ロタウイルスワクチンは小児1型糖尿病の発症を抑制するかもしれない?(人口データベース コホート研究: JAMA Pediatr. 2019)

Association of Rotavirus Vaccination With the Incidence of Type 1 Diabetes in Children

Perrett PK et al.

JAMA Pediatr. 2019;173(3):280-282.

doi:10.1001/jamapediatrics.2018.4578

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2728577?guestAccessKey=f3b3a5c3-782f-423d-ae6f-54052e2def0f&utm_source=silverchair&utm_medium=email&utm_campaign=article_alert-jama&utm_content=olf&utm_term=031319

PMID: 30667473

試験背景と目的

ロタウイルス(RV)感染は、小児における1型糖尿病(T1D)発症と関連していることが報告されている。

ロタウイルス感染はマウス膵臓のアポトーシスを引き起こし、RVペプチドは膵臓β細胞自己抗原のT細胞エピトープと分子模倣を示すことも報告されている(in vitro)。

RVの自然感染がT1Dの原因因子である場合、RVワクチン接種は経時的に疾患の発生率を低下させると仮定した。 したがって、本研究では公的に入手可能なデータを使用して、経口RVワクチンが2007年にオーストラリアの国民予防接種プログラムに導入される前後のオーストラリアの子供たちにおけるT1Dの発生率を調べた。

【試験デザイン】

オーストラリアでは、新規に1型糖尿病を発症した症例が登録されるため、国民健康システムはグルコース検査とインスリン供給を補助することができる。

本試験では、2000年から2015年までの新規発症1型糖尿病(14歳までの小児が対象)の発生率を決定するために公に入手可能なデータを利用した。

【結果】

試験期間中に1型糖尿病症例が新たに16,159件あった。定期予防接種スケジュールの一環として2007年に乳児用経口ロタウイルスワクチンが導入された後、4歳までの子供の新規症例数は14%減少した。しかし、4歳超の子供たちでは症例が減少しておらず、そのほとんどが予防接種を受けていなかった。

【考察】

本調査結果(に再現性)が確認された場合、ロタウイルス感染が、遺伝的に感染しやすい子供において、1型糖尿病の発症を促進する環境要因の1つである可能性が示唆された。

したがってロタウイルスワクチン接種はこれらの子供の一部において、1型糖尿病を予防する可能性がある。

【課題】

•本研究により観察された関連性が因果関係であるとは結論付けられない。ワクチンの導入とほぼ同じ時期に他の変化が起こり、1型糖尿病の症例数が減少した可能性がある。

•子供が年をとるにつれて、1型糖尿病の新規発症の減少が続くのではないかという陪審の結論は出ていない – 継続的なサーベイランスが課題である。

•ロタウイルスワクチン接種と1型糖尿病との逆相関が他の国の子供たちにも当てはまるかどうかも不明です。

•わずか495人の子供を対象としたフィンランドでの小規模な症例対照研究では、同じ関連性が明らかにならなかった。オーストラリアの著者らが研究で書いているように、「RVワクチン接種に対する反応は、集団レベルでの遺伝的および環境的差異のために地理的な場所によって異なる可能性がある」

【もしも全てがうまくいったら…】

Harrisonによれば、観察された効果が生涯にわたって持続する場合、オーストラリアでは毎年1型糖尿病患者が130の代わりに110症例を持つことになるだろう。

【次の研究に向けて】

•本研究では、電子健康記録を使用したケースコントロールの連続研究において、発見事項を検証するために取り組んでいる。次回は1型糖尿病の有無にかかわらず、オーストラリアの10歳までの子供のロタウイルスワクチン接種率を調べる予定。結果は2019年後半に公開される予定です。

•またロタウイルス感染後に膵臓の大きさが縮小しているかどうかを確認するために、遺伝的に危険のある子供たちについての縦断的研究も行う予定である。他の研究者らは、1型糖尿病の小児では膵臓が正常より小さいことを報告しているが、彼らはすでにマウスで本仮説を検証している。


【コメント】

解説のみ。

本文は有料のため見られず。あくまで仮説検証だが、ロタウイルスワクチン1型糖尿病の発症抑制に寄与しているかもしれないとのこと。

続報を待ちたい

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