DPP4阻害薬は糖尿病性網膜症のリスクとなりますか?(Diabetes Metab. 2018)#100

Dipeptidyl peptidase-4 inhibitor use and risk of diabetic retinopathy: A population-based study.

Kim NH et al.

Diabetes Metab. 2018 Mar 27. pii: S1262-3636(18)30073-9. doi: 10.1016/j.diabet.2018.03.004. [Epub ahead of print]

PMID: 29752167

試験の目的

ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害薬(dipeptidyl peptidase-4 inhibitor: DPP4i)の使用が、2型糖尿病患者における他の血糖降下藥と比較して、糖尿病性網膜症に有益であるか有害であるかを検討した。

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出血性脳卒中後の降圧薬はしっかり飲んだ方が良いですか?(Hypertension 2018)

Effect of Adherence to Antihypertensive Medication on the Long-Term Outcome After Hemorrhagic Stroke in Korea

Kim et al.

Hypertension 2018

PMID: 29915019

研究の背景

高血圧症は、出血性脳卒中の最も重要な単一の危険因子であり、世界的に死亡率および障害の主要な原因である。降圧薬の服薬アドヒアランスは、厳密な血圧管理を達成するために不可欠だが、服薬アドヒアランス不良は臨床診療において一般的である。

試験の目的

急性出血性脳卒中患者における降圧薬の服薬アドヒアランスおよび長期的なアウトカムへの影響を評価した。本研究は韓国全土の健康保険請求データベースに基づく後向きコホート研究である。

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COPD患者にβ遮断薬を使用しても良いですか?②(Chest. 2018)

β-Blockers in COPD: A Cohort Study From the TONADO Research Program.

Maltais F et al.

Chest. 2018 Jun;153(6):1315-1325. doi: 10.1016/j.chest.2018.01.008. Epub 2018 Jan 31.

PMID: 29355547

FUNDING/SUPPORT

This work was supported by Boehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG. Medical writing assistance was contracted and compensated by Boehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG

私的背景

引き続きCOPDにおけるβ遮断薬使用がテーマです。Chestに最新の研究(といっても事後解析ですが…)が報告されていたので読んでみました。

前回の記事はこちら↓

COPD患者にβ遮断薬を使用しても良いですか?①(CDSR. 2005)

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COPD患者にβ遮断薬を使用しても良いですか?①(CDSR. 2005)

Cardioselective beta-blockers for chronic obstructive pulmonary disease.

Salpeter S et al.

Cochrane Database Syst Rev. 2005 Oct 19;(4):CD003566.

PMID: 16235327

研究の背景

β遮断薬による治療は、高血圧、心不全および冠動脈疾患患者だけにとどまらず、周術期においても死亡を低下させることが示唆されている。また、これらの薬物は、(その作用機序から)伝統的に慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)患者において禁忌とみなされてきた。

研究の目的

心臓選択的β遮断薬がCOPD患者の呼吸機能に与える影響を評価する


論文検索

CENTRALMEDLINEEMBASEおよびCINAHLの系統的検索。1966年から20055月までのランダム化盲検比較試験を対象とし、言語の制限は設けなかった。

選択基準

COPD患者の1秒間の努力肺活量(the forced expiratory volume in 1 second: FEV1)または症状に対する心選択的β遮断薬の効果を検証したランダム化、盲検化、単回投与試験または長期間の試験。

データ収集と分析

独立したレビュアー2人がデータを抽出し、コンセンサスで差異を調整した。対象となった論文は、β遮断薬の使用、単回投与またはより長期間投与された試験、および試験薬剤投与後にβ2-アゴニストを使用していた研究であった。

主な結果

採択基準を満たしたものは、単回用量治療についての研究が11件、2日~12週間とより長い期間の研究が9件であった。

心臓選択的β遮断薬を単回投与または長期間投与した場合、プラセボと比較してFEV1あるいは呼吸器症状に変化をもたらさず、FEV1治療応答に影響しなかった。

サブグループ解析では、重度の慢性気道閉塞または可逆性気道閉塞を有する患者の結果に変化はなかった。

結論

COPD患者への心選択的β遮断薬は有害な呼吸作用をもたらさなかった。心不全、冠動脈疾患、高血圧等に対し実証されたベネフィットを考慮すると、COPD患者に対する心選択的β遮断薬の使用は保留されるべきではない。


コメント

今更感満載ですが、COPD患者へのβ遮断薬使用のリスクについて調べた。

心臓選択的なβ遮断薬の使用は、COPD患者にとって有益であった。

作用機序からβ遮断薬使用により気管支攣縮が引き起こされ、病状を悪化させるのではないか?という懸念は払拭されたのではないでしょうか。次回も同じテーマを取り上げます。

-Evidence never tells you what to do-




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変形性膝関節症患者におけるニンニクエキスの効果はどのくらいですか?(Int J Clin Pract. 2018)

The effect of 12-week garlic supplementation on symptom relief in overweight or obese women with knee osteoarthritis.

