中高年齢者の起立性低血圧における臨床および無症候性心血管疾患リスク(J Am Heart Assoc. 2018; ARIC trial)

Orthostatic Hypotension and Risk of Clinical and Subclinical Cardiovascular Disease in Middle-Aged Adults.

Juraschek SP et al.

J Am Heart Assoc. 2018 May 7;7(10). pii: e008884. doi: 10.1161/JAHA.118.008884.

PMID: 29735525

背景

起立性低血圧(orthostatic hypotension: OH)は神経障害および血液量低下のよく知られた症状であるが、心血管疾患(CVD)リスクへの関係性について結論が得られていない。

方法

仰臥位から​​立位への体制移動により、2分後の収縮期血圧≧20 mmHgまたは拡張期血圧≧10 mmHgの低下が認められた場合を起立性低血圧(OH)と定義した。OHを有する参加者は、Atherosclerosis Risk in Communities(ARIC)研究において1987〜1989年の間に登録された患者であった。

すべての参加者は、心筋梗塞、心不全、脳卒中、致死性冠動脈疾患(coronary heart disease: CHD)、全CHD(無症候性、非致死性、致死性CHDまたは心臓手術を含)、および全死亡の発生について追跡調査された。

参加者は、最初の訪問時に頸動脈内膜肥厚およびプラークについて評価された。 2回目の来院時(1990-1992)に採取された血液サンプルで、検出可能な高感度トロポニンT(≧5 ng/L)およびNT-proBNPの上昇(N末端pro-B型ナトリウム利尿ペプチド; ≧100 pg/mL)を検討した。全手の相関性については、既知のCVDリスク因子について調整された。

結果

中央値26年の追跡期間中、9,139人の参加者(女性57%; 黒人23%、平均年齢54.0±5.7歳)のうち、3%(245例)が起立性低血圧(OH)を有していた。

OHによる各アウトカムへの影響(ハザード比, hazard ratio, HR; 95%信頼区間, 95% confidence interval, 95%CI)は次の通り;

  心筋梗塞 — HR =1.88(95%CI 1.44〜2.46

  うっ血性心不全 — HR =1.65(95%CI 1.34〜2.04

  脳卒中 — HR =1.83(95%CI 1.35〜2.48

  致命的CHD — HR =2.77(95%CI 1.93〜3.98

  全CHD — HR =2.00(95%CI 1.64〜2.44

  全死亡 — HR =1.68(95%CI 1.45〜1.95

 

またOHは、頚動脈内膜肥厚(β =0.05 mm, 95%CI 0.04〜0.07 mm)、頚動脈プラーク(オッズ比, odds ratio, OR =1.51, 95%CI 1.18〜1.93)、検出可能な高感度トロポニンT(OR =1.49, 95%CI 1.16〜1.93)およびNT-proBNPの上昇(OR =1.92, 95%CI 1.48〜2.49)。

結論

ARIC試験の参加コミュニティにおいて、中年期で同定されたOHは、将来のCVDイベントおよび準臨床的CVDと関連していた。CVDの病因におけるOHの因果的役割を確立するためには、さらなる研究が必要である。


コメント

アブストのみ。

起立性低血圧を呈す中高年患者集団において、起立性低血圧そのものが将来の心血管イベントのリスク因子である可能性が示唆された。追跡期間は26年と長い。しかしイベント発生数が少ない。

本研究はコホート研究であるため、あくまで相関関係である。

 

 

 

-Evidence never tells you what to do-




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