新薬シベクトロ®️によるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌への効果はどのくらいですか?(vs. ザイボックス®️;J Infect Chemother. 2018.)

Efficacy, safety and pharmacokinetics of tedizolid versus linezolid in patients with skin and soft tissue infections in Japan – Results of a randomised, multicentre phase 3 study.

Randomized controlled trial

Mikamo H, et al.
J Infect Chemother. 2018.

PMID: 29530544

目的

テジゾリド200mg(1日1回・7日間治療)とリネゾリド600mg(1日2回・7〜14日間治療)の有効性と安全性を比較するために、オープンラベル・ランダム化(2:1の比率)第3相試験を実施した。

方法

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の疑いが強い軟部組織感染症(SSTI)および7〜21日間のSSTIに関連した皮膚組織の急性合併感染症を有する日本の成人患者(N = 125)を対象とした。

主要アウトカムは、微生物学的に評価可能なMRSA集団(ME-MRSA、N = 39)における臨床治癒率(TOC)のTime Pointだった(SSTI 7〜14日、菌血症 治療終了[EOT]後4~6週間)。

副次評価項目は、EOTにおける臨床的および微生物学的奏功率であった。

安全性パラメータは、安全解析集団でフォローアップまで評価された。

データ分析は概ね許と同様だった。

結果

患者集団のベースライン特性は両群間で類似していた。

ME-MRSA集団のTOCは、テジゾリド(92.6%)およびリネゾリド(88.9%)群で臨床治癒率が類似していた。

ME-MRSA集団におけるEOTは、臨床治癒(テジゾリド93.1%、リネゾリド90.0%)および微生物学的成功(テジゾリド93.1%、リネゾリド100.0%)が類似していた。

どちらの治療も良好な忍容性を示した。全般的な治療に伴う緊急性の高い有害事象(TEAE)は、テジゾリドとリネゾリドで類似していた(テジゾリド79.5% vs. リネゾリド75.6%)。

薬物関連のTEAEはリネゾリドに比べ、テジゾリドの方が少なかった(テジゾリド30.1% vs. リネゾリド39.0%)。また胃腸(21.7% vs. 26.8%)および骨髄抑制関連TEAE(2.4% vs. 22.0%)についても同様にテジゾリドの方が少なかった。

リネゾリド群で1例が死亡した。

結論

テジゾリドは、日本の成人患者におけるSSTI治療のための適切な抗生物質であり得る。

国際臨床試験登録番号:NCT01967225。日本の臨床試験登録番号:JapicCTI-132308。


コメント

アブストのみ。

製薬メーカーが、抗菌薬の新薬開発事業から撤退しているニュースを目にすることが多くなってきました。そんな中、2018年8月21日にMRSAに適応をもつ “シベクトロ®️”(テジゾリド)がMSDから発売されました。

さて、本研究は既存薬であるザイボックス®️(リネゾリド)との比較について、日本人を対象に行った貴重な臨床試験。有効性について両群間に差はありませんでしたが、治療関連有害事象はテジゾリドの方が少なかった。

コストについては以下の通り。1日あたりの治療費については、後発医薬品のあるザイボックス®️が安いですが、本試験のプロトコルを参考にすると治療必要日数により、同額ぐらいになりそうですね。

シベクトロ®️ — 200 mg(20,801.40)×1日1回1錠

ザイボックス®️ — 600 mg(10400.7円 /後発医薬品6169.6円)×1日2回 1回1錠

ただ薬剤耐性を避けるためには、やはり使いどころを考察していく姿勢が肝要ですね。

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