血糖降下薬による認知症リスクはどのくらいか?(BMJ 2018)

Impact of pharmacological treatment of diabetes mellitus on dementia risk: systematic review and meta-analysis

Jacqueline M McMillan et al.

BMJ 2018

http://dx.doi.org/10.1136/bmjdrc-2018-000563

背景

糖尿病(DM)治療と認知症との関連性はよく理解されていない。

目的

糖尿病治療、低血糖、および認知症との関連性を調査する。

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血液分布異常性ショックを伴う心房細動患者におけるバソプレシン+カテコールアミン昇圧薬 vs. カテコールアミン単独使用との関連 SR&MA(JAMA. 2018)

Association of Vasopressin Plus Catecholamine Vasopressors vs Catecholamines Alone With Atrial Fibrillation in Patients With Distributive Shock: A Systematic Review and Meta-analysis.

McIntyre WF et al.

JAMA. 2018 May 8;319(18):1889-1900. doi: 10.1001/jama.2018.4528.

PMID: 29801010

研究の重要性

血液分布異常性ショック(過度の血管拡張、最頻は重度の感染症)を有す患者におけるカテコールアミン型昇圧剤使用に対し、バソプレシンは代替となり得る。非カテコールアミン(noncatecholamine)昇圧薬による血圧のサポートは、アドレナリン作動性受容体の刺激を減少させ、心筋酸素需要を減少させる可能性がある。心房細動(疾患の存在自体)はカテコールアミンと共通点を有しており、死亡および滞在期間の延長(length of stay: LOS)等の有害事象の発生と関連している。

試験の目的

カテコールアミン昇圧薬単独と比較し、バソプレシン+カテコールアミン昇圧薬による治療が、有害事象のリスク低下と関連しているかどうか検討する。

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【AMR対策シリーズ】膀胱鏡検査後に抗生剤は必須ですか?(Int Braz J Urol. 2015)

Efficacy of antibiotic prophylaxis in cystoscopy to prevent urinary tract infection: a systematic review and meta-analysis.

Garcia-Perdomo HA et al.

Int Braz J Urol. 2015

PMID: 26200530

私的背景

90歳代女性。血尿のため泌尿器科を受診。その際、膀胱鏡検査を実施し、クラビット®(一般名:レボフロキサシン塩酸塩)錠500 mg、1日1回朝食後、3日分が処方された。膀胱及び尿検査に異常は認められなかった。

年齢や腎機能等を考慮しクラビット錠250 mgへの変更提案を行い採択された。しかし、そもそも膀胱鏡検査後に抗生剤はどの程度必要なのかという疑問がわいてきたため文献検索を行い、上記の文献を見つけることができた。文献では、膀胱鏡検査30~60分前に抗生剤の投与を行った論文が対象となったようだ。

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【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】ベースラインLDL-CレベルとLDL-C低下後の総死亡および心血管死亡との関連:系統的レビューおよびメタ分析(JAMA 2018)

Association Between Baseline LDL-C Level and Total and Cardiovascular Mortality After LDL-CLowering: A Systematic Review and Meta-analysis.

JAMA. 2018 Apr 17;319(15):1566-1579.

Navarese EP et al.

PMID: 29677301

研究の重要性

特定の致命的および非致死的なエンドポイントへの影響は、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)低下薬を用いた臨床試験では変化するようである。

研究の目的

ベースライン時のLDL-Cレベルが、総死亡および心血管死亡リスク低下と関連しているかどうかを評価する。

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【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】コレステロールの低下は臨床的利益をもたらす?(Clin Ther. 2007)

Cholesterol reduction yields clinical benefits: meta-analysis including recent trials.

Gould AL et al.

Clin Ther. 2007 May;29(5):778-794.

PMID: 17697899

利益相反

著者全員が Merkの社員

資金提供

Merck/Schering Plough

私的背景

前回に引き続き、コレステロール低下により恩恵を受けるのは誰か、探っていきます。前回の記事はこちら↓

【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】SEAS trial(N Engl J Med. 2008)

今回の文献は少し古いのですが、解析すうが多いため読んでみました。

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メトホルミン使用はDPP-4阻害薬が心血管アウトカムに及ぼす影響を緩和できるかもしれない(メタ分析; Diabetes Care 2017: Charge)

Metformin Use May Moderate the Effect of DPP-4 Inhibitors on Cardiovascular Outcomes.

Crowley MJ et al.

Diabetes Care. 2017.

