だった。ペムブロリズマブ併用群の全生存期間中央値は32.7ヶ月(95%CI 24.5〜41.6)、一方イピリムマブ群では15.9ヶ月(13.3〜22.0)だった。

★ハザード比[HR] =0.73, 95%CI 0.61〜0.88, p =0.00049

・無増悪生存期間の中央値は、ペムブロリズマブ併用群で8.4ヶ月(95%CI 6.6〜11.3) vs. イピリムマブ群で3.4カ月(2.9〜4.2)だった。

★HR =0.57, 95%CI 0.48〜0.67, p <0.0001

・グレード3〜4の治療関連有害事象は、ペムブロリズマブ併用群555人のうち96人(17%)、イピリムマブ群256人のうち50人(20%)で発生した。

・これらのイベントの中で最も一般的なのは、大腸炎(11 [2%] vs. 16 [6%])、下痢(10 [2%]vs. 7 [3%])、および疲労(4 [<1%] vs. 3 [1] %])。

・ペムブロリズマブ併用群の75人(14%)およびイピリムマブ群の45人(18%)で、あらゆるグレードの重篤な治療関連有害事象が発生した。

・ペムブロリズマブに割り当てられた1人の患者は、治療に関連した敗血症で死亡した。

【解釈】

5年間の追跡調査の結果、ペンブロリズマブはイピリムマブを上回る優位性を示し続けた。これらの結果は、進行性メラノーマ患者におけるペンブロリズマブ使用に対するさらなるサポートを提供する。


【コメント】

アブストのみ。

ヤーボイ®️(抗CTLA-4抗体)よりもキイトルーダ®️(抗PD-1抗体)の方がPFSおよびOSともに優れていた。

仮に60kgの成人に使用したとすると、ヤーボイ®️3mg/kg(485,342円/50mg/10mL)は、4回の治療で698,892.48円、キイトルーダ®️10mg/kg(75,100円/20mg/0.8mL、364,600円/100mg/4mL)も仮に4回治療した場合では2,187,600円、7ヶ月の延命に見合う治療選択肢なのだろうか。治療費ケタ違いすぎる。

悪性黒色腫(メラノーマ)とは、皮膚がんの一つで表皮の基底層に分布しているメラノサイトあるいは母斑細胞が悪性化した腫瘍と考えられている。

メラノーマのABCDEルールhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15585738/

  • A:Asymmetry 
    形が左右非対称性である
  • B:Border of irregularities 
    辺縁がギザギザして不整である。色のにじみ出しがある
  • C:Color variegation 
    色調が均一でない。色むらがある
  • D:Diameter greater than 6mm 
    長径が6mm以上である
  • E:Enlargement or evolution of color change, shape, or symptoms 
    大きさの拡大、色や形、症状の変化