低ナトリウム血症入院患者における入院前利尿薬使用と死亡率(傾向スコアマッチングコホート研究,Am J Ther. 2019)

Preadmission Diuretic Use and Mortality in Patients Hospitalized With Hyponatremia: A Propensity Score-Matched Cohort Study.

Holland-Bill L, et al.
Am J Ther. 2019 Jan/Feb.

PMID: 28005557

背景

低ナトリウム血症は死亡率の増加と関連しており、利尿薬の使用によってしばしば引き起こされる。低ナトリウム血症患者において利尿薬の使用が死亡リスクと関連しているかどうかは不明である。

臨床疑問

低ナトリウム血症で入院した患者の30日死亡率に対する利尿薬使用の予後的影響を測定すること。

研究デザイン

人口ベースレジストリを使用して、2006年から2012年までのデンマーク西部における急性入院後24時間以内に血清ナトリウム測定値が135mmol / L未満の全患者を同定した(累積人口220万人)。

現在の利尿薬使用者(新規および長期)、以前の使用者または非使用者として患者を分類し、死亡、移住または最大30日前までの追跡調査を行った。

アウトカムと測定

アウトカムは、人口統計、過去の罹患率、腎機能、および併用薬について管理された30日間の累積死亡率および相対リスク(+95%信頼区間CI)。

算出についても利尿薬の種類によって分けられ、傾向スコアマッチングの後に繰り返された。

結果

利尿薬使用中の患者(n =14,635)において30日以内の死亡率は、非使用者の6.2%に対し、調整相対リスクaRRは1.4(95%CI 1.2~1.5)だった。

新規ユーザー(aRR =1.7, 95%CI 1.5~2.0) は,長期ユーザー(aRR =1.3, 95% CI 1.2~1.4) よりもリスクが高かった。

特に、ループ利尿薬(aRR =1.6, 95%CI 1.4~1.8)、カリウム保持性利尿薬(aRR =1.6, 95%CI 1.2~2.2)、利尿薬多併用療法(aRR =1.5, 95%CI 1.3~1.7)の使用はリスク増加と関連していた。

一方、チアジド系利尿薬の使用ではリスク増加が認められなかった(aRR =1.0, 95%CI 0.9~1.2)。

結論

チアジド以外の利尿薬の使用は、特に新たに開始された場合には、低ナトリウム血症患者における予後不良因子である。


コメント

アブストのみ。

対象は 低ナトリウム血症により入院した患者。入院前の薬剤使用が、予後に影響を与えているのではないかという疑問を基に行われた研究。

結果としてはチアジド(あるいはサイアザイド)系利尿薬が予後へのリスク増加が少なそう。しかし本研究はコホート研究であるため、チアジド系利尿薬を使用していた患者が、他の利尿薬使用者よりも体力的に健康であった可能性もある。

事実、診療ガイドラインでは慢性心不全患者に対し、ループ利尿薬を第一選択薬としている。

続報を待ちたい。

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