心房細動と心不全の合併患者には抗凝固薬を使用した方が良いですか?(Heart Vessels 2018)

Thromboembolisms in atrial fibrillation and heart failure patients with a preserved ejection fraction (HFpEF) compared to those with a reduced ejection fraction (HFrEF).

Sobue Y et al.

Heart Vessels. 2018 Apr;33(4):403-412.

PMID: 29067492

研究の背景・目的

心不全(HF)は、保存された駆出率を有するHF(Heart Failure with preserved Ejection Fraction, HFpEF:EF≧50%)、mid-range駆出率を有するHF(HFmrEF:40≦EF <49%)、および減少した駆出率を有するHF(HFrEF:EF <40%)の3つに分けられる。

これらのタイプは、しばしば心房細動(AF)と共存する。本試験では、HFpEFを有するAF患者(AF-HFpEF)とHFrEF(AF-HFrEF:HFmrEFおよびHFrEF)患者を比較し、脳卒中/全身塞栓症(strokes/systemic embolisms:SSEs)の割合、および独立した予測因子について検討した。

方法

HF悪化により入院した1,350人の患者を前向きに登録した。

結果

AF-HFpEF(n =129, 43%)あるいはAF-HFrEF(n =172, 57%)のいずれかを有する301人の患者を同定した。AF-HFrEF患者と比較して、AF-HFpEF患者は高齢かつ女性である傾向が認められた。

経口抗凝固剤の使用はそれぞれAF-HFpEF 63%, AF-HFrEF 66%であった。平均追跡期間26ヶ月の間に、SSEsが21人(7%)、全死亡が66人(22%)であった。

SSEsの粗年率は、両群間で同様であった。

  3.9% vs 2.7%, P = 0.47

 

多変量Cox回帰分析では、

  ①75歳以上(ハザード比 HR =2.14, 95%信頼区間CI 1.32〜3.58, P <0.01)

  ②血漿B型ナトリウム利尿ペプチド(plasma B-type natriuretic peptide:BNP)レベル ≧341 pg/mL(HR =1.60, 95%CI 1.07〜2.39, P <0.05)

上記の2点がSSEsと関連していた。

 

EFはSSEsの独立した予測因子ではなかった。

  HR =1.01(95%CI 0.98〜1.04, P = 0.51)

 

AF-HFpEFとAF-HFrEFとの間のSSEs率に有意差はなかった。

結論

HFおよびAFを合併する患者は、EFに関係なく抗凝固剤で治療されるべきである。

 

キーワード

Atrial fibrillation; B-type natriuretic peptide; Ejection fraction; Stroke


コメント

アブストのみ。

以前に以下の論文を読んだ。

駆出率の差異により心不全の死亡率に違いはありますか?(Eur Heart J. 2018;Free)

個人的には心房細動の並存がHFpEF死亡率を上昇させると考えていた。しかし本試験では、駆出率による違いは認められなかった。これは経口抗凝固薬を両群ともに同程度使用しているためであると考えられる。ただ使用率は両群とも60%程度。

心房細動患者には、なるべく抗凝固薬を使用した方が良いと著者は結論しているが、早計な気がする。

 

 

 

-Evidence never tells you what to do-




👇 ポチッていただけますと喜びます。

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です