変形性膝関節症患者におけるニンニクエキスの効果はどのくらいですか?(Int J Clin Pract. 2018)

The effect of 12-week garlic supplementation on symptom relief in overweight or obese women with knee osteoarthritis.

Salimzadeh A et al.

Int J Clin Pract. 2018 May 23:e13208. doi: 10.1111/ijcp.13208. [Epub ahead of print]

PMID: 29790635

試験の目的

慢性関節痛および(関節)硬直、機能障害は、変形性関節症(osteoarthritis: OA)の主要な衰弱性特徴である。本研究の目的は、過体重または肥満女性の変形性膝関節アウトカムに対する12週間のニンニクサプリメントの影響を評価することであった。

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【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】安定冠動脈疾患におけるリバロ®️使用は高用量の方が良いですか?(REAL-CAD trial; Circulation. 2018)

High-Dose Versus Low-Dose Pitavastatin in Japanese Patients With Stable Coronary Artery Disease (REAL-CAD): A Randomized Superiority Trial.

Taguchi I et al.

Circulation. 2018 May 8;137(19):1997-2009. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.117.032615.

PMID: 29735587

CLINICAL TRIAL REGISTRATION: NCT01042730.

Disclosure開示

本文2,006ページに記載

Funding資金提供

保健研究財団の生活習慣病総合臨床支援プロジェクトが本研究に資金を提供した。 治験薬を製造している会社(Kowa Pharmaceutical Co Ltd)は、公衆衛生研究財団のプロジェクトに対して財政的支援を提供する団体の1つであったが、設計、分析、データ解釈、または製造準備に関与していなかった。


研究の背景

現行の診療ガイドラインでは、過去に実施されたいくつかの臨床試験(高用量 vs. 低用量スタチン)に基づき、心血管疾患を有す患者を対象に高強度スタチンによる治療を呼びかけている。しかし、アジア人集団を対象としたスタチン用量に対する明確なエビデンスは確立されていない。そこで安定冠動脈疾患患者におけるリバロ®️(ピタパスタチン)4 mg/日と1 mg/日の心血管イベント抑制効果について検証した(優越性試験)。

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【CQ受け取りました】アトピー性皮膚炎患者には標準治療に加え保湿入浴剤を使用した方が良いですか?(BMJ 2018; BATHE trial)

Emollient bath additives for the treatment of childhood eczema (BATHE): multicentre pragmatic parallel group randomised controlled trial of clinical and cost effectiveness.

Santer M et al.

BMJ. 2018 May 3;361:k1332. doi: 10.1136/bmj.k1332.

PMID: 29724749

Current Controlled Trials: ISRCTN84102309

研究資金

国立衛生研究所(the National Institute for Health Research: NIHR)の保健技術評価プログラム(11/153/01

COI

無いらしい


私的背景

先日、ブログ記事を掲載後に早速CQを送ってくれた方が居ました。

【定期告知】臨床疑問の募集について

3歳と0歳児を持つお母さまからです。

CQ: 子供のアトピー性皮膚炎の予防に保湿入浴剤を使用した方が良いのでしょうか?今は症状ありませんが、一人目の子供の時に保湿入浴剤を使用していたので私としては使用したいです。しかし3歳児が一緒に入浴する際、入浴剤を使用したがりません。

早速、論文検索を行い冒頭の論文を見つけることができました。しかし残念ながら健常児を対象とした試験が見つかりませんでした。そこで対象が少し異なりますが今回の論文を参考にしようと思います。

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ランダム化比較試験の基になったのはミルクティーの味?(The Design of Experiments. 1935)#80

Lady Tasting Tea

ランダム化比較試験って何ですか?

例えば薬剤効果とプラセボ効果をどのように区別したら良いだろうか?端的に言えば薬剤Xとプラセボを比較すれば良いのだが、いわゆるバイアスが生じやすい。

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【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】ベースラインLDL-CレベルとLDL-C低下後の総死亡および心血管死亡との関連:系統的レビューおよびメタ分析(JAMA 2018)

Association Between Baseline LDL-C Level and Total and Cardiovascular Mortality After LDL-CLowering: A Systematic Review and Meta-analysis.