PMID: 29051159

【目的】

メトホルミン使用がジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤(DPP-4i)の心血管作用に対する潜在的モデレーターであるか探索する。

【方法および研究デザイン】

DPP-4i使用による 3-point MACEへの影響を検討した臨床試験についてメタ分析を行った。 DPP-4iの心血管作用が、メトホルミン使用者と非使用者とで異なるかを検討するためにメタ回帰(分析)を用いた。

【結果】

DPP-4iとメトホルミンを使用しているグループでは、心血管アウトカムのハザード比[HR] は 0.92、95%信頼区間[95%CI]は 0.84~1.01であった。一方、メトホルミン非使用グループでは、HR =1.10 [95%CI 0.97~1.26]であった。

メトホルミン使用者と非使用者のサブグループ解析において、DPP-4i使用による効果の差は、統計的に有意であった(P = 0.036)。

【結論】

PP-4i使用による心血管アウトカム増加に対し、基礎治療としてのメトホルミン使用は緩和効果を有する可能性がある。

仮説生成分析は、DPP-4i使用が心血管アウトカムに及ぼす影響について、依然として不確実性が存在していること(併用薬に依存すること)を示唆している。

【コメント】

アブストのみ。

著者も述べていますが、本結果は ”仮説生成” です。過去の RCTやメタ解析において DPP-4i使用による心不全増加の懸念が報告されていますが、心不全を増やさないとする報告もあります。

個人的には薬剤間で安全性に差異があると捉えています。また過去の臨床試験結果をみてみると、基礎治療にはほぼメトホルミンが使用されています。個人的には DPP-4i単独で使用する意義は分かりません。続報を待ちます。

 

 

 

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ピロリ菌除菌で胃がんを防げますか?①(CDSR2015:ピロリ菌除菌のベネフィット)

Helicobacter pylori eradication for the prevention of gastric neoplasia.

Ford AC et al.

Cochrane Database Syst Rev. 2015 Jul 22;(7):CD005583.

PMID: 26198377

背景

前回の記事でピロリ菌除菌によるリスクとベネフィットについて検討することとした。胃がんは、がん死亡の第3位である。

ピロリ菌除菌によるリスクとベネフィットはどのくらいか?(①導入編)

まずはベネフィットについてエビデンスを紹介する。

結論

ピロリ菌除菌による効果は限定的。胃がん発生率は減るが、胃がんによる死亡および全死亡は減らせなかった。

また食道扁平上皮がんの発生リスクは、有意差は無いものの増加傾向。

さらに前がん病変の有無に関わらず、ピロリ菌除菌による胃がん発生率の低下は認められなかった。


PICOT

P: 16歳以上の健康な無症候性ピロリ菌感染者

I : ピロリ菌の除菌

C: プラセボあるいは無治療

O: 胃がん発生率

T: 予後、最大6試験の統合、システマティックレビュー&メタ解析


批判的吟味

使用した文献データベースは何か?

Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL; 2013, Issue 11)、MEDLINE(1946 to DEC 2013)、EMBASE(1974 to DEC 2013)

検索語は?

不明

研究の種類は?

Randomized Controlled Trials(RCTs)

参考文献まで調べたか?

調べた。ハンドサーチ

個々の研究者に連絡を取ったか?

取った

出版されていない研究も探したか?

探した

同じ研究が複数報告されているか?

重複無し

英語以外で書かれた論文も探したか?

言語制限無し

研究は網羅的に集められたか?(出版バイアスは無いか?)

概ね集められているが、基準を満たせたのは1560試験中6試験。

集められた研究の評価はどのように行われたか?(各研究の評価は妥当か?)

2人の研究者が独立して行い、意見が分かれたときは3人目が判断した

評価基準は明確か?(Risk of Biasの評価基準は?)

明確(Cochrane Collaboration’s toolを使用)

研究の異質性は検討されたか?

I2 統計量を用い検討されている

最終的に残った研究数は?

6件

結果は統合されたか?

統合された。基本的には Rondam-effect modelを使用

Funding sources/sponsors

None

Conflict of interest

PM is the joint co-ordinating of the Cochrane Upper Gastrointestinal and Pancreatic Disease Group, however editorial decisions about this review were made by the other joint co-ordinating editor and independent peer reviewers.

 


結果は?

(表1. メタ分析の結果 — 論文より筆者作成)

 

・胃がん発生率 

 リスク比(Relative Ratio: RR)=0.66 [95%信頼区間 0.46〜0.95], +++, moderate

・胃がんによる死亡

 RR=0.67 [95%信頼区間 0.40〜1.11], +++, moderate

・全死亡

 RR=1.09 [95%信頼区間 0.86〜1.38], +++, moderate

・食道扁平上皮がん

 RR=1.99 [95%信頼区間 0.18〜21.91], +++, moderate

・有害事象

 0, 報告が少ないため評価できず。


コメント

バイアスリスク、フォレストプロットの検討はされていたが、統合された試験数が少ないためファンネルプロットは作成されていない。

ピロリ菌除菌による効果は限定的。胃がんは減るが、胃がんによる死亡や全死亡の結果は効果無し。そして食道扁平上皮がんの発生リスクは、有意差は無いものの増加傾向。

統合された試験数が少ないのは確かだが、胃がん発生率の効果推定値の幅は狭い。

感度分析の結果、前がん病変のない患者ではピロリ菌除菌による胃がん発生率 RR=0.42(95%CI 0.02〜7.69)。前がん病変のある患者では RR=0.86(95%CI 0.47〜1.59)。

