日本人糖尿病患者における腎機能とアルブミン尿との関連性(前向きコホート研究; J. Diabetes Investig. 2019)

Prevalence of albuminuria and renal dysfunction, and related clinical factors in Japanese patients with diabetes: The Japan Diabetes Complication and its Prevention prospective study 5

Shikata et al.

Journal of Diabetes Investigation 2019.

https://doi.org/10.1111/jdi.13116

Clinical Trial Registry: 

University Hospital Medical Information Network Center (UMIN)

UMIN000016519

PMID: 未

【研究の目的】

日本人の糖尿病患者におけるアルブミン尿と腎機能障害の有病率、および関連する要因を明らかにするために、日本糖尿病合併症とその予防前向き研究のベースラインデータ(the Japan Diabetes Complication and its Prevention prospective study)を分析した。

【方法】

1型糖尿病患者355人と2型糖尿病患者5,194人のデータを使用して、アルブミン尿と腎機能障害の有病率、および関連因子を評価した。

二項ロジスティック回帰分析を使用して、推定糸球体濾過率<60 mL / min / 1.73 m2またはアルブミン尿の独立した寄与因子を調査した。

【結果】

・微量アルブミン尿および顕性アルブミン尿の有病率は、1型糖尿病患者において、それぞれ15.2%(54/355)および3.1%(11/355)、2型糖尿病患者では25.0%(1,298 / 5,194)および5.1%(265 / 5,194)だった。

・腎機能障害の割合(推定糸球体濾過率<60 mL / min / 1.73 m2)は、1型糖尿病患者で9.9%(35/355)、2型糖尿病患者で15.3%(797 / 5,194)だった。

・正常アルブミン尿を伴う腎機能障害患者の割合は、1型糖尿病患者で7.3%(26/355)、2型糖尿病患者で9.0%(467 / 5,194)だった。

・2型糖尿病患者のアルブミン尿に関連する要因は、糖化ヘモグロビン、高血圧、年齢、糖尿病の罹患期間、肥満度指数および推定糸球体濾過率だった。

・一方、腎機能障害に関連する要因は、年齢、糖尿病の罹患期間、脂質異常症、高血圧、肥満度指数、男性、およびアルブミン尿だった。

【結論】

The Japan Diabetes Complication and its Prevention prospective studyのベースラインデータを使用して、日本人の1型および2型糖尿病患者におけるアルブミン尿および腎機能障害の最近の有病率および関連因子を示した。

本試験結果は、2型糖尿病患者の腎疾患は不均一であり、アルブミン尿と腎機能低下において異なるメカニズムが関与している可能性を示唆している。


【コメント】

アブストのみ。

以前から指摘されていたことですが、糖尿病性の微小血管合併症を防ぐためには,血糖コントロールに加え、脂質、そして血圧のコントロールが重要です。

さて、本試験結果によると、アルブミン尿と腎機能低下は必ずしもパラレルではなく、顕性アルブミン尿を伴わない腎機能低下も存在するとのこと。1型糖尿病では全体の7.3%、2型糖尿病では全体の9%と、決して珍しい値ではない。

となると腎機能の評価として、尿中アルブミンを測定する意義はあるのだろうか。煩雑であれば推定GFRだけで良い気がしてしまう。

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