出血性脳卒中後の降圧薬はしっかり飲んだ方が良いですか?(Hypertension 2018)

Effect of Adherence to Antihypertensive Medication on the Long-Term Outcome After Hemorrhagic Stroke in Korea

Kim et al.

Hypertension 2018

PMID: 未

研究の背景

高血圧症は、出血性脳卒中の最も重要な単一の危険因子であり、世界的に死亡率および障害の主要な原因である。降圧薬の服薬アドヒアランスは、厳密な血圧管理を達成するために不可欠だが、服薬アドヒアランス不良は臨床診療において一般的である。

試験の目的

急性出血性脳卒中患者における降圧薬の服薬アドヒアランスおよび長期的なアウトカムへの影響を評価した。本研究は韓国全土の健康保険請求データベースに基づく後向きコホート研究である。

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仮面高血圧症のリスクはどのくらいですか?(JAMA Cardiol. 2018)

Association of Cardiovascular Outcomes With Masked Hypertension Defined by Home Blood Pressure Monitoring in a Japanese General Practice Population.

Fujiwara T et al.

JAMA Cardiol. 2018 May 23. doi: 10.1001/jamacardio.2018.1233.

PMID: 29800067

試験の重要性

臨床現場での家庭血圧モニタリング(home blood pressure monitoring: HBPM)によって定義された仮面高血圧症に関連する臨床転帰は依然として不明である。

試験の目的

日本人一般集団における仮面高血圧症と心血管疾患イベントとの関連性を評価する

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2型糖尿病患者の降圧療法においてアンギオテンシン-アルドステロン ブロッカーへの追加薬は何が良いですか?(CJASN 2018)

Add-On Antihypertensive Medications to Angiotensin-Aldosterone System Blockers in Diabetes. A Comparative Effectiveness Study

Schroeder EB et al.

The Clinical Journal of the American Society of Nephrology 2018

PMID: 未

背景と目的

糖尿病患者の重大な腎臓イベントのリスクについて、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE-I)またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)への(他クラスの)降圧薬追加による有効性の比較は依然として不明である。

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【フォーミュラリー実践のために】高血圧患者における ACE阻害薬と ARBはどちらが優れてますか?(Eur J Prev Cardiol. 2017)

Angiotensin-converting enzyme inhibitors reduce mortality compared to angiotensin receptor blockers: Systematic review and meta-analysis.

Salvador GL et al.
Eur J Prev Cardiol. 2017 Dec;24(18):1914-1924.
PMID: 28862020

試験の背景

高血圧集団におけるアンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE-I)またはアンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)長期使用の結果を比較するレビューはほとんどありません。それは両方とも同様に血圧低下作用があるためです。
高血圧患者における AC-Iまたは ARBとプラセボ群とを比較した研究はなかった。なぜなら前述の比較デザインを検証した研究が殆どないからです。

方法

2000年1月1日〜2015年12月31日まで PUBMED、LILACS、SCIELO、ICTRP、Cochrane、EMBASEおよび ClinicalTrials.govを系統的に検索し、ACE-Iまたは ARB使用と心血管アウトカムとの関係について検討した前向き研究を選択した。
心血管アウトカムは次の通り:①心不全/入院、②脳卒中、③急性心筋梗塞、④全心臓血管死、⑤全死亡および⑥全アウトカム。
集団オッズ比(ORs)と 95%信頼区間(CIs)を固定効果モデルを用いて組み合わせた。

結果

17試験(n = 73,761)には ACE-I(n =12,170)の 5試験と ARB(n =24,697)の 12試験が含まれていた。
ACE-I使用は、全死亡(OR =0.85, 95%CI 0.78〜0.93)および心血管死(OR =0.77, 95%CI 0.69〜0.87)を有意に減少させた。
ARB使用は、全死亡(OR =1.02, 95%CI 0.96〜1.09)または心血管死(OR =0.95, 95%CI 0.86〜1.06)を減少させなかった。
急性心筋梗塞脳卒中心不全/入院については、両クラスともに有意な減少を示した。

