心房細動と心不全の合併患者には抗凝固薬を使用した方が良いですか?(Heart Vessels 2018)

Thromboembolisms in atrial fibrillation and heart failure patients with a preserved ejection fraction (HFpEF) compared to those with a reduced ejection fraction (HFrEF).

Sobue Y et al.

Heart Vessels. 2018 Apr;33(4):403-412.

PMID: 29067492

研究の背景・目的

心不全(HF)は、保存された駆出率を有するHF(Heart Failure with preserved Ejection Fraction, HFpEF:EF≧50%)、mid-range駆出率を有するHF(HFmrEF:40≦EF <49%)、および減少した駆出率を有するHF(HFrEF:EF <40%)の3つに分けられる。

これらのタイプは、しばしば心房細動(AF)と共存する。本試験では、HFpEFを有するAF患者(AF-HFpEF)とHFrEF(AF-HFrEF:HFmrEFおよびHFrEF)患者を比較し、脳卒中/全身塞栓症(strokes/systemic embolisms:SSEs)の割合、および独立した予測因子について検討した。

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【フォーミュラリー実践のために】高血圧患者における ACE阻害薬と ARBはどちらが優れてますか?(Eur J Prev Cardiol. 2017)

Angiotensin-converting enzyme inhibitors reduce mortality compared to angiotensin receptor blockers: Systematic review and meta-analysis.

Salvador GL et al.
Eur J Prev Cardiol. 2017 Dec;24(18):1914-1924.
PMID: 28862020

試験の背景

高血圧集団におけるアンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE-I)またはアンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)長期使用の結果を比較するレビューはほとんどありません。それは両方とも同様に血圧低下作用があるためです。
高血圧患者における AC-Iまたは ARBとプラセボ群とを比較した研究はなかった。なぜなら前述の比較デザインを検証した研究が殆どないからです。

方法

2000年1月1日〜2015年12月31日まで PUBMED、LILACS、SCIELO、ICTRP、Cochrane、EMBASEおよび ClinicalTrials.govを系統的に検索し、ACE-Iまたは ARB使用と心血管アウトカムとの関係について検討した前向き研究を選択した。
心血管アウトカムは次の通り:①心不全/入院、②脳卒中、③急性心筋梗塞、④全心臓血管死、⑤全死亡および⑥全アウトカム。
集団オッズ比(ORs)と 95%信頼区間(CIs)を固定効果モデルを用いて組み合わせた。

結果

17試験(n = 73,761)には ACE-I(n =12,170)の 5試験と ARB(n =24,697)の 12試験が含まれていた。
ACE-I使用は、全死亡(OR =0.85, 95%CI 0.78〜0.93)および心血管死(OR =0.77, 95%CI 0.69〜0.87)を有意に減少させた。
ARB使用は、全死亡(OR =1.02, 95%CI 0.96〜1.09)または心血管死(OR =0.95, 95%CI 0.86〜1.06)を減少させなかった。
急性心筋梗塞脳卒中心不全/入院については、両クラスともに有意な減少を示した。

結論

ACE-Iまたは ARBの使用は、急性心筋梗塞、脳卒中および心不全/入院に関する主要な心血管アウトカム予防において同様であった。しかし、ACE-Iの使用は、ARBよりも総死亡および心血管死を低減する上でより有効であった。

キーワードMeta-analysis; angiotensin II receptor blocker; angiotensin-converting enzyme inhibitor; hypertension; outcomes


コメント

アブストのみ。網羅的に論文検索を行っていることがわかる。またアウトカムはほぼハード。統合された論文数は 17と多い。
本結果は過去の報告と矛盾しない。ARBよりも ACE-Iの方が優れていそう。
コストも踏まえれば、まずは ACE-Iで充分ではないでしょうか。
大体のことに言えるかもしれませんが、「新しかろう, 良かろう」からは、そろそろ決別したほうが良いと思う。

-Evidence never tells you what to do-




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心房細動を伴うアジア人患者のCHA2DS2-VAScスコア(韓国サンプルコホート研究; Stroke 2017; Charge)

CHA2DS2-VASc Score (Congestive Heart Failure, Hypertension, Age ≥75, Diabetes Mellitus, Prior Stroke or Transient Ischemic Attack, Vascular Disease, Age 65-74, Female) for Stroke in Asian Patients With Atrial Fibrillation: A Korean Nationwide Sample Cohort Study.

Kim TH et al.

Stroke 2017 Jun;48(6):1524-1530.

PMID: 28455320

背景と目的

CHA2DS2-VAScの脳卒中スコア(うっ血性心不全、高血圧、年齢≧75(2点)、糖尿病、前脳卒中または一過性脳虚血発作(2点)、血管疾患、65-74歳、女性)は、大部分のガイドラインで用いられている心房細動(AF)におけるリスク層別化であるが、このスコアの大部分のデータは西洋人で得られている。脳卒中リスクにおける民族・人種差が存在する可能性がある。そこで、AFの脳卒中リスク因子とアジアの韓国AF人口におけるCHA2DS2-VAScスコアの適用について検討した。

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