骨粗鬆症の女性におけるアルファカルシドールの骨折予防効果はどのくらいですか?(Endocr J. 1996.)

Effects of 2 years’ treatment of osteoporosis with 1 alpha-hydroxy vitamin D3 on bone mineral density and incidence of fracture: a placebo-controlled, double-blind prospective study.

Shikari M, et al.

Endocr J. 1996.

PMID: 9026268

試験概要

二重盲検試験において、腰椎(L2-4BMD)および全身骨密度(TBBMD)に及ぼすα-ヒドロキシビタミンD3(1α(OH)D3)の効果および骨折の発生を2年間モニターし評価した。

試験参加者

対象は113人の女性骨粗鬆症患者。

試験参加者は0.75μg/日の1α(OH)D3(n = 57)またはプラセボ(n = 56)に振り分けられた。

結果

腰椎L2-4BMDは、1α(OH)D3群で1年および2年後に1.81%および2.32%増加したが、プラセボ群では1.89%および0.28%減少した(P <0.05)。1年後の結果では、両群間に有意差(P <0.01)が認められた。

全身骨密度TBBMDにおいては、プラセボ群では1年後および2年後に3.34%および3.52%有意に減少した(P <0.01)。

コントロール群において、新たな骨折が6つ生じたが、1α(OH)D3群では2つだった(オッズ比 =0.343, 95%信頼範囲; 0.0648〜1.815)。

1α(OH)D3使用による重篤な副作用はなかった。

結論

2年間の1α(OH)D3による治療は、腰部BMDを増加させ、TBBMDの減少を抑制した。有意ではなかったが、1α(OH)D3群における新たな骨折の発生は、対照群の約1/3であった。

コメント

アブストのみ。

先日Lancet Diabetes Endocrinol誌に、骨折予防や転倒予防等も含めた筋骨格系へのビタミンD摂取の効果を検討したシステマティックレビュー&メタ解析が掲載されました(PMID: 30293909, Effects of vitamin D supplementation on musculoskeletal health: a systematic review, meta-analysis, and trial sequential analysis.)。結果としては “効果なし” とのこと。

アメリカではサプリメントを日常的に摂取する人が、日本と比べ多い傾向にあるようです。そういった関心からか、ビタミンやミネラル摂取の効果を検討している臨床研究が今日までに多く報告されています。

しかし海外での検討は、日本で用いられているような活性型ビタミンD3ではなく、いわゆる未活性型のビタミンDそのままです。

活性型と未活性型で効果に差があるのか知りたくなり論文検索しましたところ、今回の論文では、骨粗鬆症と診断された女性が活性型ビタミンD3であるアルファカルシドールを服用すると、骨密度の増加と、有意ではないものの骨折例が少なかったとのこと。小規模な検討ですが二重盲検のようですね。ランダム化はされていないかも。

今更ですが、1 alpha-hydroxy vitamin D3ってアルファカルシドールですよね?

構造式詳しい方教えてください。

ビクトーザ®️は心血管イベントを抑制できますか?(Lancet Diabetes & Endocrinology 2018)

Use of liraglutide and risk of major cardiovascular events: a register-based cohort study in Denmark and Sweden

Svanström H et al.

The Lancet Diabetes & Endocrinology 2018

DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-8587(18)30320-6

PMID: 未

試験の背景

臨床試験の結果によれば、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニストであるリラグルチド(ビクトーザ®️)は、心血管疾患を確立しているか、または心血管リスクが高い2型糖尿病患者の主要な心血管イベントのリスクを有意に低下させる。日常的な臨床診療におけるリラグルチドの心血管効果の評価目的に検討した。

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【雑記】ルミガン®️点眼液0.03%のジェネリック医薬品は「ニットー」が良いかもしれない

