2型糖尿病患者における末期腎障害リスクはどのくらいですか?(Diabetes Care. 2019)

Cumulative Risk of End-Stage Renal Disease Among Patients With Type 2 Diabetes: A Nationwide Inception Cohort Study.

Finne P, et al.
Diabetes Care. 2019.
PMID: 30692239

試験の目的

2型糖尿病診断後の末期腎臓病(ESRD)の長期累積リスクを推定すること。

研究デザインおよび方法

本全国規模の集団ベースコホート研究には、1990年から2011年に診断された2型糖尿病患者421,429人が含まれた。

人口の100%をカバーする、フィンランドのいくつかの国民健康管理レジスター間のデータリンクは、抗糖尿病薬を服用し始めたか、または糖尿病のために入院したほぼ全ての住民の包含を可能にした。

ESRDの累積リスクおよびESRD、死亡のハザード比[HR]は、年齢、性別、および糖尿病診断の期間に従って推定された。

結果

2型糖尿病患者421,429人のうち、1,516人がESRDを発症し、150,524人が3,458,797患者 – 年の追跡期間中に死亡した。

ESRDの累積リスクは、糖尿病の診断から10年で0.29%、20年で0.74%であった。

リスクは女性より男性の方が高く(HR 1.93 [95%CI 1.72〜2.16])、診断時の年齢が上がるにつれて減少した(年齢60-69歳に対してHR 0.70 [95%CI 0.60-0.81] vs. 40-49歳)。

そして、2000年から2011年に診断された患者の方が1990年から1994年に糖尿病と診断された患者よりもESRDリスクが低かった(HR 0.72 [95%CI 0.63〜0.81])。

2000年から2011年に糖尿病と診断された患者は、1990年から1994年に診断された患者より追跡期間中の死亡リスクが低かった(HR 0.64 [95%CI 0.63〜0.65])。

結論

2型糖尿病患者の死亡リスクと比較して、ESRDの累積リスクは最小だった。より高齢で糖尿病と診断された患者は、死亡率が他の年齢層より高いためにESRDリスクがより低いと考えられる。


コメント

アブストのみ。

ESRDを発症したのは全体の約0.36%にあたる1,516例。思ったよりも少なかった。
フィンランド人口ベースのコホート研究であるため、そのまま日本人へ外挿できないかもしれないが、傾向としては似ているのではなかろうか。
治療の効果や選択肢が増えたため、いわゆる ‘きちんと’ 治療を行っていれば腎障害にはなりにくいのかもしれない。
過去のコクランレビューでは、低血糖なく血糖がより低い値でコントロールできている患者の方が、微小血管合併症は少ない(大血管は血糖コントロールだけではなんともなりませんが)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください