【症例検討】リリカ®️使用による体重増加はどのくらいですか?(Diabet Med. 2011; Eur J Clin Pharmacol. 2018)

【背景】

三叉神経痛の疑いで治療中の40代女性。激痛により食事が取れず体重が3kg減ってしまった。テグレトール®️(カルバマゼピン)低用量から漸増するも症状改善は認められず、リリカ®️(プレガバリン)が追加となった。疼痛を含め神経症状は改善したが治療開始1ヶ月後に体重が8kg増加した。

患者家族より「薬のおかげで痛みが和らぎ、食事が取れるようになったのは良かった。でも最近、すごく体重が増えているみたい。本人も気にしているみたいなのだけど、どうしたら良いでしょうか。」

状態は安定している様子。薬剤だけでなく治療計画も含め検討を行った。

【方法】

GoogleおよびPubmed検索。

【結果】

各薬剤の添付文書をみてみると、両薬剤とも体重増加の可能性が指摘されていた。文献によると対象患者は異なるが、カルバマゼピン使用による体重増加リスクは少なそう。一方プレガバリンの使用は、一貫して使用者の10%程度に体重増加が認められた。

(第Ⅲ相試験:リリカ®️インタビューフォームより引用)

(第Ⅲ相試験:リリカ®️インタビューフォームより引用)

(重要な基本的注意:リリカ®️添付文書より引用)

Efficacy and safety of pregabalin for treating neuropathic pain associated with diabetic peripheral neuropathy: a 14 week, randomized, double-blind, placebo-controlled trial.

Satoh J et al.

Diabet Med. 2011 Jan;28(1):109-16. doi: 10.1111/j.1464-5491.2010.03152.x.

PMID: 21166852

結果を一部抜粋:

傾眠(26%)、めまい(24%)、末梢浮腫(13%)および体重増加(11%)が最も一般的な有害事象であり、一般的に軽度から中等度と報告された。

Weight changes associated with antiepileptic mood stabilizers in the treatment of bipolar disorder.

Grootens KP et al.

Eur J Clin Pharmacol. 2018 Nov;74(11):1485-1489. doi: 10.1007/s00228-018-2517-2. Epub 2018 Aug 7.
PMID: 30083876
結果を一部抜粋:
双極性障害患者において、バルプロ酸は最大50%の体重増加との関連が証明されており、開始後2〜3ヶ月で検出される可能性がある。 カルバマゼピンは体重増加の危険性が低いことが証明されている。 ラモトリギンとトピラマートは体重減少に関連していた。

【コメント】

本症例に出会うまでリリカ®️(プレガバリン)による体重増加のことを知りませんでした。
調べてみると頻度としては10人に1人と、かなり多いなという印象。使用用量との相関はなさそうだが、症例数が少ないため検出できなかった可能性もある。
さて、冒頭の症例に戻りますが、三叉神経痛の疑いにより治療を開始し症状は緩和したが、体重は増加してしまったとのこと。
プレガバリンの使用用量と体重増加の相関関係は、少なくとも現段階において明確ではないため、薬剤用量の漸減よりも食事療法および運動療法を勧めることとしました。
現在では、過度の体重増加はなく痛みも治まっている。

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