Salimzadeh A et al.

Int J Clin Pract. 2018 May 23:e13208. doi: 10.1111/ijcp.13208. [Epub ahead of print]

PMID: 29790635

試験の目的

慢性関節痛および(関節)硬直、機能障害は、変形性関節症(osteoarthritis: OA)の主要な衰弱性特徴である。本研究の目的は、過体重または肥満女性の変形性膝関節アウトカムに対する12週間のニンニクサプリメントの影響を評価することであった。

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中高年齢者の起立性低血圧における臨床および無症候性心血管疾患リスク(J Am Heart Assoc. 2018; ARIC trial)

Orthostatic Hypotension and Risk of Clinical and Subclinical Cardiovascular Disease in Middle-Aged Adults.

Juraschek SP et al.

J Am Heart Assoc. 2018 May 7;7(10). pii: e008884. doi: 10.1161/JAHA.118.008884.

PMID: 29735525

背景

起立性低血圧(orthostatic hypotension: OH)は神経障害および血液量低下のよく知られた症状であるが、心血管疾患(CVD)リスクへの関係性について結論が得られていない。

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血液分布異常性ショックを伴う心房細動患者におけるバソプレシン+カテコールアミン昇圧薬 vs. カテコールアミン単独使用との関連 SR&MA(JAMA. 2018)

Association of Vasopressin Plus Catecholamine Vasopressors vs Catecholamines Alone With Atrial Fibrillation in Patients With Distributive Shock: A Systematic Review and Meta-analysis.

McIntyre WF et al.

JAMA. 2018 May 8;319(18):1889-1900. doi: 10.1001/jama.2018.4528.

PMID: 29801010

研究の重要性

血液分布異常性ショック(過度の血管拡張、最頻は重度の感染症)を有す患者におけるカテコールアミン型昇圧剤使用に対し、バソプレシンは代替となり得る。非カテコールアミン(noncatecholamine)昇圧薬による血圧のサポートは、アドレナリン作動性受容体の刺激を減少させ、心筋酸素需要を減少させる可能性がある。心房細動(疾患の存在自体)はカテコールアミンと共通点を有しており、死亡および滞在期間の延長(length of stay: LOS)等の有害事象の発生と関連している。

試験の目的

カテコールアミン昇圧薬単独と比較し、バソプレシン+カテコールアミン昇圧薬による治療が、有害事象のリスク低下と関連しているかどうか検討する。

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【代用のアウトカムですが需要ありますか?】アマリール®️の用量を増やすと血糖低下作用も増強されますか?(Diabetes Care. 1996)

A dose-response study of glimepiride in patients with NIDDM who have previously received sulfonylurea agents. The Glimepiride Protocol #201 Study Group.

Goldberg RB et al.

Diabetes Care. 1996 Aug;19(8):849-56.

PMID: 8842603

研究の目的

2型糖尿病患者におけるアマリール®️(グリメピリドの有効性、安全性および用量反応関係を評価する

研究デザインと方法

21日間のプラセボウォッシュアウト期間の後、304人の患者を次の3群にランダムに割り付けた。いずれも11回投与とした

 ①グリメピリド — 1 mg

 ②グリメピリド — 4 mg

 ③グリメピリド — 8 mg(日本での承認用量は最大6 mg

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【AMR対策シリーズ】膀胱鏡検査後に抗生剤は必須ですか?(Int Braz J Urol. 2015)

Efficacy of antibiotic prophylaxis in cystoscopy to prevent urinary tract infection: a systematic review and meta-analysis.

Garcia-Perdomo HA et al.

Int Braz J Urol. 2015

PMID: 26200530

私的背景

90歳代女性。血尿のため泌尿器科を受診。その際、膀胱鏡検査を実施し、クラビット®(一般名:レボフロキサシン塩酸塩)錠500 mg、1日1回朝食後、3日分が処方された。膀胱及び尿検査に異常は認められなかった。

年齢や腎機能等を考慮しクラビット錠250 mgへの変更提案を行い採択された。しかし、そもそも膀胱鏡検査後に抗生剤はどの程度必要なのかという疑問がわいてきたため文献検索を行い、上記の文献を見つけることができた。文献では、膀胱鏡検査30~60分前に抗生剤の投与を行った論文が対象となったようだ。

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