積極的に除菌しましょうとは言えない結果であった。

(ベネフィットと言いつつリスクの方が強調されるような記載になってしまった)

 

 

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末梢動脈疾患有病率における人種差:Systematic Review & Meta-analysis(Expert Rev Cardiovasc Ther. 2017; Charge)

Ethnic differences in the prevalence of peripheral arterial disease: a systematic review and meta-analysis.

Vitalis A et al.

Expert Rev Cardiovasc Ther. 2017 Apr;15(4):327-338.

DOI: 10.1080/14779072.2017.1305890. Epub 2017 Mar 28.

PMID: 28290228

【背景】

これまでの研究では、黒人は末梢動脈疾患(PAD)の割合が高く、アジア人は白人に比べて罹患率が低いことが示されている。本研究の目的は、PADの疫学における民族差に関する文献を包括的にレビューすることである。

【方法】

システマティックレビューおよびメタアナリシスには、一般人口または糖尿病人口集団における PAD罹患の報告および民族集団における PAD有病率の比較が含まれていた。

【結果】

一般人口における PADの平均有病率は以下の通り;

 ・白人 =3.5%

 ・黒人 =6.7%

 ・アジア人 =3.7

 メタ分析は、白人と比較して、黒人(P <0.001)およびアジア人(P <0.001)の PAD罹患率が高いことを示した。

糖尿病人口における PADの平均有病率は以下の通り;

 ・白人 =17%

 ・黒人 =25.3%

 ・東アジア人 =13.5 ・南アジア人 =7.6%

 糖尿病人口では、南アジア人は白人に比べて PAD有病率が低かった(p <0.001)。黒人と白人の間に有意差はなかった。

 全般的に女性は PAD有病率が高かった。

・ 一般人口:女性 =3.8% vs. 男性 =3.2%;  p <0.001

・ 糖尿病人口:女性 =13.7% vs. 男性 =10.0%;  p <0.001

【結論】

黒人は PAD罹患率が高く、一方、白人と比較してアジア人は PAD罹患率が低かった。この違いを生み出す要因を特定するためには、さらなる研究が必要である。

【コメント】

アブストのみ。

下肢に関連する疾患についての報告。白人や黒人に比べ、アジア人の 2型糖尿病患者においては PAD罹患率が低かった。

あくまで人種差、個々人のリスク評価は別途必要。

【KEYWORDS】

Peripheral arterial disease; diabetes; epidemiology; ethnicity

SGLT2阻害薬は 2型糖尿病患者の全死亡リスクを低下できますか?〜Systematic Review & Meta Analysis〜(Acta Diabetol 2017; Charge)

Effects of SGLT-2 inhibitors on mortality and cardiovascular events: a comprehensive meta-analysis of randomized controlled trials.

Monami M et al.

Acta Diabetol. 2017 Jan;54(1):19-36. doi: 10.1007/s00592-016-0892-7. Epub 2016 Aug 4.

PMID: 27488726

プロトコール文献

以下のサイトを参照:

http://www.crd.york.ac.uk/PROSPERO/display_record.asp?ID=CRD42015029573.

私的背景

2017年7月23日に開催された EBM-Tokyoに参加し、上記の Systematic Review & Meta Analysis論文を読んだ。その際、RevMan5という Meta-Analysisの実施および作図を行えるソフトを使用し、本論文を吟味している先生に出逢い、触発され、自身でも試したくなった。再度、批判的吟味しつつ結果をまとめたい。

結論

本論文の結果は 2015年 NEJMに掲載された EMPA-REG OUTCOMEの結果に引っ張られているため新規性は無く有用性も低い。SGLT-2阻害薬の有効性については依然として controversial。


PICOT

P: 2型糖尿病

I : Sodium-Glucose coTransporter 2 inhibitor (SGLT-2阻害薬)の使用

C: プラセボあるいは SGLT-2阻害薬以外の薬剤

O: principal    — 全死亡、心血管死

  secondary — 心筋梗塞、脳卒中

T: 予防・治療、ランダム化比較試験のシステマティックレビュー&メタ解析


批判的吟味

使用した文献データベースは何か?

MEDLINE(Pubmed)、Food and Drug Administration(FDA)、European Medicines Agency(EMA)、www.clinicaltrials.gov Web site(clinicaltrials.gov)

検索語は?

