虚血性脳卒中あるいは一過性脳虚血発作に対するバイアスピリン®️とプラビックス®️の併用期間はどのくらいが最適ですか?(SR&MA: Stroke 2019)

Optimal Duration of Aspirin Plus Clopidogrel After Ischemic Stroke or Transient Ischemic Attack

A Systematic Review and Meta-Analysis
Rahman H et al.
Stroke 2019
Originally published

【試験背景と目的】
急性虚血性脳卒中または一過性虚血発作(TIA)を呈する患者におけるアスピリン単独療法と比較し、アスピリンとクロピドグレル併用療法の役割は依然として不明である。アスピリン単独療法と比較したアスピリン+クロピドグレル併用療法の有効性および安全性の最適期間を決定するために本研究を実施した。

【方法】
急性虚血性脳卒中またはTIAの患者を対象に、アスピリン+クロピドグレルとアスピリン単剤療法とを比較した。

MEDLINE、EMBASE、およびCochrane Central of Controlled Trials(CENTRAL)を用いて10件のランダム化比較試験(15,434人)を選択した。

主要な有効性のアウトカムは再発性虚血性脳卒中であり、主な安全性の結果は大出血でした。副次的アウトカムは、主要な有害心血管イベント(脳卒中、心筋梗塞、心血管死亡の複合)および全死亡だった。

短期(≦1ヶ月)、中期(≦3ヶ月)、および長期(> 3ヶ月)のアスピリン+クロピドグレル併用療法に基づいて分析を層別化した。治療による影響は95%信頼区間(CI)で相対リスク(Relative Risk, RR)として推定された。

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閉経後骨粗鬆症の女性における新薬イベニティ®️の効果はどのくらいですか?②(FRAME study, NEJM 2016)

Romosozumab Treatment in Postmenopausal Women with Osteoporosis.

Randomized controlled trial

Cosman F, et al.
N Engl J Med. 2016.
PMID: 27641143

背景

スクレロスチンに結合するモノクローナル抗体であるロモソズマブは骨形成を増加させ、骨吸収を減少させる。

方法

股関節または大腿骨頸部全体でTスコアが -2.5〜-3.5の7,180人の閉経後女性を登録した。

患者はランダムにロモソズマブの皮下注射210 mgまたはプラセボの投与を12ヶ月間毎月受けるように割り当てられた。

その後、各群6ヶ月毎にデノスマブ60mg皮下投与を12ヶ月間受けた。

副次評価項目は、12ヵ月および24ヵ月における新たな椎骨骨折の累積発生率であった。副次的評価項目には、臨床的(非脊椎骨と症候性脊椎の複合)および非脊椎骨折が含まれた。

結果

試験開始後12ヶ月の時点において、プラセボ群では3,322人中59人(1.8%)に新たな脊椎骨折が発生した。一方、ロモソズマブ群では3,321人中16人(0.5%)に発生した(ロモソズマブによりリスクは73%低下した。P <0.001)。

臨床的骨折については、プラセボ群で3,591人中90人(2.5%)、ロモソズマブ群で3,589人中58人(1.6%)に発生していた(ロモソズマブにより36%リスク低下; P =0.008)。

非脊椎骨折は、ロモゾズマブ群で3,589人中56人(1.6%)およびプラセボ群で3,591人中75人(2.1%)に発生していた(P =0.10)。

24ヵ月時点で、各群がデノスマブに移行した後、ロモソズマブ→デノスマブ群の方がプラセボ→デノスマブ群よりも椎骨骨折の発生率が有意に低かった(ロモソズマブ群 0.6%[21人 /3,215人] vs 2.5%[84人 /3,327人], ロモソズマブ使用により75%リスクが低下; P <0.001)。

骨粗鬆症、心血管イベント、変形性関節症、および癌などの有害事象は、グループ間でバランスが取れていた(差は認められなかった)。

ロモソズマブ群では非定型大腿骨骨折1例と顎骨壊死2例が観察された。

結論

閉経後の骨粗鬆症女性では、ロモソズマブは12ヵ月時点でプラセボより、そしてデノスマブへ移行した後24ヵ月時点で椎骨骨折リスクが低かった。

ロモソズマブで見られた臨床的骨折リスク低下は1年後に明らかになった。


コメント

アブストのみ。ARCH試験よりも前に発表されたFRAME試験。こちらの試験ではARCH試験で懸念材料となった心血管イベント増加リスクは認められなかったようです。

ビスホスホネートへの切り替えに問題があるのか、はたまた誤差か、続報を待ちたいです。

スタチン治療中のアテローム性心血管疾患患者におけるLDLコレステロールと心血管イベントおよび死亡との関連性(; Am J Cardiol 2019)

Relation of Cardiovascular Events and Deaths to Low-Density Lipoprotein Cholesterol Level Among Statin-Treated Patients with Atherosclerotic Cardiovascular Disease

Chamberlain MA et al.

