高齢者における心血管健康レベルと認知症との関係性はどのくらいですか?(JAMA 2018)

Association of Cardiovascular Health Level in Older Age With Cognitive Decline and Incident Dementia.

Samieri C, et al.

JAMA. 2018 Aug 21;320(7):657-664. doi: 10.1001/jama.2018.11499.

PMID: 30140876

研究の重要性

心血管の健康レベルと認知症リスクとの関係についての証拠は限られている。

目的

米国心臓協会(AHA)の7項目ツールを用いて定義された心血管の健康レベルと、高齢者における認知症および認知機能低下リスクとの関連性を調べること。

デザイン、設定、および参加者

ボルドー、ディジョンおよびモンペリエに居住の心血管疾患または認知症の既往歴が無い65歳以上を対象とした。

人口ベースのコホート研究を実施した(1999年1月〜 2016年7月)。実施期間には認知症の系統的検出(最終追跡日、2016年7月26日)を含む。

曝露

以下2つの健康レベルスコアを用いた。

1. AHAが推奨している7つの最適レベル(禁煙、体格指数<25、規則的な身体活動、週2回以上の魚の摂取および少なくとも3回のフルーツと野菜の摂取、未治療でのコレステロール<200 mg/dL、未治療での空腹時血糖100 mg/dL、未治療での血圧<120/80 mmHg; スコア範囲0~7)

2. 全般的な心血管健康スコア(範囲0~14; 各メトリックの低には0、中には1、最適レベルには2が、それぞれ割り当てられている)

主アウトカムと測定

専門家委員会によって検証された認知症発症と、グローバル認知複合スコアの変化(標準単位で、母集団平均から0までの値を意味する値は0であり、+1と-1は1 SD平均の上と下)をアウトカムとした。

結果

6,626人(平均年齢73.7歳、4200人の女性[63.4%])の集団のうち、ベースライン時の健康メトリクスについてそれぞれの最適レベルは以下のようであった。

2,412人(36.5%)がスコア0〜2

3,781人(57.1%)がスコア3〜4

433人(6.5%)がスコア5〜7

平均8.5年(範囲0.6〜16.6)のフォローアップ期間中、745例に認知症が認められた

最適レベルで0または1の健康指標を有する者のうち、100人年あたりの認知症発生率は1.76(95%CI 1.38〜2.15)であり、スコア0あるいは1と比較した各スコアにおける認知症発症率の絶対差は以下のとおり。

スコア2 — -0.26(95%CI -0.48〜-0.04)

スコア3 — -0.59(95%CI -0.80〜-0.38)

スコア4 — -0.43(95%CI -0.65〜-0.21 )

スコア5 — -0.93(95%CI、-1.18〜-0.68)

スコア6〜7 — -0.96(95%CI、-1.37〜-0.56)

多変量モデルでは、認知症のハザード比は、追加の最適メトリックごとに0.90(95%CI 0.84〜0.97)、グローバルスコアで0.92(95%CI 0.89〜0.96)であった。

さらに、ベースライン時の各追加最適メトリックに関連するグローバル認知スコアの増加は、包括的には0.031(95%CI 0.009〜0.053)、6年目には0.068(95%CI 0.045〜0.092)、12年目には0.072(95%CI 0.042〜0.102)であった。

結論と妥当性

高齢者を対象とした本コホートでは、最適な心血管健康指標と心血管健康スコアの増加は、認知症のリスクが低く、認知機能低下率が低いことと関連していた。これらの知見は、認知機能低下および認知症に関連する危険因子を予防するための心血管の健康促進を支援し得る。


コメント

アブストのみ。

心血管健康レベルと認知症との関連性を検討した人口ベース研究。

結果は、心血管健康レベルが高いほど認知症発症リスクが低いとのこと。

各スコアをみると、ほどほどなら3、頑張るなら5くらいを目指せば良さそう。個々人でやれる範囲で取り組めば良いと思う。個人的には、あくまで観察研究なので、心血管健康レベルをあげると認知症リスクを下げられそうくらいに捉えている。

健康オタクになり精神的に不健康にならないことの方が良いのでは?と患者さんをみていて思う。

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