ルミガン®️点眼液0.03%の後発医薬品は2018年12月14日に発売です

背景

緑内障・高眼圧症治療剤のルミガン®️の後発医薬品が発売する予定です。

いくつかのメーカーから発売される予定ですが、なかでも日東メディック株式会社さんの “ビマプロスト点眼液0.03%「ニットー」” が良さそうだったので理由とともにご紹介したいと思います。

製品の特徴

1.生物学的同等性試験が免除されている

本製品の最大の特徴は「生物学的同等性試験が免除」されている点です。

以下、本製品の添付文書より一部抜粋;

生物学的同等性試験

ビマトプロスト点眼液0.03%「ニットー」は、標準製剤の分析結果に基づき添加剤の種類及び含量(濃度)が標準製剤と同一となるよう処方設計を行ったものであり、pH、粘度、浸透圧などの物理化学的性質が近似することから、生物学的に同等とみなされた。

つまり製造ラインは異なりますが、先発品のルミガン®️と成分・添加剤が同一なのです。個人的にはオーソライズド・ジェネリック(Authorized Generic: AG)と言っても差支えないと思います(メーカーさんはAGとは言ってないです。おそらく原薬の仕入先等が異なります)。

実際に試してみないとわかりませんが、使用感についてもさほど変わらないのではないかと推測されます。

2.配色が似ている

ジェネリック医薬品の使用に抵抗を示す患者さんによると、薬の名前が変わったり、薬剤の外観が変わることに不安を覚えるようです。

ビマプロスト点眼液0.03%「ニットー」は、先発品のルミガンと配色が酷似しています。

ただ容器については、先発品と比べると、やや丸みがあり、柔らかい気がしました。

ルミガン®️と同じ要領で使用すると薬液が出過ぎる恐れがあるのではないかと感じました。

3.容器を落としたときに転がりにくい

本製品の容器は丸みを帯びていますが、先発品と同じく側面は平らなため、誤って手元から滑り落ちても転がりにくい構造になっています。

コメント

興奮して一気に書きなぐってしまいましたが、製品については、多面的観点から非常に配慮されているなと感じました。

プロスタグランジン系の点眼薬は高額なものが多く、1本あたり数千円するものもあります。

治療を続けたいけどお金がないから1日おきで点眼したり、自己判断で治療を中断する人が、ジェネリック医薬品の登場で救われると良いなと思っています。

Conflict of Interest

日東メディック株式会社との間に開示すべき個人的・企業的COIはありません。

熱性痙攣既往の患者にアセトアミノフェンは安全に使えますか?(Pediatrics. 2018)

Acetaminophen and Febrile Seizure Recurrences During the Same Fever Episode.

Murata S et al.

Pediatrics. 2018 Nov;142(5). pii: e20181009. doi: 10.1542/peds.2018-1009. Epub 2018 Oct 8.

PMID:  30297499

目的

熱性痙攣(Febrile Seizure: FS)に対するアセトアミノフェンの安全性を確認し、同発熱エピソード中にFS再発を予防するか否か有効性を評価する。

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【症例検討】ピロリ菌除菌後のGERD発生率はどのくらいですか?

ピロリ菌除菌後の胃食道逆流症は本当に存在するのか?

背景

ある日、ピロリ菌除菌の患者さんが薬局を訪れた。処方内容は以下の通り;

Rp 1) ボノサップ®️パック — 11シート 朝夕食後 7日分

Rp 2) タケプロン®️OD15mg — 11 夕食後 21日分 ボノサップ服用終了後より開始

目的

ピロリ菌の一次除菌および除菌後の胃食道逆流症(GastroEsophageal Reflux Disease: GERD)予防の処方であると考えられる。ここでピロリ菌除菌後のGERDはどのくらい発生するのだろうか?という疑問がわいた。周りにきいてみると「10%ぐらいだったような」という、やや曖昧な回答。

そこで、

①どのくらいGERDが発生するのか?

②ピロリ菌除菌でGERD症状が緩和できるのか?

これら2点について明らかにするために論文検索を行った。

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