Am J Cardiol 2019

Published Online: March 08, 2019

フランスの中年層における超加工食品摂取と死亡リスクの関係はどのくらいですか?(JAMA Intern Med. 2019.)

Association Between Ultraprocessed Food Consumption and Risk of Mortality Among Middle-aged Adults in France.

Schnabel L, et al.
JAMA Intern Med. 2019.

PMID: 30742202

試験の重要性

超加工食品の摂取量が多いほど、非感染性疾患の発生率が高いことを示す証拠が増えている。しかし今日まで、超加工食品の消費と死亡リスクとの関連を報告した研究は限定的である。

試験の目的

超加工食品の消費と全死因死亡リスクとの関連性を評価すること。

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CKD合併の2型糖尿病におけるSGLT2阻害薬の効果はどのくらいですか?(SR&MA: Diabetes Obes Metab. 2019.)

Effect of SGLT2 inhibitors on cardiovascular, renal and safety outcomes in patients with type 2 diabetes mellitus and chronic kidney disease: A systematic review and meta-analysis.

Toyama T, et al.
Diabetes Obes Metab. 2019.
PMID: 30697905

目的

2型糖尿病(T2DM)および慢性腎臓病(CKD)患者におけるナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の使用は、主に血糖降下作用(薬剤の有効性)が腎機能に依存するために制限されてきた。

T2DMおよびCKD患者(推定糸球体濾過量(eGFR)<60 mL / min / 1.73 m2と定義)におけるSGLT2阻害剤の有効性および安全性を評価するために系統的レビューおよびメタアナリシスを行った。

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【AMR対策】高齢者の尿路感染症には抗菌薬を使用した方が良いですか?(人口ベース後向きコホート研究:BMJ 2019)

Antibiotic management of urinary tract infection in elderly patients in primary care and its association with bloodstream infections and all cause mortality: population based cohort study.

Gharbi M, et al.
BMJ. 2019.

PMID: 30814048

目的

プライマリケアの高齢患者における尿路感染症(UTI)の抗生物質治療と重篤な有害アウトカムとの関連を評価すること。

試験デザイン

集団ベースの後向きコホート研究。

試験設定

臨床実習研究データリンク(2007-15)のプライマリエピソードの記録は、病院のエピソード統計とイギリスの死亡記録にリンクしている。これらのデータベースを利用した。

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新薬イベニティ®️は骨粗鬆症女性の骨折を防げますか?(ARCH trial, NEJM 2017)

Romosozumab or Alendronate for Fracture Prevention in Women with Osteoporosis.

Randomized controlled trial

Saag KG, et al.
N Engl J Med. 2017.
PMID: 28892457

Funded by Amgen and others; ARCH ClinicalTrials.gov number, NCT01631214 .

背景

ロモソズマブはスクレロスチンに結合してスクレロスチンを阻害し、骨形成を増加させ、骨吸収を減少させるモノクローナル抗体である。

方法

骨粗鬆症と脆弱性骨折の閉経後女性4,093人を登録し、1:1の割合でランダムに割り当てて、ロムソズマブ皮下注射(210mg)を毎月または経口アレンドロネート(70mg)を毎週,12ヶ月間にわたり盲検法で投与した。

その後は両群とも非盲検でアレンドロネートを12ヶ月間投与した。

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せん妄リスクとなる薬剤はなんですか?(Age Ageing. 2011.)

Which medications to avoid in people at risk of delirium: a systematic review.

Review article

Clegg A, et al. M
Age Ageing. 2011.

PMID: 21068014

背景

せん妄は一般的な臨床上の問題であり、健康への悪影響と関連している。多くの薬がせん妄の発症と関連しているが、関連性の強さは不確実であり、せん妄の危険性がある人々でどの薬を避けるべきかは不明である。

方法

本研究では、薬物療法とせん妄リスクとの関連を調査する前向き研究を特定するために系統的レビューを実施した。感度分析は、個々の薬剤とせん妄リスクのエビデンスヒエラルキーを構築するために行われた。

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ザイロリック®️の用法はなぜ1日2〜3回なのか?(JAMA. 1975)

Allopurinol and gouty hyperuricemia. Efficacy of a single daily dose.

