高齢者の血圧コントロールは140/80 mmHg以上が良い?(ドイツ人口ベース前向きコホート研究; the Berlin Initiative Study; Eur Heart J. 2019)

Control of blood pressure and risk of mortality in a cohort of older adults: the Berlin Initiative Study.

Douros A, et al.

Eur Heart J. 2019.

PMID: 30805599

試験の目的】

降圧治療中の血圧(BP)値が140/90 mmHg未満であることが、地域在住の高齢者における全死亡リスクの低下と関連しているかどうかを評価すること。

【方法】

ベルリンイニシアチブスタディの中で、我々はベースライン時に降圧薬で治療された70歳以上の患者コホートを集めた(2009年11月 – 2011年6月)。

Cox比例ハザードモデルでは、年齢または心血管イベント既往による層別化後、非正常BP(SBP≧140 mmHgまたはDBP≧90 mmHg)と比較して、正常BP [収縮期血圧(SBP,<140 mmHg)および拡張期血圧(DBP, <90 mmHg)に関連する全死亡率の調整ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を得た。

【結果】

降圧薬を服用している1,628人の患者(平均年齢81歳)のうち、636人が正常BPを示した。追跡期間8,853人年の間に、469人の患者が死亡した。

非正常BPと比較して、正常BP患者では全死亡リスク増加と関連していた(発生率:1,000 /年当たり60.3 vs. 48.5; HR =1.26, 95%CI 1.04〜1.54)。

80歳以上の患者(1000 /年当たり102.2 vs.77.5; HR =1.40, 95%CI 1.12〜1.74)および心血管イベント既往(1,000 /年当たり98.3 vs.63.6; HR =1.61, 95%CI 1.142.27)ではリスク増加が観察された。

一方、70〜79歳の患者(1000 /年当たり22.6 vs. 22.7; HR =0.83, 95%CI 0.54〜1.27)または心血管イベント既往のない患者(1000 /年当たり45.2 vs. 44.4); HR =1.16, 95%CI 0.90〜1.48)ではリスク増加は認められなかった。

【結論】

降圧治療中の血圧値が140/90 mmHg未満の場合、80歳代の高齢者または以前に心血管イベントを有する高齢患者における死亡リスクの増加と関連している可能性がある。


【コメント】

アブストのみ。

人口ベースの前向きコホート研究。あくまで仮説生成であるが、死亡リスク増加という点においては、結果を慎重に受け止めたいところ。

SBP 140/ DBP 90 mmHg未満の、いわゆる診療ガイドラインでいうところの正常BPは、高齢者においては死亡リスク増加と関連していた。

心血管イベント既往患者において、血圧の下げ過ぎが死亡リスク増加となるけど点が興味深かった。なにか未知の交絡因子の影響がありそう。

今のところ高齢者の降圧はほどほどで良さそう。

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