NSAIDs誘発胃潰瘍に対するムコスタ®️とサイトテック®️の効果はどのくらいですか?(RCT; STORM STUDY; J Clin Biochem Nutr. 2007)

Comparison of Prevention of NSAID-Induced Gastrointestinal Complications by Rebamipide and Misoprostol: A Randomized, Multicenter, Controlled Trial-STORM STUDY.

J Clin Biochem Nutr. 2007

Mar;40(2):148-55. doi: 10.3164/jcbn.40.148.

PMID: 18188417

【背景】

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)には、消化不良、消化性潰瘍、出血、穿孔などの胃腸の副作用がある。ミソプロストールとプロトンポンプ阻害薬(PPI)は、NSAIDによる胃・十二指腸損傷を予防するために使用されてきた。ムコスタ®️(レバミピド)は胃粘液を増加させ、内因性プロスタグランジン産生を刺激するが、NSAID誘発性胃腸合併症に対するレバミピドの予防効果は不明である。

【研究の目的】

本研究の目的は、レバミピド治療群とサイトテック®️(ミソプロストール)治療群でのNSAID誘発性胃腸合併症を比較することである。

【研究の方法】

患者をランダムに2群に割り付け、従来のNSAIDとレバミピドまたはミソプロストールを12週間服用させた。スクリーニング時および試験終了時に、胃粘膜損傷を内視鏡検査によって評価した。

【結果】

・活動性胃潰瘍の有病率は、レバミピド群で7/176(3.9%)、ミソプロストール群で3/156(1.9%)だった。

ミソプロストールの NNT =50 (vs. レバミピド)

・消化性潰瘍の有病率は、レバミピド群で8/176(4.5%)、ミソプロストール群で7/156(4.4%)だった。

ミソプロストールの NNT =1,000 (vs. レバミピド)

・高リスクサブグループにおける消化性潰瘍の累積発生率は、レバミピド群で6/151(4.0%)、ミソプロストール群で6/154(3.9%)だった。

ミソプロストールの NNT =1,000 (vs. レバミピド)

【結論】

レバミピドは長期NSAID治療を受けている患者においてミソプロストールと同じくらい効果的にNSAID誘発消化性潰瘍を予防した。レバミピドは、その治療効果および安全性のために、NSAID誘発性胃腸潰瘍の予防のための有用な治療選択肢であり得る。


【コメント】

ミソプロストール(サイトテック®️)はプロスタグランジン誘導体であるため妊産婦に使いにくい。というか禁忌。1日4回(適宜増減の記載あり)というのもアドヒアランス低下しやすい。

また両薬剤共にNSAIDs頓服への効果は不明、あくまで長期服用している患者への効果がありそう、というところ。活動期の胃潰瘍には、妊婦でなければミソプロストールを使用した方が良さそうですね。ただ、症状が寛解してきたらレバミピドの方がコスパ良さそう。

ちなみにNSAIDs使用時のレバミピド併用は、急性あるいは慢性胃炎の傷病名が必要。

【フォーミュラリー実践のために】低用量アスピリン服用患者においてテプレノンとラベプラゾールは消化性潰瘍の再発を予防できますか?(Aliment Pharmacol Ther. 2014; PLANETARIUM study)

Randomised clinical trial: prevention of recurrence of peptic ulcers by rabeprazole in patients taking low-dose aspirin.

Aliment Pharmacol Ther. 2014 Oct;40(7):780-95.

Iwakiri R et al.

PMID: 25100080

資金提供

エーザイ株式会社

This study was funded by Eisai Co., Ltd., Tokyo, Japan. Writing support was provided by Eisai. Data management and analyses were undertaken by Eisai.

 

背景

消化性潰瘍の主な原因は、Helicobacter pylori(ピロリ菌)感染薬剤の使用(NSAIDs や低用量アスピリン)である。

日本や米国、EU 等では、ピロリ菌感染およびピロリ菌による潰瘍は減少傾向にある。一方、薬剤誘発性の潰瘍は増加している。

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ピロリ菌除菌後にすぐ検査すると偽陰性となるのはなぜですか?(H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2009-2016)

⌘ 背景

Helicobacter pyloriH. pylori)感染の診断と治療のガイドラインに以下の記載がある。またネット上では偽陰性を生じる薬剤として下記の薬剤が掲載されていた。情報が確からしいものか検証したい。

⌘ 目的

原著論文にあたることで「検査前後の薬剤投与中止 2 週間の根拠」を明らかにする

⌘ 方法

Pubmed での論文検索

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