75歳以上の高齢者でもコレステロールは下げた方が良いですか?(RCTの2次解析; IMPROVE-IT trial; JAMA Cardiol. 2019)

Effect of Simvastatin-Ezetimibe Compared With Simvastatin Monotherapy After Acute Coronary Syndrome Among Patients 75 Years or Older A Secondary Analysis of a Randomized Clinical Trial

Bach RG et al.

JAMA Cardiol.

Published online July 17, 2019.

doi:10.1001/jamacardio.2019.2306

Trial Registration  ClinicalTrials.gov identifier: NCT00202878

PMID: 31314050

【臨床疑問】

急性冠症候群既往の高齢患者における脂質レベルを低下させる治療として、エゼチミブとシンバスタチンの併用は、シンバスタチン単独と比較して利点があるのか?

知見

ランダム化臨床アウトカムの二次分析では、18,144人の患者を登録したVytorin Efficacy International Trial(IMPROVE-IT)において、シンバスタチン+エゼチミブ併用療法は、シンバスタチン+プラセボと比較して75歳以上の高齢者患者2,798人(vs. 若年患者)における心血管イベントの大幅な減少が観察された。高齢サブグループにおける有害事象の増加は認められなかった。

シンバスタチン +エゼチミブによる75歳以上の患者11人への治療は、1つのイベントを防ぐために必要であると思われた(つまりNNT =11)。

【臨床的意義】

急性冠症候群の後、高齢患者においては、安全性を維持しながら脂質を低下させる高強度療法として、シンバスタチン+エゼチミブによる併用療法は、シンバスタチン単独よりも恩恵を受ける可能性がある。

【試験の重要性】

75歳以上の患者の脂質レベルを下げるための高強度治療の利点と危険性に関する限定的な証拠がある。そのためガイドラインの推奨事項では、若い患者と比較した場合、この年齢層で推奨度が異なる。

【試験の目的】

安定化急性冠動脈症候群(ACS)の75歳以上の患者の脂質レベルを低下させるために、エムシチミブとシンバスタチンの併用療法の結果とリスクに対する効果をシンバスタチン単剤療法と比較検討する。

【試験設計、設定および参加者】

事前に指定された世界的、多施設、前向き臨床ランダム化アウトカムの改善された削減の二次分析:Vytorin Efficacy International Trial(IMPROVE-IT)

入院後50歳以上のACS患者のアウトカムとリスクを年齢別に比較した。データは、2005年10月26日から2010年7月8日まで収集され、データベースは2014年10月21日までロックされた。

データは、カプラン・マイヤー曲線とCox比例ハザードモデルを使用して、2015年5月29日から2018年3月13日まで分析された。

【介入】

シンバスタチンとエゼチミブの組み合わせ、またはシンバスタチンとプラセボの併用に対する二重盲検ランダム割付けで、追跡期間中央値6年(四分位範囲 4.3〜7.1年)。

【主なアウトカムと対策】

主要な複合エンドポイントは、心血管疾患による死亡、心筋梗塞(MI)、脳卒中、入院を必要とする不安定狭心症、30日後の冠動脈血行再建で構成されていた。 個々の有害な虚血および安全性のエンドポイントおよび脂質変数も分析した。

【結果】

・登録された18,144人の患者(男性13,728人[75.7%]; 平均[SD]年齢 64.1 [9.8]歳)のうち、ランダム化時に5,173人(28.5%)は65〜74歳、2,798人(15.4%)は75歳だった。

・シンバスタチン+エゼチミブによる治療は、シンバスタチン+プラセボよりもプライマリエンドポイントの割合が低かった。

65歳未満の患者(HR 0.97; 95%CI 0.90〜1.05):0.9%

65〜74歳の患者(ハザード比[HR] =0.96; 95%CI 0.87〜1.06):0.8%

75歳以上の患者(HR =0.80; 95%CI 0.70〜0.90, P = 0.02インタラクションの場合):最大絶対リスク減少8.7%。

・有害事象の発生率は、シンバスタチン-エゼチミブとシンバスタチン-プラセボでは、若年または高齢の患者で増加しなかった。

【結論および関連性】

IMPROVE-ITでは、ACSで入院した患者は、シンバスタチン単剤療法と比較してシンバスタチン+エゼチミブを使用した脂質レベルを下げる高強度療法の恩恵を受け、75歳以上の患者で最大の絶対リスク低減を達成した。

エゼチミブのシンバスタチンへの追加は、高齢患者の安全性の問題の有意な増加と関連していなかった。

これらの結果は、高齢者の脂質レベルの低下に関するガイドラインの推奨事項に影響を与える可能性がある。


【コメント】

アブストのみ。

二次解析であるため、ランダム化は崩れており、あくまで仮説生成的な結果である。

さて、ACS患者においては脂質を積極的に下げた方が良いかもしれないとのこと。なんらかの理由でシンバスタチンを高用量まであげられない患者へのエゼチミブ追加は考慮してもよいのかもしれない。

そもそも日本では海外ほどBMIが高くない、またスタチンを高用量まで増加していないという海外との乖離もあるため一概には言えないかもしれないですね。

もやもや。

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