心不全にβ遮断薬がより有効なのは駆出率がどのくらいの人ですか?(RCTのメタ解析; Eur Heart J. 2018)

Beta-blockers for heart failure with reduced, mid-range, and preserved ejection fraction: an individual patient-level analysis of double-blind randomized trials.

Cleland JGF, et al.

Eur Heart J. 2018.

Clinicaltrials.gov: NCT0083244

PROSPERO: CRD42014010012

PMID: 29040525

【目的】

近年のガイドラインでは、心不全および左心室駆出率(LVEF)が40〜49%の患者は、LVEF≥50%と同様に管理することを推奨している。

そこで二重盲検ランダム化プラセボ対照試験により、LVEFによるベータ遮断薬の効果を調査した。

【方法】

ベースラインLVEFと心拍数によって層別化された試験11件における個々の患者データをメタ分析した。

主なアウトカムは、治療意図分析による追跡期間1.3年(中央値)以上の総死亡と心血管死だった。

【結果】

・洞調律の14,262人のLVEF中央値は27%(四分位範囲 21〜33%)で、LVEF 40〜49%が575人、≥50%の患者が244人含まれていた。

・ベータ遮断薬は、プラセボと比較して同調律における総死亡および心血管死亡率を減少させた。これは、LVEF≧50%の小サブグループを除き、LVEF層全体で一貫した効果だった。

・LVEF 40〜49%の場合、ベータ遮断薬にランダム割付された群の21/292 [7.2%]が、プラセボ群では35/283 [12.4%]が死亡した。

★調整ハザード比(HR)=0.59 [95%信頼区間(CI)0.34-1.03]

—-

・心血管死は、ベータ遮断薬で13/292 [4.5%]、プラセボで26/283 [9.2%]発生した。

★調整済みHR =0.48(95%CI 0.24〜0.97)

—-

・ランダム化後の中央値1.0年(n = 4,601)にわたって、LVEF 50%を除く洞調律の全グループでβ遮断薬によりLVEFが増加した。

・ベースライン測定時に心房細動の患者(n = 3,050)では、ベースラインで<50%のときにベータ遮断薬がLVEFを増加させたが、予後は改善しなかった。

【結論】

ベータ遮断薬は、LVEFが低下した洞調律の心不全患者のLVEFと予後を改善する。

データはLVEF <40%で最も堅牢だが、LVEF 40〜49%の患者サブグループでも同様の利点が観察された。


【コメント】

アブストのみ。

β遮断薬がハードアウトカムに影響を及ぼすのはLVEFが50%未満の時みたいですね。

ただ鬱血が認められる場合は利尿薬とともに早期に使用すると思います。そもそも心不全は疾患ではなく状態ですから難しいところだなと改めて感じました。

今後の課題はHFpEFの予後改善でしょうか。続報に期待。

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