Smoking and Influenza-associated Morbidity and Mortality: A Systematic Review and Meta-analysis.
【背景】
喫煙は多くの呼吸器疾患の危険因子として認識されてるが、インフルエンザ関連の罹患率と死亡率の影響は物議を醸している。
インフルエンザ関連の入院、集中治療室(ICU)の入院、および死亡に対する喫煙の影響を評価するために、系統的レビューおよびメタアナリシスを実施した。
【方法】
2000年1月1日から2017年11月30日までの間に発表されたすべての観察研究について、PubMed、CINAHL、EMBASE、およびChina National Knowledge Infrastructureのデータベースを検索した。 死亡についてランダム効果モデルを使用してデータをプールした。
【結果】
・最初の検索で7,495件の論文が検索され、そのうち20件の研究が系統的レビューに含まれ、12件の研究(8件の症例対照研究、2件のコホート研究、および2件の横断研究)がメタアナリシスに含まれた。
・選択された研究の全体的な質は中程度だった。
・インフルエンザ感染後は、一度も喫煙経験のない群と比べて、より喫煙頻度の高い現喫煙者の方が入院(オッズ比[OR] =1.5, 95%信頼区間[CI] =1.3〜1.7)、ICU入院のオッズ(OR =2.2, 95%CI =1.4〜3.4) が高かった。
・喫煙経験のある(現在は喫煙していない)群とインフルエンザに関連した死亡との間に関連は見られなかった。
・受動喫煙とインフルエンザに関連した入院との間に正の関連性を見いだしたが、それは15歳未満の子供に限られていた。
【結論】
文献によると、喫煙はインフルエンザ感染後の入院リスクが高いことと一貫して関連していたが、ICUの入院および死亡の結果は研究数が限られているため決定的ではなかった。
というのも日本ではなかなか禁煙が進まず、政府ですら分煙という策でお茶を濁してきた状態です。これについては2016年に世界保健機構(World Health Organization, WHO)からも苦言を呈されています。しかも名指し💦
https://www.j-cast.com/2016/10/15280794.html?p=all
それを受けてからなのか、東京五輪を見据えてなのか、2018年に受動喫煙対策を強化する改正健康増進法の成立がなされました(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html)。
そこで厚生労働省は、まず学校や病院、行政機関の庁舎等について、2019年7月1日から屋内完全禁煙にすることとしました。
さて今回、紹介するのは喫煙および受動喫煙によりインフルエンザ罹患やインフルエンザによる死亡、インフルエンザによる入院リスクについて検討した研究です。
結果としては、現喫煙者の方が、喫煙経験のない患者や喫煙経験者に比べて入院リスクが高かったとのこと。本研究は観察研究の統合結果であるため、因果関係までを論じることはできませんが、どうやらリスク増加の傾向はありそうです。
また本研究の最大の限界点は、禁煙すればインフルエンザ関連による入院を防げるのか否かはわからない、ということです。
ただ受動喫煙により、15歳未満の子供でインフルエンザによる入院リスクが増加していた点については、子を持つ親としては気になるところ。
ここまで長々と書いてきましたが、言いたいことは2つです。
「子供と同じ屋内空間での喫煙は避けましょう」
「たばこの吸殻はポイ捨てしないで持ち帰ろう」
私個人はといえば、煙草を吸うこと自体は個人の自由なので善し悪しの判断はできないなと考えています。
しかし、それでも他者に害を及ぼすことは避けたいなってなわけで一念発起して数年前に禁煙しました🚭やってみると意外と簡単にできますよ♪
そして煙草代に使っていたお金で焼肉を喰らい体重が増えましたとさ。
めでたしめでたし?