慢性リンパ性白血病患者でのイムブルビカ®️使用による心房細動リスクはどのくらいですか?(フランスの前向きコホート研究; openheart 2019)

High incidence of atrial fibrillation in patients treated with ibrutinib

Baptiste F et al.

openheart 2019

http://dx.doi.org/10.1136/openhrt-2019-001049

PMID:

目的

心房細動(Atrial fibrillation, AF)は、慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukaemia, CLL)などの慢性B細胞悪性腫瘍の予後を劇的に改善した薬であるイブルチニブの最も一般的な副作用の1つである。

イブルチニブ関連AF(IRAF)の真の発生率はよく知られておらず、その治療管理は特に出血の固有リスクのために特有の課題を投げかけている。

本研究ではIRAFの発生率と予測因子を決定し、その管理と結果を分析することを目的とした。

【方法】

心臓腫瘍診療所2施設における標準化されたモニタリングを適用し、イブルチニブ療法の前および経過について検証した。

主要評価項目はIRAFの発生率とした。イブルチニブによる過剰AF発生率は、一般集団およびイブルチニブに曝露されていないCLL患者において、IRAFの発生率とAFの発生率とを比較することによって検証された。

【結果】

・53人の患者が含まれた。

・IRAFの発生率は2年時点で38%であり、リスクは一般集団およびイブルチニブに曝露されていないCLL患者の両方と比べてAFリスクが15倍高かった(p <0.0001)。

・症例の大部分は最初の6か月以内に無症状の患者で発生していた。

・治療開始時の左心房容積指数≧40 mL / m 2は、IRAFを発症するリスクが高い患者を特定した。

・IRAF患者の大多数は抗凝固薬で治療されていたが、イブルチニブを投与されている患者では大きな出血事象は発生しなかった。

【結論】

本心臓腫瘍学研究では、IRAFリスクが以前に報告されたものよりはるかに高いことを示された。

綿密なモニタリングにより、症例の大部分が無症候性の患者であることが明らかとなった。


【コメント】

アブストのみ。

さて比較的新しい薬剤であるイムブルビカ®️による心房細動リスクについての研究。左心房容積指数 40 mL/m2 がリスク基準の1つとなる可能性が示唆された。

また追跡率からすると治療開始1.5年までが信頼性の高そうな結果であると考えられる。

ちなみに日本ではCLL発症リスクが低く、約0.0003%(100万人あたり3人程度)。

※イムブルビカ®️の適応症(2019年6月時点)

1. 慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)
通常、成人にはイブルチニブとして420mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
2. 再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫
通常、成人にはイブルチニブとして560mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

→ボリコナゾール併用時は相互作用による血中濃度上昇のリスクが予測されるため140mgを1日1回経口投与する。っていう注意書き小さいと思うのは私だけでしょうか。

※副作用グレードの評価

http://www.jcog.jp/doctor/tool/ctcaev5.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です