カナグル®️使用はGLP-1アナログと比べて骨折リスクを増加させますか?(Ann Intern Med. 2019)

Fracture Risk After Initiation of Use of Canagliflozin: A Cohort Study.

Fralick M, et al.
Ann Intern Med. 2019.

PMID: 30597484

試験の背景

ナトリウムグルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害薬は、尿中への糖排泄を促進するだけでなく、カルシウム、リン酸、およびビタミンD恒常性に影響を与える可能性がある。過去の報告において、カナグル®️(カナグリフロジン)使用により、骨密度の低下および骨折リスク増大の可能性が示唆された。

目的

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アゴニストと比較した、カナグリフロジンの新規使用者における非脊椎骨折リスクを評価すること。

デザイン

人口ベースの新規利用者コホート研究。

試験設定

2013年3月から2015年10月までの間に7,000万人を超える患者データを提供する2つの米国の商業ヘルスケアデータベースを利用。

対象患者

カナグリフロジンの使用を開始した2型糖尿病患者と、GLP-1アゴニストの使用を開始した患者とを、1:1の割合で傾向スコアマッチさせた。

測定

主要評価項目は、介入を必要とする上腕骨、前腕、骨盤、または股関節骨折の複合エンドポイントだった。

副次評価項目は、他の部位の骨折が含まれた。

2つのデータベースからの結果を統合した固定効果メタアナリシスの結果は、全体的ハザード比(HR)で示した。

結果

カナグリフロジン群79,964人と、GLP-1アゴニスト群79,964人を一致させた。

平均年齢は55歳、48%は女性、平均ベースラインHbA1cレベルは8.7%、そして27%はインスリンが処方されていた。

主要評価項目については、カナグリフロジン(1,000人年あたり2.2件)およびGLP-1アゴニスト(1,000人年あたり2.3件)と同様で、全体のHRは0.98(95%CI 0.75〜1.26)だった。

骨盤、股関節、上腕骨、橈骨、尺骨、手根骨、中手骨、中足骨、または足首骨折のリスクもカナグリフロジン(1,000人年当たり14.5イベント)およびGLP-1アゴニスト(1,000人年当たり16.1イベント)で同様であった(全体のHR =0.92 [95%CI 0.83〜1.02]。

試験の限界

測定されていない交絡、測定誤差、および低骨折率。

結論

2型糖尿病で比較的骨折リスクが低い中年患者を対象とした本研究では、カナグリフロジンはGLP-1アゴニストと比較して骨折リスク増加とは関連していなかった。

Primary Funding Source

Brigham and Women’s Hospital, Division of Pharmacoepidemiology and Pharmacoeconomics.


コメント

アブストのみ。

コホート研究のため、あくまで仮説生成ですが、GLP-1アナログと比較してカナグリフロジン使用は骨折リスクを増やしませんでした。DPP-4阻害薬等の他の薬剤との比較は行ったのでしょうか。気になる。

薬理学的な作用機序と、実臨床との結果の乖離が興味深かった。平均年齢55歳が関係しているのかも。

高齢者での骨折リスクが上がるのか気になるところ。しかし高齢者では、SGLT2 阻害薬は使いにくいですかね。

比較的に腎機能が保たれている心不全合併の2型糖尿病例などの検討結果を知りたいところ。

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