非弁膜症性心房細動患者における骨折リスクはプラザキサ®️とワーファリン®️どちらが高いですか?(中国 人口ベース後向き研究; JAMA 2017)

Association Between Dabigatran vs Warfarin and Risk of Osteoporotic Fractures Among Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation.

Lau WC, et al.

JAMA. 2017 Mar 21;317(11):1151-1158.

doi: 10.1001/jama.2017.1363.

PMID: 28324091

【試験の重要性】

非弁膜症性心房細動(nonvalvular atrial fibrillation, NVAF)患者におけるダビガトラン使用による骨粗鬆症性骨折リスクは不明である。

【目的】

NVAF患者におけるダビガトランとワルファリンによる骨粗鬆症性骨折のリスクを調査する。

【試験設計、設定、試験参加者】

香港病院局によって管理されている人口全体のデータベースを使用した後向き(遡及的)コホート研究。

2010年から2014年にNVAFと新たに診断され、ダビガトランまたはワルファリンを処方された患者は、2016年7月31日までのフォローアップで1:2の比率の傾向スコアと一致した。

【暴露】

研究期間中のダビガトランまたはワルファリンの使用。

【主なアウトカムと測定】

骨粗鬆症性股関節骨折と椎骨骨折のリスクを、ポアソン回帰を使用してダビガトランとワルファリンのユーザー間で比較した。 95%CIの対応する発生率比(incidence rate ratio, IRR)および絶対リスク差(absolute risk difference, ARD)が計算された。

【結果】

・新たにNVAFと診断された51,496人の患者のうち、ダビガトラン(n =3,268)およびワルファリン(n =4,884)の新規使用者8,152人が傾向スコア(50%女性; 平均[SD]年齢74 [11]歳)と一致した。

・骨粗鬆症性骨折は、フォローアップ中に104人(1.3%)の患者に発生した(ダビガトラン使用者32人[1.0%]、ワルファリン使用者72人[1.5%])。

・ポアソン回帰分析の結果、ダビガトラン使用は、ワルファリンと比較して骨粗鬆症性骨折リスクが有意に低いことが示された。

★0.7/100人年 vs. 1.1/100人年, ARD =-0.68 [95%CI -0.38〜-0.86]; IRR =0.38 [95%CI 0.22〜0.66]

・低リスクとの関連は、転倒、骨折、またはその両方の既往がある患者で統計的に有意だった。

★ダビガトラン vs. ワルファリン: 1.6/100人年 vs. 3.6/100人年, ARD =-3.15 [95%CI -2.40 〜-3.45]; IRR =0.12 [95%CI 0.04〜0.33]

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・ただし既往のない人においてはリスク低下認められなかった。

★ダビガトラン vs. ワルファリン: 0.6/100人年 vs. 0.7/100人年, ARD =-0.04 [95%CI 0.67〜-0.39]; IRR =0.95 [95%CI 0.45〜1.96], 相互作用のP値 <0.001

【結論と関連性】

抗凝固療法を受けているNVAFの成人において、ダビガトランはワルファリンと比較して、骨粗鬆症による骨折リスクが低くなった。

おそらくランダム化臨床試験を含む追加の研究は、ダビガトランとワルファリンの使用と骨折リスクとの関係をさらに理解するために保証されるかもしれない。


【コメント】

アブストのみ。

ビタミンKは、プロトロンビン等の血液凝固因子を活性化し、①血液凝固を促すだけでなく、骨たんぱく質オステオカルシンの活性化を介し、②骨形成を調節する。またビタミン K依存性たんぱく質Matrix Gla Protein(MGP)活性化による③動脈の石灰化を防ぐことが過去の研究で示唆されている。しかし、どれもin vitroの研究である。

さて、本研究の検討結果により、少なくともワルファリンと比較すると、ダビガトランは骨粗鬆症に伴う骨折リスクを低下させることが示唆された。また、あくまでも仮説生成ではあるが、転倒や骨折の既往がある患者において有意なリスク低下であった。つまり、これらの既往がなければ、リスク低下は認められない可能性が高い。

基礎研究との整合性が得られた可能性が高いが、プラセボとの比較も必要であると考えられる。

続報を待ちたい。

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