結論

ACE-Iまたは ARBの使用は、急性心筋梗塞、脳卒中および心不全/入院に関する主要な心血管アウトカム予防において同様であった。しかし、ACE-Iの使用は、ARBよりも総死亡および心血管死を低減する上でより有効であった。

キーワードMeta-analysis; angiotensin II receptor blocker; angiotensin-converting enzyme inhibitor; hypertension; outcomes


コメント

アブストのみ。網羅的に論文検索を行っていることがわかる。またアウトカムはほぼハード。統合された論文数は 17と多い。
本結果は過去の報告と矛盾しない。ARBよりも ACE-Iの方が優れていそう。
コストも踏まえれば、まずは ACE-Iで充分ではないでしょうか。
大体のことに言えるかもしれませんが、「新しかろう, 良かろう」からは、そろそろ決別したほうが良いと思う。

-Evidence never tells you what to do-




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【CQ受け取りましたシリーズ】ハイリスク高血圧患者における血圧コントロールのファースト・ラインは利尿剤?(ALLHAT trial; JAMA 2002; Free)

Major Outcomes in High-Risk Hypertensive Patients Randomized to Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor or Calcium Channel Blocker vs DiureticThe Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT)

The ALLHAT officers and coordinators for the ALLHAT collaborative Research Group.

JAMA. 2002 Dec 18;288(23):2981-97.

PMID: 12479763

財務開示Financial Disclosures

→本文 pp.2994参照

私的背景

高血圧ガイドライン2014では Ca拮抗薬、ACE-I/ARB、利尿薬での治療開始が推奨されている。一方、2009年には α遮断薬、2014年には β遮断薬が高血圧ガイドラインの推奨から外された。そのきっかけとなったのが ALLHAT trialおよび LIFE trialである。

SNSで質問をいただいたので ALLHAT trialを改めて読んでみた。質問内容は以下 5点。

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高齢高血圧患者における重度転倒外傷リスク、フレイル、降圧薬ポリファーマシー、血圧(Hypertension 2017; Charge)

Blood Pressure, Antihypertensive Polypharmacy, Frailty, and Risk for Serious Fall Injuries Among Older Treated Adults With Hypertension

Bromfield SG et al.

PMID: 28652459

 

目的

降圧薬および収縮期血圧および拡張期血圧の低値は、いくつかの研究において転倒リスク増加と関連している。高齢者の多くは脆弱性frailityの指標を有しており、転倒リスクを増加させる可能性がある。

方法

5236 REGARDS試験(Reasons for Geographic and Racial Difference in Stroke)に参加した患者において、降圧薬を服用している 65歳以上の参加者のうち、メディケアのサービス利用料金のベースラインを基に収縮期血圧、拡張期血圧、降圧薬(クラス)の服用数、重度転倒外傷リスク指標を比較した。

 収縮期血圧および拡張期血圧を測定し、降圧薬を試験訪問中の薬剤ボトルのレビュー(コンプライアンス)により評価した。脆弱性の指標には、低体格指数、認知障害、うつ症状、疲弊度、運動障害、および転倒歴が含まれていた。深刻な転倒障害は 2014年12月31日までのメディケア請求を用い、転倒に関連した骨折脳損傷または関節脱臼と定義された。

結果

中央値 6.4年では、802人(15.3%)の参加者が重度転倒外傷を負った。 1、2、または 3以上の脆弱性指標での重篤な転倒傷害の多変数調整ハザード比は、非フレイル指標と比較し、1.18(95%信頼区間CI =0.99〜1.40)、1.49(95%CI =1.19〜1.87)、2.04(95%CI =1.56〜2.67)であった。

収縮期血圧、拡張期血圧、および降圧剤の服用数は、多変量調整後の重大な転倒傷害リスクと関連していなかった。

結論

血圧や降圧薬の服薬クラスの数は関連がなかったが、フレイル指標については、高血圧治療薬を服用している高齢者の重大な転倒傷害リスクの増加と関連していた。

コメント

抄録のみ読めた文献。

フレイルティ(①低体格指数、②認知障害、③うつ症状、④疲弊度、⑤運動障害、および⑥転倒歴)は、高齢高血圧患者での重大な転倒外傷リスク増加と関連していた。効果推定値はフレイルの重症度と相関関係にありそうであった。