DOACsとワルファリンはどちらが優れていますか?(イギリス人口ベースのコホート研究; BMJ 2018)

【私的背景】

イグザレルト®️(リバーロキサバン)を検討したPIONEER-AFやROCKET-AF等の過去の臨床試験結果において、ワーファリン®️(ワルファリン)と比べて、より新しい抗凝固薬であるDirect Oral AntiCoagulants(DOACs)の有益性が示唆されている。

だがいずれの試験も対照薬であるワルファリンに不利となるような因子がある。例えばPIONEER-AFでは患者背景にバラツキがあり、ワルファリン群に不利となる条件だった。またROCKET-AFでは、プロトロンビン時間国際標準比(Prothrombin Time-International Normalized Ratio, PT-INR)を測定する機器(Point-Of-Care Warfarin Monitoring)にリコールがあった。

しかしリコールと非リコールでのサブグループ解析でも結果は同じ、つまり問題はないとされた(https://www.bmj.com/content/362/bmj.k2505?hootPostID=4d765f3ab1f9ae27fd05a9962c75bbe7 ; https://www.bmj.com/content/363/bmj.k4413)。

個人的にはサブグループ解析はあくまで仮説生成であり,結果に差があろうとなかろうと情報の信頼度は低いと考えている.本当にDOACsはワルファリンよりも優れていると結論付けて良いのか?この部分を明らかにしていくために本コホート研究を読んでみた。

ちなみにイグザレルト®️はバイエル薬品から発売されている。バイエル薬品といえば、過去に個人情報のコンプライアンス違反副作用についての虚偽報告をした件があり、厚生労働省から改善指導がなされている(https://mainichi.jp/articles/20170715/k00/00m/040/106000c.amp ; https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000179072.html)。

 


Risks and benefits of direct oral anticoagulants versus warfarin in a real world setting: cohort study in primary care.

Vinogradova Y et al.
BMJ. 2018 Jul 4;362:k2505.
doi: 10.1136/bmj.k2505.
PMID: 29973392
 

【試験の目的】

 直接経口抗凝固薬(DOAC)と出血のリスク、虚血性脳卒中、静脈血栓塞栓症との関連性を調査すること、そしてすべてがワルファリンと比較して死亡率を引き起こすこと。

【試験デザイン】

 前向きオープンコホート研究

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