Rodnan GP et al.

JAMA. 1975 Mar 17;231(11):1143-7.

PMID: 1172813

抄録

高尿酸血症および痛風患者20人を対象とした非盲検クロスオーバー試験で、アロプリノール錠300mgを1日1回投与した場合の効果を、分割投与(1日3回100mg)の効果と比較した。

両治療ともに血清尿酸レベルの迅速な低下が認められた。分散分析では、アロプリノールの2つの投与様式の間に有意差がないことを示した。オキシプリノールの最小血清レベルにも有意差はなかった。

本短期間の研究に基づくと、300mg/日のアロプリノール錠を使用することは、痛風高尿酸血症患者の血清尿酸値を低下させる有効な手段であると思われ、分割投与の方が単回投与の結果と比較して有利だった。


コメント

アブストのみ。

私の周りにおいては、尿酸値6ぐらいで安定している患者さんはアロプリノール錠100mgを1日1回服用していることが多いです。

ふと用法を確認したところ通常は2〜3回服用とのこと。本来、用法の変更については、適応の項に記載のある “年齢、症状により適宜増減する” の範疇ではないのですが、レセプトで切られたものは見たことがありません。なぜなのかな?と思い検索。

ザイロリック®️添付文書より引用

この用法に対し疑問に思った理由の一つにT1/2があります。

ザイロリック®️添付文書より引用

“未変化体であるアロプリノールは、約2.1時間後に最高血中濃度が平均1.48μg/mLに達し、半減期は約1.6時間であった。”
“一方、主代謝物であるオキシプリノールは、約4.6時間後に最高血中濃度が平均4.10μg/mLに達し、半減期は約17.1時間であった。”

以上のデータをRitschel理論で計算すると、主(活性)代謝物であるオキシプリノールについては1日1回投与でも問題ないことがわかります(リッチェル理論についてはこちら↓)。ちなみにイギリスでの承認用量・用法は “アロプリノール錠300mgを1日1回食後に投与” です。

冒頭の論文に戻りますが、尿酸値低下作用については、単回と分割投与で差が認められませんでした。しかし1日中安定して尿酸低下作用を維持できるのは分割投与とのこと。これは推測にすぎませんが、未変化体アロプリノールおよびオキシプリノールの血中濃度をより高知で維持できるためだと考えられます(当たり前と言われれば当たり前のことですよね)。ちなみに尿酸生成経路については以下の通り。

   プリン体→ヒポキサンチン→キサンチン→尿酸結晶

薬理作用の確認しますと、キサンチンオキシダーゼは、ヒポキサンチンからキサンチン、キサンチンから尿酸への生成に関わる酵素です。アロプリノールおよびオキシプリノールは、このキサンチンオキシダーゼを阻害するため、尿酸生成阻害薬に分類されます。

さて、ザイロリック®︎錠の服用回数2〜3回についてですが、販売元に確認してみたところ “承認された時期がだいぶ前であるため詳細は不明” とのこと。1970年代ですものね。承認申請時の資料も見てみましたが、黒塗りの情報が多く、確固たる情報は得られませんでした。冒頭の論文結果が一因になる可能性は高いのかなとも思っています。

またアロプリノールで問題となるのが皮膚への副作用ですが、日本人においては、他の人種に比べHLA-B* 5810保有者は少なそう(あくまで少なそうです)。

ザイロリック®️添付文書より引用

低ナトリウム血症入院患者における入院前利尿薬使用と死亡率(傾向スコアマッチングコホート研究,Am J Ther. 2019)

Preadmission Diuretic Use and Mortality in Patients Hospitalized With Hyponatremia: A Propensity Score-Matched Cohort Study.

Holland-Bill L, et al.
Am J Ther. 2019 Jan/Feb.

PMID: 28005557

背景

低ナトリウム血症は死亡率の増加と関連しており、利尿薬の使用によってしばしば引き起こされる。低ナトリウム血症患者において利尿薬の使用が死亡リスクと関連しているかどうかは不明である。

臨床疑問

低ナトリウム血症で入院した患者の30日死亡率に対する利尿薬使用の予後的影響を測定すること。

“低ナトリウム血症入院患者における入院前利尿薬使用と死亡率(傾向スコアマッチングコホート研究,Am J Ther. 2019)” の続きを読む