慢性腎障害患者における厳格な血圧コントロールは死亡率に寄与できますか?(RCT個人データのプール解析; Hypertension 2019)

Mortality Outcomes With Intensive Blood Pressure Targets in Chronic Kidney Disease Patients

A Pooled Individual Patient Data Analysis From Randomized Trials
Aggarwal et al.

Originally publishedhttps://doi.org/10.1161/HYPERTENSIONAHA.119.12697

Hypertension. 2019;73:1275–1282

PMID: 31067189

【試験の背景】

高血圧は慢性腎障害の人口で非常に流行しており、病的状態である。また、この人口に対する血圧(BP)の治療目標は不明である。

本研究ではアウトカムに全死亡率を設定して、収縮期血圧 <140 mm Hgの集中治療を基準とした群と、<130 mm Hgを治療基準とした標準BP治療群とを比較した。

【方法】

高血圧症かつ慢性腎障害患者4,983人からの個々のデータは、4つの多施設ランダム化対照試験 – AASK(アフリカ系アメリカ人の腎臓病および高血圧の研究)、ACCORD(糖尿病における心血管リスクの管理)、MDRD(腎臓における食事の修正)、およびSPRINT(収縮期血圧介入試験)から得られた。これらのデータをプール解析した。

試験参加者データは、介入グループ – 標準BP 治療(n =2,474) vs. 集中的BP 治療(n =2,509)に割り当てた。

追加分析には、集中血糖コントロールを受けている患者とともに、60mL /分/1.73m2以上の糸球体濾過率を有する患者を除外することが含まれた。

主要アウトカムは全死亡率だった。

【結果】

・平均達成血圧は集中BP治療群で125.0 mm Hg、標準BP治療群で136.9 mm Hgであった。

・一次分析において、全死亡率は集中治療によるアウトカム改善傾向が認められたが、統計的に有意ではなかった。

ハザード比 =0.87 [95%CI 0.69〜1.08]; P = 0.21

・標準BP治療群の2,474人のうち173人(1.95%)、および集中BP治療群の2,509人のうち153人(年間1.71%)が死亡した。糸球体濾過率がより高い患者および集中的な血糖管理を受けている患者を除外した後、全死亡率の統計的に有意な減少が認められた。

ハザード比:0.79 [0.63〜1.00]; P = 0.048)

【結論】

集中血糖治療を受けていない3期以上の慢性腎臓病患者で、<140 mm Hgの標準BP治療と比較した場合、<130 mm Hgの集中BP治療は全死亡率を減少させる。


【結論】

アブストのみ。

厳格な血糖コントロール治療を受けていない、かつGFR 60 mL/min/1.73m2 未満の患者では 130 mmHgの厳格な血圧コントロールで益が多いのかもしれない。

しかしNNT が400超なので、そこまで頑張る必要は必ずしもないかも。

リスク比は0.88、絶対差は0.24、NNTは417

また裏を返せば、血糖コントロールにおいて厳格治療を受けている、かつGFR 60以上の患者では積極的な降圧の益は少ない可能性が高い。

この点は一次予防、二次予防、並存疾患で異なってくるため難しい。

続報を待ちたい。

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