【AMR対策】安易に抗生剤を使うと救急外来の受診率が上がる?(Clin Infect Dis. 2008)

Emergency department visits for antibiotic-associated adverse events.

Shehab N et al.

Clin Infect Dis. 2008 Sep 15;47(6):735-43. doi: 10.1086/591126.

PMID: 18694344

試験の背景

薬物関連の有害事象は、抗生物質使用の過小評価の結果であり、これらの事象において全国規模まで範囲はを広げた研究はされていない。本試験の目的は、米国における抗生物質に関連する薬物関連有害事象により救急外来(emergency department, ED)を訪問した件数および割合を、薬物クラス、個々の薬物および引き起こされた事象タイプによって比較および推定することであった。

方法

the National Electronic Injury Surveillance System-Cooperative Adverse Drug Event Surveillance project(2004〜2006年)のデータから薬物関連有害事象を、そしてthe National Ambulatory Medical Care Survey and the National Hospital Ambulatory Medical Care Survey(2004~2005年)の外来ケア診療の国別サンプル調査から得られた外来薬処方を解析した。

結果

6614例のデータに基づき、抗生物質の全身投与に起因する薬物関連有害事象について、米国EDに年間142,505回の受診(95%信頼区間[CI] 116,506〜168,504)があった。

抗生物質は、全ED訪問における薬物関連有害事象の19.3%に関連していた。ほとんどの抗生物質関連有害事象によるED訪問は、アレルギー反応だった(全ED訪問の78.7%、95%CI 75.3%〜82.1%)。

訪問EDの半分は、ペニシリン(全ED訪問の36.9%、95%CI 34.7%〜39.2%)およびセファロスポリン(全ED訪問の12.2%、95%CI 10.9%〜13.5%)に起因した。

 

一般的に処方された抗生物質の中で、スルホンアミド(スルファメトキサゾール等;バクタ®️、バクトラミン®️)およびクリンダマイシン(ダラシン®️、ミドシン®️)は、ED訪問率が最も高かった。

  スルホンアミド:18.9 ED訪問 /10,000人の外来処方(95%CI 13.1〜24.7 /10,000人)

クリンダマイシン:18.5 ED訪問 /10,000人の外来処方(95%CI 12.1〜25.0 /10,000人)

 

他の抗生物質クラスと比較して、スルホンアミドは中等度から重度のアレルギー反応(4.3%、95%CI 2.9%〜5.8% vs. 1.9%、95%CI 1.5%〜2.3 %)と関連していた。

スルホンアミドおよびフルオロキノロン(ニューキノロン)は、神経学的または精神医学的障害の高罹患率と関連していた(1.4%、95%CI 1.0%〜1.7% vs. 0.5%、95%CI 0.4%〜0.6%)。

結論

抗生物質関連の有害事象は多くの救急外来受診(ED訪問)を招いた。また一般的な事象として最も多かったのはアレルギー反応だった。

不必要な抗生物質の使用を最小限に抑えることは、個々の患者における薬物関連有害事象の間接的かつ直接的なリスクを有意に低減する可能性がある。


コメント

岸田先生の本(誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた

重篤な疾患を見極める!)に掲載されていた論文。

まさか救急外来の受診率が上がっているとは思いませんでした。

どんなときに、誰に、どのくらい抗生物質が必要か考え、本気で取り組んで、さらにその取り組みを継続していくことが肝要そうですね。

 

 

 

-Evidence never tells you what to do-




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