なぜ眼圧を下げた方が良いのか?(RCT; Arch Ophthalmol. 2002)

The Ocular Hypertension Treatment Study: a randomized trial determines that topical ocular hypotensive medication delays or prevents the onset of primary open-angle glaucoma.

Randomized controlled trial

Kass MA, et al.
Arch Ophthalmol. 2002.
PMID: 12049574

【背景】

原発性の開放隅角緑内障(POAG)は、米国および世界中における失明の主な原因の1つである。

米国内では300万人から600万人が眼内圧(IOP)の上昇、または高眼圧症のためにPOAGを発症するリスクが高くなっている。

眼内圧が上昇した患者においてPOAGの発症を遅らせるまたは予防する上での治療の有効性についてコンセンサスは得られていない。

そこで今回ランダム化臨床試験、高眼圧症治療試験をデザインした。

【目的】

POAGの発症を遅らせる、あるいは予防することにおける局所眼圧降下剤の安全性と有効性を決定すること。

【方法】

40〜80歳で、かつ緑内障性損傷の所見がなく、片眼の眼内圧が24〜32 mmHgで、他方の眼が21〜32 mmHgの参加者1,636人をランダムに割付けた。

市販の局所眼圧降下薬による観察または治療投薬グループの目標は、眼圧を20%以上低下させ、24 mmHg以下にすることとした。

【主要評価項目および測定方法】

プライマリーアウトカムは、POAGに起因する再現性のある視野異常または再現性のある視神経乳頭の悪化の発症とした。

視野異常の検査については、マスクされた読書センターの認定読者によって決定され、POAGへの帰属はマスクされたエンドポイント委員会によって決定された(つまりアウトカム評価はブラインドで行われましたって意味です)。

【結果】

試験期間中、投薬グループにおける眼内圧の平均+/- SD減少は22.5%+/- 9.9%であった。一方、観察群では眼内圧が4.0%±11.6%減少した。

60ヵ月時点で、POAGを発症する累積確率は投薬群で4.4%、観察群で9.5%であった(ハザード比 =0.40; 95%信頼区間 0.27〜0.59; P <0.0001)。

眼圧降下薬に伴う全身または眼球リスクの増加はほとんどなかった。

【結論】

局所眼圧降下剤は、眼圧上昇患者のPOAGの発症を遅らせるか予防するのに有効であった。これは、ボーダーラインまたは高眼内圧患者全員が投薬を受ける必要があることを意味するものではないが、臨床医はPOAGを発症するリスクが中程度または重度の高眼圧症患者に対して治療を開始することを検討する必要がある。


【コメント】

アブストのみ

眼圧を下げることで緑内障への進展を抑える可能性を示唆した研究。

本研究だけでは視野狭窄や欠損についてまで検証できていないが、そもそも視神経の損傷が認められれば視野狭窄になりやすいことは明白であるため、やはり下げた方が良いと考えられる。

今のところ眼圧についてはthe lower, the betterでも良いと考えられる。

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