糖尿病患者でのバイアスピリン®️使用による心血管イベント初発予防効果はどのくらいですか?(RCT; ASCEND; N Engl J Med 2018)

Effects of Aspirin for Primary Prevention in Persons with Diabetes Mellitus.

Randomized controlled trial

ASCEND Study Collaborative Group, N Engl J Med. 2018.

Funding: British Heart Foundation and others

ASCEND Current Controlled Trials number, ISRCTN60635500

ClinicalTrials.gov number: NCT00135226

PMID: 30146931

【背景】

真性糖尿病は心血管イベントのリスク増加と関連している。アスピリンの使用は閉塞性血管イベントのリスクを軽減するが、出血リスクを増大させる。

糖尿病患者における心血管イベントの初発予防のための利点と危険のバランスは不明である。

【方法】

糖尿病を患っているが明らかな心血管疾患を患っていない成人を対象に、1日100mgアスピリンを投与する群、またはプラセボ群にランダムに割り当てた。

主要な有効性アウトカムは、初発の重篤な血管イベント(すなわち、確認された頭蓋内出血を除く、心筋梗塞、卒中または一過性虚血性発作、または任意の血管原因による死亡)であった。

主要な安全性アウトカムは、初発の主要な出血事象(すなわち、頭蓋内出血、眼球内の視力を脅かす出血事象、胃腸管の出血、または他の深刻な出血)であった。

二次アウトカムは消化管癌を含んでいた。

【結果】

・合計15,480人の参加者がランダム化を受けた。

・7.4年の平均追跡調査期間中、アスピリン群の方がプラセボ群よりも重篤な血管イベントが優位に少なかった。

658名[8.5%] vs. 743名[9.6%], 割合比 =0.88; 95%信頼区間[CI]0.79〜0.97; P =0.01

・対照的に、アスピリン群では314人(4.1%)、プラセボ群では245人(3.2%)で出血イベントが認められた。

割合比 =1.29, 95%CI 1.09〜1.52, P = 0.003

・出血の大部分は消化管出血やその他の頭蓋外出血だった。

・アスピリン群とプラセボ群とで、消化管癌の発生率(157人[2.0%] vs. 158人[2.0%])またはすべての癌(897人[11.6%] vs. 887人[11.5%])に有意差はなかった。これらのアウトカムに対する長期の追跡調査が計画されている。

【結論】

アスピリン使用は、試験参加時に糖尿病で明らかな心血管疾患のない患者における重篤な血管イベントを予防したが、重大な出血イベントを引き起こした。

絶対的な利益は、出血の危険性によって大部分相殺された。


【コメント】

アブストのみ。

明らかな心血管イベントの既往がない糖尿病患者におけるアスピリンの効果は認められなかった。アスピリンの用量は100 mg/日 と日本で常用されている投与量だった。

2次予防としてアスピリンを用いるか否かは、対象患者のリスク因子で変わりそうですね。

アスピリンは頸動脈狭窄患者において脳卒中予防のために使われている印象もある。実際の効果はどのくらいなのだろうか。

ちなみに本試験における2型糖尿病患者の割合は全体の約94%だった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です