JAMA. 2018 Apr 17;319(15):1566-1579.

Navarese EP et al.

PMID: 29677301

研究の重要性

特定の致命的および非致死的なエンドポイントへの影響は、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)低下薬を用いた臨床試験では変化するようである。

研究の目的

ベースライン時のLDL-Cレベルが、総死亡および心血管死亡リスク低下と関連しているかどうかを評価する。

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ベタニス®(ミラベグロン)服用による心疾患への影響はどのくらいですか?(Int J Clin Pract. 2013: Free)

Mirabegron for the treatment of overactive bladder: a prespecified pooled efficacy analysis and pooled safety analysis of three randomised, double-blind, placebo-controlled, phase III studies.

Nitti VW et al.

Int J Clin Pract. 2013 Jul;67(7):619-32.

PMID: 23692526

利益相反の開示

→多いという印象。本文の disclosures 参照。

私的背景

前立腺癌および前立腺肥大症を合併する 85歳男性。カソデックス®(ビカルタミド)とハルナール®(タムスロシン)を服用中。最近、尿漏れ症状があるため家族の希望により薬剤追加。ベタニス®(ミラベグロン)が新規処方された。

 本患者は心房細動および心不全も合併していたため、下記の禁忌項目にある重篤な心疾患についてどの程度の有害事象が報告されているのか論文検索を行い検討した。Pubmed 検索にて上記の論文がみつかったため読んでみた。

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【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】高コレステロール血症および糖尿病性網膜症を有すハイリスク日本人ではコレステロールを下げた方が良いですか?(EMPATHY trial; Diabetes Care 2018)

Intensive Treat-to-Target Statin Therapy in High-Risk Japanese Patients With Hypercholesterolemia and Diabetic Retinopathy: Report of a Randomized Study

Itoh et al. (EMPATHY Investigators)

Diabetes Care 2018 Apr; dc172224.

PMID: 29626074

目的

糖尿病は心臓血管(CV)イベントの高リスクと関連している。特に脂質異常症および糖尿病性合併症を有する患者において顕著である。高コレステロール血症および糖尿病性網膜症を有し、かつ冠状動脈疾患の既往のない患者で、脂質低下療法における厳格治療と従来治療の比較(treat-to-target strategy)、および CVイベント発生率を検討した。

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ピロリ菌除菌で胃がんを防げますか?②(N Engl J Med. 2018)

Helicobacter pylori Therapy for the Prevention of Metachronous Gastric Cancer.

Choi IJ et al.

N Engl J Med. 2018 Mar 22;378(12):1085-1095.

PMID: 29562147

ClinicalTrials.gov number, NCT02407119.

研究資金

the National Cancer Center, South Korea(0310050, 0410450, 0610080, 0910100, 1210230, 1310280, and 1610180)

COI

無し(らしい)


試験背景

胃粘膜または粘膜下組織に限局した初期の胃癌患者は、通常、粘膜腺組織の進行性喪失(腺萎縮)を有し、新規胃がんの発生およびその後(異時性)の病態進行リスクが高い。

組織学的改善および異時性胃癌の予防に対するヘリコバクターピロリ(以下、ピロリ)除菌治療の長期的な効果は依然として不明である。

方法

前向き二重盲検プラセボ対照ランダム化試験には、早期胃癌または高悪性度腺腫の内視鏡的切除を受けた 470人の患者が組み入れられた。参加者はプラセボまたは抗生物質によるピロリ除菌療法を受けた。

プライマリーアウトカムは、①3年間の追跡期間中における、胃体部(底部)小弯の腺萎縮のグレードにおけるベースラインからの改善累積および② 1年間のフォローアップまたはそれ以降に行われた内視鏡検査で検出された異時性胃がんの発生率であった。

結果

計 396人の患者が、mITT集団(治療群194人、プラセボ群 202人)に含まれていた。

追跡期間は 5.9年(中央値)で、ピロリ除菌群では 14例(7.2%)、プラセボ群では 27例(13.4%)で異時性胃がんが発生した。

  ハザード比 =0.50, 95%CI 0.26~0.94(P =0.03)

