CKD合併の2型糖尿病におけるSGLT2阻害薬の効果はどのくらいですか?(SR&MA: Diabetes Obes Metab. 2019.)

Effect of SGLT2 inhibitors on cardiovascular, renal and safety outcomes in patients with type 2 diabetes mellitus and chronic kidney disease: A systematic review and meta-analysis.

Toyama T, et al.
Diabetes Obes Metab. 2019.
PMID: 30697905

目的

2型糖尿病(T2DM)および慢性腎臓病(CKD)患者におけるナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の使用は、主に血糖降下作用(薬剤の有効性)が腎機能に依存するために制限されてきた。

T2DMおよびCKD患者(推定糸球体濾過量(eGFR)<60 mL / min / 1.73 m2と定義)におけるSGLT2阻害剤の有効性および安全性を評価するために系統的レビューおよびメタアナリシスを行った。

試験方法

T2DMおよびCKD患者における、腎臓または腎臓の安全性アウトカム、バイオマーカー、心血管系への影響について報告されたSGLT2阻害剤のランダム化対照試験を含む個々のデータについて、MEDLINE、EMBASEおよびCochrane Libraryを2018年8月7日まで、米国、欧州および日本の規制当局のウェブサイトを2018年7月27日まで検索した。

変量効果モデルと逆分散重み付けを使用して、相対リスク(95%信頼区間)を計算した。

結果

27研究、7,363例のデータが得られた。 T2DMおよびCKD患者では、SGLT2阻害薬は糖化ヘモグロビン(-0.29%,95%CI -0.39 〜 -0.19)、ならびに血圧、体重およびアルブミン尿を低下させた。

SGLT2阻害薬は、全死亡に対する明らかな効果なしに(HR =0.86, 95%CI 0.73〜1.01)、心血管死、非致死的心筋梗塞または非致死的脳卒中の複合アウトカムリスク(RR =0.81, 95%CI 0.70〜0.94)および心不全リスク(RR =0.61, 95%CI 0.48〜0.78)を減少させた。

またSGLT2阻害薬では,eGFR勾配の年間減少を軽減し(プラセボとの差 =1.35 mL /1.73 m2 /年, 95%CI 0.78〜1.93)、複合腎臓アウトカムのリスクを減少させた(HR =0.71, 95%CI 0.53〜0.95)。

いくつかの安全性アウトカムについて、個々の薬剤にまたがり異質性が観察されたが、CKDにおけるSGLT2阻害薬について既知の副作用を超える更なるリスク増加はなかった。

結論

現在入手可能なデータにおいて、標準治療へのSGLT2阻害薬の追加は、糖化ヘモグロビンのほんのわずかな減少にもかかわらず、かつ安全性への懸念なしに、CKD合併T2DM患者における心血管および腎臓アウトカムのリスクを減らす。


コメント

アブストのみ。

やや偏りを感じる表現。SGLT2阻害薬の効果をポジティブに捉えようとする筆者の背景が伺えます。

さて、全死亡リスクを減らさずに3-point MACE(心血管死+非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中)および心不全リスクを減らしたという結果でしたが、なぜか全死亡はハザード比、他は相対リスクで算出していますこれでは全死亡だけ追跡期間の影響を強く受けるため、同列に捉えられないと考えられます。

また腎臓に関するアウトカムついても、複合アウトカムですがリスクを低下させました。したがって中等度の腎機能低下した2型糖尿病患者CKDT2DM)において、SGLT2 阻害薬の追加は害なしに益得られそうとのこと。

少しモヤモヤする論文構成でした。

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