孤立性収縮期高血圧症を有す高齢者におけるブロプレス®️の効果はどのくらいですか?(SCOPE trial サブ解析; J Am Coll Cardiol. 2004.)

Stroke prevention with the angiotensin II type 1-receptor blocker candesartan in elderly patients with isolated systolic hypertension: the Study on Cognition and Prognosis in the Elderly (SCOPE).

Randomized controlled trial

Papademetriou V, et al.
J Am Coll Cardiol. 2004.
PMID: 15364316

研究の目的

本研究の目的は、アンジオテンシンII 1型受容体拮抗薬(ARB)カンデサルタンが、孤立性収縮期高血圧症(isolated systolic hypertension, ISH)の高齢患者における脳卒中のリスクを軽減できるという仮説を検証することであった。

背景

孤立性収縮期高血圧症は高齢者の高血圧症の主な形態であり、さらに脳卒中は最も一般的な心血管系(CV)合併症です。

方法

高齢者の認知と予後に関する研究(the Study on Cognition and Prognosis in the Elderly, SCOPE)では、血液をコントロールするために必要に応じてオープンラベル降圧療法(主にチアジド系利尿薬)を加えた70〜89歳の4,964人の患者をランダムにカンデサルタンまたはプラセボに割り当てた。基本的には二重盲検で実施した。

4,964人の患者のうち、1,518人がISH(収縮期血圧> 160 mm Hgおよび拡張期血圧<90 mm Hg)を示した。

本研究は、ISH患者におけるサブグループ分析である。

結果

ISH患者のうち754人をカンデサルタン群に、764人を対照群にランダム化した。

試験期間にわたって、カンデサルタン群では血圧が22/6 mmHg低下し、対照群では20/5 mmHg低下した(治療間の差2/1 mmHg; p = 0.101および0.064)。

カンデサルタン群(7.2 / 1,000患者 – 年)および対照群(12.5 / 1000患者 – 年)で合計20の致命的/非致命的な脳卒中が発生した。

相対リスク(RR)は0.58(95%信頼区間0.33〜1.00)、すなわち42%のRR減少(ベースラインリスクに対してp = 0.050未調整、p = 0.049)。

他のCVエンドポイントまたは全死因死亡率において治療群間に顕著なまたは統計的に有意な差はなかった。

結論

ISHを有する高齢患者では、ARBカンデサルタンに基づく降圧治療は、血圧降下にほとんど差がないにもかかわらず、他の降圧治療と比較して有意に42%のRRの脳卒中の減少をもたらした。


コメント

アブストのみ。

久々に香ばしい結論論文みつけました。

完全に過大評価ですね。まず大元のSCOPE試験では、カンデサルタン使用はプラセボと比べてプライマリーアウトカムである3-point MACEを減らせませんでした。

一次エンドポイント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合エンドポイント)

カンデサルタン群:242例(26.7イベント/1000例・年)

プラセボ群268例(30.0イベント/1000例・年)

有意差なし。

そこでサブ解析というわけです。孤立性収縮期高血圧症を有する高齢者を対象に、致死的あるいは非致死的脳卒中の効果を検討しました。

結果としては、Relative Risk Reductionが42%でなんとか有意な差が得られた。しかし、サブグループ解析ですのでランダム化は破綻していますし、サンプルサイズも小さくなっています。つまり検討した集団においては、もしかしたら脳卒中を半分ぐらい防げるかもしれないし、はたまた防げないかもしれない、という仮説生成が生まれたに過ぎません。

また降圧の差は、両群間でSBP/DBP =2/1 mmHgです。降圧を超える効果は考えづらく、たまたま差が得られた可能性の方が高いと考えられます。

他の過去の臨床試験の結果からも、高血圧患者においてはハードアウトカムに対し降圧が何より重要であり、個々の薬剤クラスの違いはそこまでありません。強いて言えば低用量の利尿薬が、薬剤クラスの中ではバランスが良さそう。

この辺についてはALL-HATやLIFE等を読むとわかりやすいと思います。

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