SGLT-2 inhibitor(dapagliflozin, empagliflozin, canagliflozin, ipragliflozin, ertugliflozin, luseogliflozin)

研究の種類は?

Randamized Clinical Trial(RCT)

参考文献まで調べたか?

不明(それっぽい記載はあるが明確な記載無し)

個々の研究者に連絡を取ったか?

本文に記載はないが、恐らく取っていない(論文 Fig.1参照)

出版されていない研究も探したか?

探した(FDA、EMA、clinicaltrials.gov)

同じ研究が複数報告されているか?

本文中に記載はないが、論文 Fig.1より排除されていると判断した

英語以外で書かれた論文も探したか?

英語のみ(プロトコール論文参照)

研究は網羅的に集められたか?(出版バイアスは無いか?)

概ね集められていると判断した(本文ファンネルプロットを参照)

集められた研究の評価はどのように行われたか?(各研究の評価は妥当か?)

2人の研究者が独立して行い、意見が分かれたときは3人目が判断した

評価基準は明確か?(Risk of Biasの評価基準は?)

明確(Cochrane Collaboration’s toolを使用)

研究の異質性は検討されたか?

I2 統計量を用い検討されているが表現が古い。P値が 0.1より小さい(つまり異質性が低い)か否かで表現されている。近年では I2=50%のように表現されることが多い

最終的に残った研究数は?

71件、うち統合されたのは 32件(zero event studyを除外)

結果は統合されたか?

統合された。基本的には Rondam-effect modelを使用

Funding sources/sponsors

None

Conflict of interest

Matteo Monami has received speaking fees from Bristol Myers Squibb, Eli-Lilly, Merck, Novonordisk, Merck, and Takeda; and research grants from Bristol Myers Squibb.

Ilaria Dicembrini has no conflicts of interest.

Edoardo Mannucci has received consultancy fees from Merck and Novartis; speaking fees from Astra Zeneca, Bristol Myers Squibb, Merck, and Novartis; and research grants from Merck, Novartis, and Takeda.


結果は?

・全死亡 MH-OR =0.70 [95%信頼区間 0.59〜0.83], p < 0.001

・心血管死 MH-OR =0.43 [0.36〜0.53], p < 0.001

・心筋梗塞 MH-OR =0.77 [0.63〜0.94], p < 0.01

・脳卒中 MH-OR =1.09 [0.86〜1.38], p = 0.50

 

f:id:noir-van13:20170730014444p:plain

Fig.1  全死亡のフォレストプロット(RevMan 5 | Cochrane Community を使用し作成:計 32件の RCTを統合)

 

 

f:id:noir-van13:20170730015243p:plain

Fig.2  統合された 32件の RCTを用いたファンネルプロット(論文中には 71件の RCTの結果が記載されている)

 


コメント

Fig.1をみてみると Weight、つまり統合された結果に対する各研究の重み付けは Zinman (1が 77.1%と一番多い。この研究が EMPA-REG OUTCOMEである。つまり本論文の結果は、1つの大規模な RCTに引っ張られているだけであり、新規性は乏しい。

 

そして EMPA-REG OUTCOMEを取り除いた結果が以下である。

 

f:id:noir-van13:20170730015136p:plain

Fig.3  EMPA-REG OUTCOMEを取り除いた全死亡の統合結果(計 31件)

 

EMPA-REG OUTCOMEを統合してもしなくても異質性は 0%だが、取り除いたことでオッズ比が 1をまたいでしまった(OR =0.79, 95%CI 0.56〜1.11)。

 

1件の RCTの結果のみ(今回の場合は EMPA-REG OUTCOME trial)では薬剤効果を判定するのは難しいと考えられる。つまり現時点では SGLT-2阻害薬使用により全死亡のリスクは、オッズ比で 0.56〜1.11であったということ(SGLT-2阻害薬は使わないようにしましょう!とは言っていません。誰に使うかは非常に悩ましいところ)。そしてオッズ比を使用しているところが肝だと感じる文献です。リスク比やハザード比と異なり、オッズ比はリスクの直接的な判断ができません。オッズ比からリスク比に換算する必要があると考えられます(→準備中です)。

 

また本論文の作成過程が “正確に” 行われたのかについては非常に疑問です。引用先の参考文献の番号が異なっていたり、参考文献には記載のない著者名が本文中に記されていたり、principal outcome以外の異質性が記されていなかったり、集めてきた研究の Risk of Bias評価が誤っていたり等々、てんこ盛りです。本論文の筆頭著者は、糖尿病研究ではかなり有名な人物のようですが、非常に残念でなりません。Fundingは無いようですが COIには注意したい。

 

 

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