組織学的分析を受けたサブグループ 327人の患者のうち、胃底部の小弯における萎縮グレードのベースラインからの改善は、ピロリ除菌群 48.4%、プラセボ群 15.0%において観察された(P < 0.001)。

重大な有害事象はなかったが、軽度の有害事象は治療群でより一般的に認められた(42.0% vs. 10.2%, P <0.001)。

結論

ピロリ除菌治療を受けた早期胃癌患者は、プラセボ群と比べ、胃底部委縮グレードにおけるベースラインからの改善程度が大きかった。また異時性胃がんの発生率が低かった。 


コメント

アブストのみ(NEJMの文献はブログに書きづらくて困ります)。NEJMに 2018年の 3月 22日(日本時間)に掲載されました。

ピロリ菌除菌と異時性胃がん(1年以上経てから新たに初発部位とは別の場所に発生した胃癌)発生率について検討したダブルブラインドのランダム化比較試験。貴重な報告だと思います。しかし、健常人は含まれていません。ここ注意。

まず試験の解析は Full Analysis Setでしょうか。試験解析には 396名、組み入れ時から 74名が除外されています。 

ピロリ除菌により異時性胃がんが減少したとのこと。他のがんの発生率についてはアブストからは不明です。また重大な有害事象はなかったものの、軽度の有害事象は 4倍。

今回の論文を通して、胃がんの発生部位と胃がん発生率についても学べた。噴門部は 20%、胃体部は 30%、幽門部は 40%とのこと(あと 10%はどこ?) 。さらに大弯より小弯の方が胃がん発生率は高いようです。

また胃がんは Epstein-Barr(EB)ウイルスによっても発生するようです。EBウイルスは幽門部、H.ピロリは胃体部に住み着いているようです。

本文献では胃体部の小弯における胃がん発生について内視鏡下で検討しています。発生部位についてはよく検討されていると感じました。また組織学的分析のデータ数も過去の報告に比べると多い方だと思います。全文読みたいところ。

 

 

 

-Evidence never tells you what to do-




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心血管疾患を伴う痛風患者に対してフェブリク®️とザイロリック®️はどちらがより安全に使用できますか?(CARES trial; NEJM 2018)

Cardiovascular Safety of Febuxostat or Allopurinol in Patients with Gout

White WB et al. CARES investigators.

NEJM 2018

PMID: 29527974

ClinicalTrials.gov number: NCT01101035.

資金提供Funding

Takeda Development Center Americas

開示Disclosures

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1710895?query=featured_home#article_supplementary_material

私的背景

2017年 11月 15日 FDAからフェブキソスタット(フェブリク®️)について以下の Safety Alertsが発信された。

Uloric (febuxostat): Drug Safety Communication – FDA to Evaluate Increased Risk of Heart-related Death

実は新薬としてフェブリク®️が承認された際に FDAから追加試験を実施するよう勧告されていた。日本時間 2018年 3月 12日に最新論文が NEJMに掲載された。早速、批判的吟味してみた。

“心血管疾患を伴う痛風患者に対してフェブリク®️とザイロリック®️はどちらがより安全に使用できますか?(CARES trial; NEJM 2018)” の続きを読む

エンパグリフロジンは2型糖尿病患者の心血管イベントを抑制できますか?実はオープンラベルですか?(EMPA-REG OUTCOME: NEJM.2015 Free)

Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes.

Zinman B et al.; EMPA-REG OUTCOME Investigators.

N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2117-28.

PMID: 26378978

ClinicalTrials.gov No.: NCT01131676

【資金提供】

ベーリンガー・インゲルハイムBoehringer Ingelheim

イーライ・リリーEli Lilly

 

【利益相反COI or 開示disclosure】

めっちゃある(本文参照)。個人的には “The trial was designed and overseen by a steering committee that included academic investigators and employees of Boehringer Ingelheim.” という部分がかなり気になる。

私的背景

EBM勉強会に参加し本論文を読んだ。その中で気になった点がいくつかあったので再度、批判的吟味しつつ考えをまとめてみる。

“エンパグリフロジンは2型糖尿病患者の心血管イベントを抑制できますか?実はオープンラベルですか?(EMPA-REG OUTCOME: NEJM.2015 Free)” の続きを読む