DPP4阻害薬は糖尿病性網膜症のリスクとなりますか?(Diabetes Metab. 2018)#100

Dipeptidyl peptidase-4 inhibitor use and risk of diabetic retinopathy: A population-based study.

Kim NH et al.

Diabetes Metab. 2018 Mar 27. pii: S1262-3636(18)30073-9. doi: 10.1016/j.diabet.2018.03.004. [Epub ahead of print]

PMID: 29752167

試験の目的

ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害薬(dipeptidyl peptidase-4 inhibitor: DPP4i)の使用が、2型糖尿病患者における他の血糖降下藥と比較して、糖尿病性網膜症に有益であるか有害であるかを検討した。

方法

韓国の国民健康保険サービスが提供する集団ベースのコホートから、2008年〜2013年の間に経口血糖降下薬で治療された67,743人の2型糖尿病患者が同定された。

マッチング(11)はDPP-4阻害剤の使用群を症例casesおよび非使用群を対照controlsとした(各群n =14,522)。

Cox回帰分析を用いて、以下の糖尿病性網膜症イベントのリスクを評価した;①硝子体出血、②硝子体切除または光凝固、③硝子体内薬剤使用(眼内注射)、④失明

結果

中央値28.414.045.2)ヶ月の追跡期間中、糖尿病性網膜症の複合イベントは対照群で30521%DPP4i使用群で34223.6%であった。DPP-4i使用は、対照群と比較し、糖尿病性網膜症の複合イベントの全リスクと関連していなかった。

調整ハザード比(aHR=1.08, 95CI 0.931.26

また糖尿病性網膜症の各アウトカムのリスクとも関連していなかった。

しかし、12ヶ月未満DPP-4i使用は、同治療期間にわたる他の血糖降下薬と比較して糖尿病性網膜症の複合イベントリスクが高かった(

aHR =1.31, 95CI 1.091.57

結論

他の経口血糖低下薬と比較して、DPP-4阻害剤使用は、糖尿病性網膜症の全リスクを増加させなかった。しかしながら、DPP-4阻害剤は、治療の初期段階において網膜症イベントのリスク増加と関連する可能性がある。

KEYWORDS

Diabetic retinopathy; Dipeptidyl peptidase-4 inhibitors; Type 2 diabetes


コメント

治療初期のみリスク増加するという結果であった。

コホート研究であるため、あくまで相関関係だが、糖尿病治療を行なおうとして網膜症リスクを増加させてしまうという本末転倒な結果に驚きを隠せない。

しかし個人的な印象として、まず交絡因子ありそうというのと、リスク増加(1.091.57)は、それほど高い値ではない。

 

 

 

-Evidence never tells you what to do-




👇 ポチッていただけますと喜びます。

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です