【AMR対策】抗菌薬使用による急性腎障害リスクはどのくらいですか?(NDT 2018)

Risk of acute kidney injury following community prescription of antibiotics: self-controlled case series

Rennie et al.

Nephrology Dialysis Transplantation, gfy187, https://doi.org/10.1093/ndt/gfy187

Published: 28 June 2018

PMID: 未

研究の背景

スルホンアミド(sulphonamides)、トリメトプリム(trimethoprim)およびアミノグリコシド(aminoglycosides )等の抗生物質使用後の急性腎障害(Acute Kidney Impairment: AKI)の発症は、しばしば認められる現象である。近年では、フルオロキノロン(fluoroquinolone; ニューキノロン new quinolone)の使用とAKIとの関連が示唆されている。本研究の目的は、潜在的交絡因子を含む患者の特性を完全に調整する方法を用いて、大規模なコミュニティコホートにおける抗生物質使用とAKIリスクとの関連性を評価することであった。

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【臨床研究デザイン】Self-Controlled Study Designとは何ですか?

自己対照研究 Self-Controlled Study Design

定義

Self-Controlled Study Designとは、ある疾患を発症した患者(ケース)のみを解析対象とする研究デザイン。同ケースにおける時点の異なる情報を対照(コントロール)として扱うことで、疾患と曝露の関連を評価する手法。

自己対照研究デザインの種類

Self-Controlled Case Series

Case-Crossover

Sequence Symmetry Analysis

本研究デザインのメリット

性別や遺伝的要因、生活習慣などの時間非依存性変数の影響を排除することができる。そのため “バイアスリスクを生じる可能性のある因子情報を入手できない” というデータの限界をカバーできる。

 

本研究デザインのデメリット

交絡因子を完全には排除あるいは調整できない。

個々をケースコントロールとするため疾患の重症度による調整を行うことが難しい。

未知の交絡因子がある場合、多分に影響を受ける。

通常の臨床研究よりも Misclassification biasや non-negligible biasを生じやすい。

コメント

どのようなバイアスが生じやすいのか、また調整すべき交絡因子には何があるのか、未知の交絡因子が必ず存在することを念頭に置くことが肝要ではないかと思います。そして研究対象にあったデザインを選択することでバイアスリスクを低くすることができるのではないでしょうか。

参考文献

Greenland S. Confounding and exposure trends in case-crossover and case-time-control designs. Epidemiology. 1996 May; 7(3): 231-239.(PMID: 8728434

Hallas J et alUse of self-controlled designs in pharmacoepidemiology. J Intern Med. 2014 Jun; 275(6): 581-589.(PMID: 24635348

Takeuchi Y et alA comparison of estimators from self-controlled case series, case-crossover design, and sequence symmetry analysis for pharmacoepidemiological studies. BMC Med Res Methodol. 2018 Jan 8; 18(1): 4.(PMID: 29310575